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剱岳体験学習 [剱立山]

今回のガイド依頼は、「息子が進路を真剣に考える時期に入り、剱立山で貴重な体験をしてもらいたくガイドをお願いしたい」ということで、高校二年生男子に剱岳登山を体験してもらうガイドを受けることになった。
 
お盆の長雨でガイドの仕事は一週間休業で、久しぶりに家から山へ向かう。
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剱岳がようやく富山市内から眺められる好天が来た。
「登ってこい」と言わんばかりに!
 
アルペンルートはガラガラ、室堂もガラガラ。
富山アラートステージⅢ、蔓延防止等重点措置が効いているのか。

父子と合流し、剱御前小屋を越えて、少し霞んだ剱岳と御対面。
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剱岳を初めて見て、「オー!」と圧倒された様子。
 
翌朝、父は剣山荘にステイ。
息子と二人で別山尾根に向かう。
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星空の美しさに感動していたが、私にはそんなことはどうでもよく、まとわりつく湿気が気になって仕方ない。

快晴なのだが、数時間後に雨が降ることは容易に想像できた。
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前剱で五龍岳から日の出を見て感動していた。

嫌な色だ。

鎖場を快調にクリアして、前後には他パーティもいない。
 
タテバイを登っていたら…。
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ザーッと雨が降り出した。
風もかなり強い。
この子は登山経験はあまりないけど、マンツーマンだし、体力は有り余っているのでそのまま山頂を目指す。
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風が強かったので黒い雨雲が飛び、隙間から景色も見えた。
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剱岳別山尾根は下山が核心。
「頂上で喜ぶんじゃない」と言ってあったので、しっかりと下山に体力と集中力を残しておいてくれた。
びしょ濡れのヨコバイ、ツルツルのハシゴに気をつけて、平蔵ノコルまで降りたら、雨も上がり、気温も上がってきた。
 
でも、また降ったり止んだりを繰り返すだろう。
読みづらい天候だが、剱岳では良くあるパターン。
与えられたチャンスを的確に捉えて、ヤバくなったらさっさと逃げるのだ。
 
無事に剣山荘へ降りたら、父と涙で抱き合っていた。
やはり、まだ子供なんだなぁ。
この剱岳体験が進路にどう影響を与えるかはわからないが、ひと夏の思い出にはなったことだろう。
 
剣山荘で、もう一泊する親子と別れた。
別れ際に息子が「本郷さーん、楽しかったよー!」
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夏の剱岳でいつも危惧していることがある。
 
親子連れの存在…。
 
剱岳へのチャレンジは素晴らしいと思うのだが、不安を感じることが多い。
この日も小学校二年生と六年生、別に小学校二年生を含んだ親子パーティが2グループいた。
なんで、学年までわかったかと言えば不安を感じ、心配でそれぞれ声をかけたので。
 
親は見た感じ、両方とも剱岳は初めての雰囲気。(迷いながら歩いているのですぐにわかる)

雨で濡れた鎖は、子供の小さい手では怖いと思う。(握力70を超える私でも濡れた鎖は怖い)
ツルツルになったハシゴは子供の小さい手ではしっかり握れず、大人より遥かに怖いだろう。
ランヤードもロープもなく、休むこともできないだろう。
親子連れが夏の剱岳別山尾根で事故を起こしたという話は、私が聞く限り知らないのだが…。
子供達は、相当怖い想いをするだろうと予想する。

「タテバイ、びしょ濡れになってますよ」と親達に伝えたが、気にする様子もなく、益々心配になる。
 
ひとりで剱御前小屋に向かっていたら、県警ヘリが現れた。
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すれ違った子供達のことが気になって仕方がない。
何もないことを祈る。
 
子供達の剱岳チャレンジを応援したい

このブログを読んでいる方の中で、もし子供を剱岳に登らせようと考えている方がいらしたら是非御相談ください。
ガイドを頼まなくても、無料で詳しくアドバイスします。
もし、ガイドを依頼されるならガイド料無料は難しいですが、御負担掛からないよう相談に乗らせていただきます。
 
きっと、楽しんでいただけると思います。
顔は怖いけど優しいと思います。
 
剱岳チャレンジを怖かっただけで終わらせて欲しくないと思っています!

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