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近況 [Guide]

この一週間は、八ヶ岳、妙高、妙義山、谷川岳と各所を巡る旅だった。
大雪の影響で登れた山も登れなかった山もあり、モヤモヤが残る最近の状況。
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冬の間は豪雪の富山を離れて、各所をロングドライブしながら移動することが多く、長時間運転していると余計なことをいろいろ考えてしまうことがある。
「この仕事いつまでできるのだろうか」「自分にしかできないことはなにか」など考えているうちに鬱になってくる。

私がガイド資格を戴いた旧団体の頃は、先輩ガイドというものはすべての人が雲の上の存在で人柄はともかく、登山家、クライマーとして凄い人ばかりで、私も山岳ガイドとして暮らしていけるようになった時はガイドという職業に誇りもあったし、ガイドと名乗れることが嬉しかった時期もあった。

今は、登録ガイドも3000名を超えたらしく、山なんか大して登ってなくても登山ガイドになれるし、資格範囲を超えても誰からもお咎めがないのでガイドという言葉も軽薄さを感じるようになり、職業を聞かれて山岳ガイドと答えるのも恥ずかしくなってきた。

お客様で来ていた人がしばらく見ないなと思うと「ガイド資格を取りました」と言われ驚くこともある。

私も、今までは登山ガイドと山岳ガイドの職能の違いなどを各場で訴えてはきたが、剱でも冬山でも堂々と登山ガイドがガイドできる現状に「そんなことはもうどうでも良い」のであって、問題を感じて恥ずべき業界と思うのなら私がガイドを辞めれば良いという気持ちになっている。

どのみち、こんなに膨張したガイド業界はごく近い将来の少子高齢化、日本の経済力減退の中で今のような仕事量は無くなるだろうし、膨張したガイド人数も淘汰されるだろうから、その時は引退せざるを得ないと覚悟している。

今ガイド試験を受けている人や間違ってガイドになってしまった若者は、現在溢れかえっているガイドの仕事はほとんど無くなることを頭に入れておいた方が良いかもしれない。
余計なことかもしれないが。


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