晩秋剱岳 [剱立山]
今週平日は紅葉を楽しみに裏剱への予定でした…。
しかし、8日は風雨があまりに激しく、予定していた仙人池ヒュッテどころか、雷鳥荘から先へ進めず。
朝から雷鳥荘の温泉でのんびりくつろぐ。
強い雨風は結局一日中続き、外へ出ることができませんでした。
そして、翌日の朝は冷え込んだ。
浄土沢の橋は凍り、恐ろしかった。
冷え込んで、紅葉はとても美しかったです。
剱御前小屋へ上がったら、−6度とのことでした。
お客様の一名が不調で、剱沢の下降を諦めて剱澤小屋に泊まることにした。
全く予定と違うが、もう一名のお客様と凍った別山尾根から剱岳へ。
急遽、今シーズン5回目の剱岳山頂ということで申し訳なかったです。
稜線西側は氷が付着している場所もありました。
もう、別山尾根は一般登山道と呼べる時期ではありません。
3日目最終日は快晴の中、剱沢から室堂への下山のみ。
消化不良の山行となってしまいました。
台風19号が近付き、これで今シーズンの剱沢ベースのガイドは全て終了です。
たくさんのお客様と剱岳をご一緒できて、事故なく終われたことに感謝の言葉しかありません。
私のお客様、皆さん素晴らしいと感じるのは、登るルートに応じた準備がしっかりとできていることです。
持参装備が最適で、事前トレーニングで充分な体力を付けて参加されるので、バリエーションルートでも他パーティより、速く安全に危険地帯を抜けることができます。
そして、悪天候の中にある一瞬のチャンスを掴むことも可能でした。
ガイドから見て、信頼できる関係を築けていると思います。
反面、残念ながら今シーズンの富山県では、山岳遭難が増えています。
今も、剱岳では高齢単独登山者が行方不明になっています。
今年9月の19歳女性単独登山者のあまりに悲惨な遭難から学ぶことは沢山あるはずです。
単独登山を否定する気は全くありませんが、そのリスクを正しく理解し、対策を取ってから覚悟を持って臨んで欲しいものです。
剱岳は国内最難の凄い山で、いくら頑張っても私には手が負えない難し過ぎる山だと知らされることばかりです。
自分にとって良い条件が揃った時に、何とか登れる山だと思っています。
だから、ガイドできる実力が無くなったと判断したら剱は辞めます。
2019-10-10 15:30
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