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雪を掘る楽しさ [剱立山]

この冬は思うところあり、富山県某所にて除雪の仕事をさせていただいている。
剱立山に活かされている身として、この裏方の仕事はいつかやってみたいとずっと考えていた。
このようなチャンスを与えていただき、関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

みんなで一つのテーマに向かって行うチーム作業はとても楽しいもの。
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池田ガイドから「おい、新人!」と呼ばれるのも快感になってきました。

雪をひたすら掘って落とす作業は、なかなか難しいが慣れてくると楽しい。

私は若い頃に雪崩に埋まったこと数度、クレバスやシュルントに墜ちて、何とか助かった経験から雪という得体のしれないものを徹底的に調べたいと思った時期がある。

学者や土木関係者しか入れてもらえなかった日本雪氷学会雪崩分科会に何とか頼み込んで登山者の肩書で入会させてもらった。
先生方に「雪を知りたければ、とにかくたくさん掘りなさい。」と言われたことを思い出す。
様々な雪を、様々な時期に、様々な場所で掘ってたくさん雪を見ることがいかに勉強になったことか。
カッコいい資格も何も持ってないし、今風のガイドラインはよくわからないけど、雪をたくさん掘ったことは今の仕事でベースとなるスキルとして活きている。

池田ガイドから「あんた、新人のくせにうまいぜー」と言われると嬉しい。

そういう人 [アイスクライミング]

私はアイスクライミング初心者の講習を行う機会が多く、いろんな人に楽しさを味わって欲しいと思って活動しています。
しかし、残念なこともたまにあります。

昨年も某講習会で若い女の子がピカピカのpetzlクォークとリンクスを装着していて、私が「おっつ、買ったの?」と聞いたら「私、頑張って買いましたよ!」と楽しそうに登っていました。
翌日はパートナーとルートに登るそうで、楽しみにしていた様子を覚えています。

しかし、翌朝玄関でずっと立っている彼女を見つけ、「どうしたの?」と聞いたら「クォークとリンクスが無くなったんです。誰か間違って持って出ないか、ずっと見てます。」と。
非常に高価な新品のピカピカのアイスアックスとアイスアイゼンを間違えるはずもなく、盗難の可能性があると感じるしかなかった。
小屋とも話をしたが探せるわけもなく、私は「こんなことでアイスクライミングを辞めないでね。」という他はなく、彼女に哀しい想いをさせたことをずっと悔しく思っていた。

昨日、下山してきた登山口でその彼女と久しぶりにバッタリ。
「本郷さん、私のこと覚えてます?」と。
忘れるはずもなく、「アイスやってる?道具はどうした?」と聞いたら「また、買い直しました。」と。
嬉しくもあり、哀しくもあった。
あの時のことを思いながら「自己防衛するしかない。」ということを話し合いました。
大切な道具は布団の中で抱いて寝るしかないのです。

私のお客様もなくなった登山用品はたくさんあるし、私の道具もたくさんなくなりました。
しかも、新しいものばかりなくなります。
デポした私とお客様のスノーシューがなくなったこともあります。

話は変わりますが、昨日登った滝で缶酎ハイを飲んでいたクライマーがいました。
その方は左側の優しめのラインをフォローで登っていたのですが、ずっとテンション掛けたまま各駅停車で登っていました。
その後、トップロープで登っていた時はアックスが手から離れ、取付きにノミックが飛んできて大騒ぎになりました。
なんかおかしいなと思って、注視したら缶酎ハイを飲んでいました。
登り終わってから飲みだしたのか、飲んでから登ったのかは定かではありませんが、私がそれに気付いてじっと睨んでいても、知らんぷり。

上記2件は書きたくもない嫌な話ですが、そういう人もいるということで、自己防衛を考えることが必要だと思いました。
「人のものを盗むな」「登山中に酒を飲むな」などは程度が低すぎる話で、そういう人にやめましょうなどとお願いするレベルではない。
私達は、そういう人から被害を受けないように、いわゆるリスクマネジメントに入れる必要があると考えます。
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せっかく美しい山を楽しみに来たのだから、嫌な想い出にしたくはないものです。

朝から嫌な話で失礼しました。



八甲田山 [大好きなスキー]

八甲田に行ってました。
厳冬期は条件が難しい八甲田だが山頂にも行けたし、青森を起点にローカルスキー場も楽しむことができた。
もちろん酸ヶ湯温泉にも泊まることができた。
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ずっと降りっぱなしでパウダースキーを味わうこともできた。

視界が悪くて、寒くて、それでもそこは八甲田。
楽しい5日間でした。

また、来年も企画したいと思います。

アイスクライミング講習 [アイスクライミング]

今日の富山は大雪で大変なことになっている。
本日のガイドは中止になり、除雪を頑張ることにした!
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先週は、湯川や須坂、アイスキャンディフェスティバルなどに行くアイスクライミングの講習週間だった。

私はアイスクライミング未経験者から初級者までを対象にした講習に留めている。 アイスクライミングはリードする人と、フォローまたはトップロープで登る人の労力差が著しい。

リードする者はプロテクション設置技術、レスティング、ルートファインディング、リスクに対する勘など求められるものは限りなく高い。

アイスクライミングのムーブ自体は、フリークライミングをそれなりに経験した人なら理解しやすいし、すぐに慣れるはずで、そこからリードできる立場になるまでは経験を積み重ねるしかない。

つまり、リードができる中級者、上級者を目指すなら自分の責任でリスクを受けとめて経験と知識を積み重ねる方が良いと思っているし、そちらの方が理に適っていると思う。

自然の滝で誰かにリードしてもらって、登ったとしても、フォローは学ぶことは少ないと思うし、勉強になったと思うなら、それは他に学ぶべきことがあるんだと思う。

アイスクライミングは最初のキッカケをもらったら、良い道具も情報もたくさんあるので、どんどんリードして自立して欲しいと思うのだ。

各地に人工氷瀑もできて様々な練習できる環境もあり、良い先輩もいて意欲あるクライマーはどんどん成長できる時代でもある。

登山も同様で、自分で判断する経験を積み重ねないと、いつまでも自立できず危険を危険として認知できない登山者となるように思う。

なんの根拠もなく「あそこ登りたい」「あそこ行きたい」という駄々っ子みたいなタイプの人もいれば、地道にステップアップを繰り返して自分の目標や可能性を見出すタイプの人もいて、私は後者のタイプが好きだなと思う。

ガイドを上手く利用して、自分の実力を上げて、自立した登山者が増えたら未来は明るい!