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台風12号 [剱立山]

今週末は台風12号が日本に影響を与えそう。
今日から早月尾根へガイド予定だったが中止しました。
早月小屋に入って、明日早朝登って急いで降りるプランも考えたが、急いては事を仕損じる。

台風に強い剱岳だが、今回は台風が珍しい動きをしているので慎重になってしまった。
結果的に、登山には影響ないかもしれないが、お客様の命を預かる身としては、慎重過ぎるくらいで良いと考えています。
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新しいスマホケースも届きました!
台風過ぎたら、また頑張ろうって思います!

別山尾根にて [剱立山]

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つい三年前くらいまでは、別山尾根をガイドすることはほとんどなく、バリエーションルートから剱岳に登って、別山尾根を下るという型が多かった。
リピーターのお客様でも、別山尾根を降ったことはあるけど、登ったことは無いという方も多い。
しかし、ここ二年は別山尾根をガイドする機会が増えてきた。
剱岳を初めて登るお客様と接する機会が増えているということなので、喜ばしいことではある。

別山尾根にはいろんな登山者がいる。
最近、私は良く注意される。
「そこは道、間違ってますよー」とか。
岩が堆積した登山道や、残雪が消えたばかりの登山道は、時に歩きやすい場所が変わることがある。
印がついている所がいつでもベストとは限らない。
私はその時に最も安全で楽な道をお客様に合わせて選んでいるので、静かに見守ってください。

時間がない時やお客様が消耗している時、前剱を踏まずに巻くことがある。
そうすると、関係ない登山者が「あんた、前剱を通らなかっただろ…」

下山時に、誰も登って来る人がいないので、登りの鎖支点にちょっとロープを掛けてビレーしたら、「そこは登りの鎖だから、下りの鎖を使えー」
触ったらいけないのか。

叱られてばかりで、萎縮しております。
なんか小姑のような男が最近多いなぁと思う。

前にも書いたが、相変わらず山頂近くなると、「もう頂上は近いぞ!」「もう一踏ん張りだ!」と激励の言葉を掛けていただく。
もう随分慣れて来たが、やっぱり私は山岳ガイドに見えないのかと精神的に傷付く。
こんなに顔が黒いのに。
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とにかく何か言いたくてウズウズしている人が今夏も目立つ。
別山尾根の人間模様はいろいろ…。
私は話しかけやすい雰囲気があるのだろうか…。


同じような山岳事故が続きませぬよう [RESCUE]

今夏は山岳事故が頻繁していますが、その事故が繰り返されないような仕組に繋がっていないように思います。
同じような事故は防ぎたいものです。

流れてくる情報は、年齢、性別、事故現場、受傷内容くらいのものです。
ここからどうやって再発防止策を考えたら良いのでしょうか。
事故者本人の個人情報を守秘することは当然ですが、事故原因を掘り下げて、次に繋ぐことは必要なのではないかと思います。

これは昔、日本山岳協会を主体に横断組織を作ってやっていた時期もありましたが、山岳会衰退期の現在では自然消滅したものと認識しています。

登山人口が増加し、ジャンルも広がり、多様な登山者が生まれ、他方ガイドビジネスが乱立している今はSNSなどを利用して、もっとタイムリーに、即効性のある仕組があると良いように思います。

最近はガイドの事故もありました。
私はガイドの仲間として、情報共有して防止策に繋げられたら良いと思います。

でも、そこは触れたがらない雰囲気がある。
何か釈然としないのです。

人間は間違える生き物ですから、山岳事故事例の情報共有ができる環境が欲しいと思います。

というか、何とかしたいと思います。
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暑い日が続く剱立山 [剱立山]

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ここ数日は各所で猛暑日が続いていますが、仕事場である剱立山の高山でもやっぱり暑い日が続いてます。

充分な睡眠と水分補給に留意しながら登山を楽しみましょう。

私は健康診断で肺ガンの所見ありとのことで、ガイド予定をキャンセルして、一旦下山して精密検査を受けましたが、健康そのものということがわかり、安堵しております。

また、新たに頑張ります!

剱岳シーズンの始まり [剱立山]

夏の剱岳ガイドスタート初日に、北陸も梅雨が明けました。
今シーズンもとても縁起が良い。
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剱澤小屋に着いたら、男性スタッフは全員で剱沢のトレースカットをやってました。
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事故防止に繋がる地味な作業に頭が下がります。

トレースは出来ていますが、降雨後は直ぐ状況が変化しますし、早朝は雪も硬いので、アイゼンは保険として必ず携帯すべきです。
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多くの人が往来する別山尾根は、剣山荘と一服剣の間に1箇所残雪があります。
ステップカットしてありますが、ここ数日の雨で、ステップが緩んできていますので注意が必要です。

一服剣を超えたら、残雪を踏むパートはありません。
タテバイ手前のシュルントも1m以上空いているので安全に通過できました。

剱澤小屋では、今夏シーズン最初の宿泊客にさせていただきました。
今回は3泊しましたが、毎食メニューが変わる美味しい食事と温かいシャワーを浴びて、我家のようにリラックスできました。
新人スタッフもみんな良い子達で、ホスピタリティもバッチリです。

この夏も変わらず剱岳に通う楽しみができました。

コルチナから帰国したけど上野泊 [海外クライミング]

昨夜、コルチナから帰国しました。
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今回は31歳の若手コルチナガイドとずっと一緒に行動しました。
日本で言えば、小俣ガイドみたいな雰囲気の若者でした。
コンペクライマーでもある彼は食生活やトレーニングにも気を使い、ガイド活動を続けているようです。
彼のガイド経験はまだこれからですが、クライマーとしての生き方にはとても刺激を受けました。
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体調や環境が悪くなる中で私のクライミングに対するモチベーションはかなり下がっていて、岩に触る時間はほぼ皆無だったこの数年。
彼を見ていて私も、もう一度クライミングやってみたいと心から思いました。
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グレードなんて気にしないで、心の充実を感じるクライミング生活を送りたい。
歳をとったら、とったなりのクライミングとの付き合いを続けたいと思いました。

さて、今回のコルチナは短かったけど、天気にも恵まれて、地元の人達とも久しぶりに再会できて幸せでした。
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帰りは、ベニスからドーハまで順調でした。
ドーハからのフライトでは、久しぶりにあの知る人ぞ知る西川茂樹さんと一緒でした。
25年前くらいに、一緒にヨセミテへ行って以来でした。
あの時は、西川さんにヨセミテとコロラドへ連れて行ってもらったという感じでした。
それから、私は5回ほどヨセミテを訪れたのですが、そのキッカケになった旅が西川さんとでした。
お互い少し(かなり…)太りましたが、雰囲気はまったく変わってないねーと話しながら再会に驚きました。

ドーハから成田へは30分以上遅れており、予約済みの最終新幹線に間に合わないかもとドキドキしてました。
韓国を過ぎた辺りで、間に合わないのが決定的。
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しかもイジワルなことに、富山上空を通過するので、ここで降ろせよと叫んでました。

電話したら、パパの帰りを待ってた歩美は泣いているそうで…。
俺も泣きたいよ。

上野ガード下でひとり酒。
あまりに寂しく。
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深夜のラーメン&チャーハンは今晩だけですよ。
クライマー復帰宣言したばかりだしね。

さあ、これから富山へ帰れるのでしょうか?
大雨の影響、鉄道はどうなるか?


心地良い風吹くコルチナ [海外クライミング]

7月1日は一年の折り返し。
2018年もあっという間に過ぎようとしています。

今は2年ぶりのコルチナにいます。
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街の皆様に暖かく迎えていただき、コルチナは私には居心地の良い場所です。
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コルチナガイドにお願いして、フェラータやクライミングを楽しんでいます。
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地元に精通した現地ガイドと接することはとても重要です。
ただ山を登るだけでは得るものは大してなくて、地の文化や歴史的背景を知り、より深くコルチナを楽しむことができます。

私が山岳ガイドとして生きるヒントを学ぶ意味でも、コルチナを訪れることは有益なことです。

大事なことは楽しい雰囲気作りです。
ガイド資格を取得しても、使い方がわからない勘違いした裸の王様になっては惨めです。

自分のやり方以外は認めない
人を見下す
でも、言うべきことは言わない
他人の評論や批評は得意で…

これじゃ、ダメですねー

もちろんコルチナガイドにも、いろんな人がいましたが、根付いているものは安全を確保した上でクライアントをいかに楽しませるかを常に考えています。
危険なクライアント(謙虚さのない自己主張だけ強い方)にはとてもシリアスで厳しいです。
高度感ある岩の上が主体なので当たり前ですね。
そして、ホントに良く勉強しています。
新しい道具にも凄い興味を持ちます。

訪れた人達に様々な満足感を与えられるコルチナガイドの皆様から学ぶことは多過ぎるのです。