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秋の長雨について思うこと [Guide]

台風21号、北海道地震と日本に災害をもたらす出来事があり、被害を受けた皆様へ心からお見舞いを申し上げます。
これ以上被害が広がらないことを祈るばかりです。

そしてここ最近の北陸は秋の長雨が続いています。

山岳ガイドという仕事は自然に依存するしかありません。
しかし、少し考えたいのは、雨がずっと降り続いているわけではなく、雨予報が出ていても止み間があったり、陽が差すタイミングがあったりします。
そのようなタイミングを上手く捉えて、登れるルートを選択するのも登山の醍醐味なのではないかと思っています。

山行中3日間とも無風快晴をイメージして登山計画を立てたり、またはガイド依頼をされてもそれはまず無理というものです。
2日後、3日後の山の天気を完璧に読み切れる神様のような方は別にして、まずは入山して山小屋で様子を観察するという考えも有りではないでしょうか。

私は剱岳という条件の厳しいエリアでガイドをしていますが、雨予報であっても数時間の登れるタイミングが意外とあることを知っています。

そういう時は入山者数も少ないし、小屋も空いているし、良い事もたくさんあります。
また、美しい虹に出会えたり、ブロッケンが出たり、綺麗な雲海を見たり、快晴では味わえない体験もできたりします。
虹.jpg
ガイド予約される方の中には、月曜にメールが来て富山県の週間天気予報で週末天気が悪そうだからキャンセルさせてくれという方も実際多いです。
キャンセル依頼は受けますが、情報を誤って捉えていることに残念な気がします。

山小屋にも同様のキャンセルは多い様に思います。
これは風評被害です。

天気予報はひとつの情報であって、イコール登山中止と結び付けるのは早計ではないでしょうか。
あまりに無風快晴の3日間を期待しすぎる風潮があるような気がします。

災害レベルは別として、まず入山してみて天気予報と実際の差異を体験することは登山力を養う上で重要だと思います。
私は剱岳に出掛ける日数が多いので、剱岳ならある程度登山できる雰囲気を感じるとる事ができます。

天気予報を見て即登山中止して晴天を待ち続けることも悪くはないですが、大事な体験を逃しているような気もします。
まずは行ってみてはいかがでしょう。

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