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日本海を目指して [北アルプス]

体調を崩して、暫しガイドできる状態になく、2件ガイドを中止してしまいました。
ご迷惑をお掛けしたお客様には、この場を借りてお詫び申し上げます。

やっと気力、体力が復活して、栂海新道に臨むことができました。
薬を飲みながらの栂海新道でしたが、お客様の中に医師がいらしたので、アドバイスをいただきながら歩くことができ感謝で一杯です。
さらに保険屋も帯同していましたので、色々と心強かったです。

今までの栂海新道ガイドは、全て白馬からのスタートでしたが、今回は初めて北又から朝日小屋を利用させていただきました。
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朝日小屋は北アルプスの最北端にありながら、とてもホスピタリティ溢れる小屋で泊まるだけで幸せになれます。

どこからアプローチしても、とっても遠い小屋ですが、必ず訪れる価値のある小屋です。
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朝日でアサヒスーパードライも流行となっています。

テラスでビールを飲みながら、寛いでいると。
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約束通り、14時に保険屋が合流。
夜行バスを利用して、猿倉から白馬を走って来ました。
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朝日小屋の夕食は豪華で、どれも美味しいです。
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宴席も楽しみです!
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翌日に影響しない範囲で楽しみましたよ。

翌朝は朝食を戴いてから出発!
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ゆかりさんに見送っもらい、いざ栂海新道へ。
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雨の予報でしたが、曇天で歩きやすい状態でした。
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紅葉の中、ひたすら日本海を目指します。

栂海山荘は午前中に着いたので、白鳥小屋まで進みます。
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我々だけの貸切で、贅沢な時間を過ごせました。

水と食材をガッチリ担いできたので、お腹いっぱい食べれました。
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もちろん、ホッピーもあります。
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語り続ける保険屋さんは、快調に飛ばしてます。

最終日はいよいよ日本海へ。
だんだんと波の音が聞こえてきて、国道8号線のトラックの音も聞こえてくると終わりが見えてきます。
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この山行中、結局一度も雨具を着ることなく終わりました。

火照った足に、冷たい海水は心地良く。
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北又の入山から、約60kmの道のりは長かった。
体力はもちろん、折れない心が何より重要です。

ルート上に危険箇所は、あまりないですが、容易なエスケープルートがないので、つまらない怪我は致命的となります。
今回、反省すべきアクシデントがありましたが何事もなく済んで良かったです。

とにかく、確実な歩行技術を持って、体力的に余裕がある方がチャレンジすべきルートです。
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長い山旅の〆は、親不知観光ホテルの蟹尽くし料理です。
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ここで富山湾のダイヤ「ベニズワイガニ」を腹一杯食べて、山行を振り返ることがとても良いのです。

三連休の台風 [剱立山]

大切な三連休に台風17号が日本海へやって来た。
22日が立山三山縦走、23日が剱岳源次郎尾根の予定だったが、行動できる日は22日だけと予想した。

21日に天狗平山荘に宿泊。
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ここは、どの料理も美味しい!
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親方と台風の影響をチェックしながら。

やはり、22日は晴れました!
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龍王岳東尾根へ。
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帰路は浄土山を回って、天狗平へ。
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剱ラーメンをいただき下山。
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そして、〆はえび寿司にて。

本日23日は、富山も台風最接近とか。
ゆっくり静養することにします。

秋晴剱岳を満喫 [剱立山]

今週平日は素晴らしい快晴に恵まれたが、日により強い降雨もあり、狭間を縫っての登山となった。

17日に入山し、剱澤小屋へ。
18日は朝から雨で停滞。
でも、午後遅くから天候回復。
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プロカメラマンも定番写真を撮ってましたよ。
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夕方は日本海方面が焼けました。

そして、19日は眼下に広がる雲海を見ながらの登山。
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まさに海の上みたいでした。
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今回は立山ガイド協会の松田ガイドと2組の御夫妻をお連れできました。
心地良い天候の中で、良い剱岳登山ができました。


お客様入れ替わりで、20日は北方稜線予定でした。
しかし、21日に降雪がある可能性があったので、20日のうちに源次郎尾根を登って、そのまま下山することにしました。

朝4時に剱澤小屋を出発。
剱沢は雪が減って、平蔵谷まで雪渓に降りることはできませんので時間が掛かります。
雪渓がかなり低いので、源次郎尾根の取付も暗いうちは解り辛いです。

取付を5時30分スタート。
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源次郎Ⅰ峰からの絶景ポイントも、長次郎谷に雪がなく、寂しい感じです。
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秋空からのラッペルを終えたら、ひたすら山頂目指して登るのみ。
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9時過ぎに山頂へ。

お客様は初めての源次郎尾根。
急なルート変更にしっかり対応してくれて感謝です。

私は今シーズン7回目の源次郎尾根、19回目の山頂になりました。

別山尾根をゆっくり降りて、剱澤小屋から室堂へ無事帰還しました。

剱岳も秋深まり、しっかりと防寒対策が必要です。
剱御前小屋では20日朝は1℃だったそうです。

さて、今日からの三連休は台風ですね。
やれることをやろうと思っていますが、どうなるやら。

考古学的剱岳 [剱立山]

秋の三連休は1日前倒しで、金曜から入山しました。
私的今シーズン最大関心事のイベントで、富山考古学会の踏査でした。

当日の天気をずっと前から気にして、ドキドキしてました。
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入山日も快晴!
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夜は剱澤小屋ならではの豪華メンバーで宴が始まる。

翌朝は超快晴。
暑くも寒くもなく最高に気持ちいい!
土曜は連休初日だったが渋滞も大したことなかった。
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そして、今シーズン一番のお天気に恵まれて山頂へ。
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立山ガイドの若手 細田 岳くんに手伝ってもらいました。

別山尾根は一人で三人までしかガイドしないと決めてますもので。
岳くんは、剱澤小屋の元スタッフ。
朴訥で頼りになるガイドです。
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そして調査開始。
私も金属探知機を初めて触りました。

何を調査しているかは内緒です。

そしてラーメンタイムにも間に合います。
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ビールで乾杯してからのラーメンは最高ですね。

今日、日曜日は下山です。
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逆剱岳。
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逆立山。

山よし、人よし、食よし、文句なしの剱ガイドが無事に終わりました!

残念至極 [剱立山]

写真家で登山ガイドの檢見崎誠氏とのコラボフォトツアーは天候に恵まれず、目的地に達することはできなかった。
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剱岳バリエーションルートでのフォトツアーは、9/11に剱澤小屋を出発して三ノ窓を目指したものの、一服剱から視界はなく、撮影どころか別山尾根登頂すら困難な状況になり、途中で中止せざるを得なかった。

剱澤小屋から室堂へ帰る途中で、土砂降りの雨となり、天狗平山荘へ駆け込んで山岳写真撮影の机上講習を行った。
目的を達成できず、参加者には大変申し訳なかった。
そして…。
既にニュースで流れていますが、未成年の単独女性が別山尾根下降中に行方不明となり、とても心配していました。
本日、最悪の結果を迎えました。 娘を持つ親としては、これ以上ない辛いニュースです。
心よりお悔やみ申し上げます。

この結果だけを見たら、彼女には批判される部分は多々あるのだとは思いますが、私は明らかに装備経験実力が不足していると思われる単独登山者を他にもたくさん別山尾根で見てきています。
・単独登山のリスクを書き連ねながらも、結果として単独登山を奨励するような雑誌媒体を目にします。
・別山尾根はガイドが必要なルートではないという話もよく耳にします。
しかし、自分にとって本当にそれが正しいのかを、よく考えて登山計画を作成して欲しいものです。

今回の事例を良く精査して、同じ結果を歩んで欲しくないと切に願います。
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剱岳は厳しくも美しい山です。
辛い想い出の場所にして欲しくはないと思います。
私も剱岳に沢山の方々が訪れてくれたらという思いで、何度も東京へ行って事前講習をやって来ましたが、事故を後押しする行動なのかもしれないと感じています。

沢山の方々を誘う山ではないのでしょうか。

剱のロングトレイル [剱立山]

初日は馬場島から早月小屋へ。
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台風15号の影響か、とにかく暑くて消耗した。
四日分の荷物も重くて、汗だくで小屋入り。
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美味しい夕食を戴いて、スタッフ飲み会に参加してから早めに寝た。

2日目は4時前にスタートして、6時20分に剱岳山頂へ。
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既に人がいっぱいで、早々に北方稜線へ。
ここからロープを結んで、最も安定したルートを選んで進む。
何度も往復しているが、この時期が一番安定している。
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左からチンネの頭、三ノ窓の頭、八ツ峰の頭。

好天には恵まれたが、この日も暑かったので、とにかく休憩を細かく取って、水分補給に注意を払う。

どんなに時間が掛かっても良いから、集中力が切れないように努めた。
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こちらは小窓王南壁。

池ノ谷ガリーは相変わらずボロボロで気を使う。
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チンネ左稜線を登るパーティが見えた。
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三ノ窓から見た富山の景色は最高!

発射台から小窓ノコルまでは残雪は全くなかった。
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小窓雪渓も安定していた。
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展望台からのモンローの唇と涎。

とにかく暑くて、気持ちが切れないように、みんなで頑張った。

池ノ平小屋は今シーズンから管理人が変わった。
私達は仙人池ヒュッテに泊まった。
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この景色が見たくて。

3日目は5時にスタートして、仙人谷の河原で朝弁当を食べた。

そして、今回の核心と考えていた仙人温泉手前の残雪は全く問題なかった。
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前日まで雪渓を潜っていた部分は、朝までに崩壊した様子で上からバンドをトラパースして回避できた。

今後、雪に乗らずに渡れるはずです。

雲切新道の下降も暑くて、かなり消耗した。
阿曽原温泉小屋には10時過ぎに着いた。
台風が心配だったので、この日に欅平まで抜けようかとも思っていたが、暑さでやられると思い温泉とビールで乾杯!
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ここはやはり天国です。
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ランチは泉さんがスペシャルカレーを作ってくれた。
最高に美味しくて、おかわり!
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昼寝と温泉と宴会を繰り返し、夕食も豪華。

みなさん、幸せを感じていたようで。

最終日は、ようやくの雨。
5時にスタートして、雨は降ったり止んだり。
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雨具を着て、サウナ状態。
でも、景色は凄い!
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何度か登らせていただいた黒部の怪人も、いまや誰もいなくて寂しい限り。
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10時30分に欅平に到着。

暑くて長かった4日間。
全員で毎日笑い続けた楽しい山旅も終了。
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トロッコで飲むビールも最高でした!

秋を感じる山の中で [剱立山]

昨日は別山尾根ガイドで3時に起床、4時に出発予定で動いていたら、雷雨が激しく一旦停滞として剱澤小屋で待つ。

4時30分くらいにヤマテンから予報修正メールが届いていた。
6時30分くらいに雨が止んだので、出発した。
お客様は70歳代後半のお二人でした。
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剣山荘を過ぎてから、再び雨足が強まってきた。
お二人の歩くスピードや技術も登頂するにはギリギリで、何より高齢者には低体温症が心配で一服剱まで行かずに帰ることにした。

剱岳頂上に立っても、別山尾根の下降は登り以上に体力を消費するので、登りと同じ時間が掛かるのが常だ。

私のお客様は70歳以上の方も多いのですが、絶対全力を出し尽くさないように注意しています。

安全を確保することがガイドとして当然の仕事なので、この日、この時間の悪いコンディションの中でお客様を危険に晒すことはあり得ない。
悪いコンディションで登り続ける人々は、それがクセになってしまいがちで、いつか事故に繋がる可能性がある。

特に高齢になると判断も甘くなり、状況の変化にも鈍感になりがちなので注意が必要です。

余談だが、私がガイドした一番の高齢者は89歳男性。
ルートは西穂から奥穂で、西穂山荘を3時に出発して、午前中のうちに穂高岳山荘に着きました。
この方は、登山歴は短いが日々のトレーニングを真面目に取り組んでいたので、ホントに強かった。

高齢者ほど、日々のトレーニングが必要だと感じた経験だった。

今回、登れなかったお二人も、足りなかった部分をトレーニングして来年またチャレンジしたいと聞いて大変嬉しく思った。


秋の空 [剱立山]

8月31日から秋雨も休憩しそうだったので、剱澤小屋へ。
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凛とした空気に聳え立つ剱岳を眺めると、何度通っても緊張感に包まれます。

剱澤小屋には新たな彫物があります。
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なんかホッコリしますねー。
名前はガンちゃんらしい。

さて、翌朝は南壁へ。
ここは優しいピッチが続きますが、展望が良く気持ち良いルートです。
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気温も低く風もあって、かなり寒かったです。
お客様も手が冷たくなり、カイロで温めながら、ゆっくりと登りました。

4ピッチ目リード中に更に寒くなり、白いものがチラッと降りました。

雪というより、氷でした。
一瞬で止みましたが、9月1日なのに驚きました。
気温を見たら2℃でした。

これからは寒さ対策をしっかりと準備する時期ですね。
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山頂も人が少なくなりました。

別山尾根も登山者が少なくなり、サクサクと降りれます。
剱岳は9月に入ると急に登山者が減りますので、静かな剱岳を楽しみたい方にはこれからが狙い目かもしれません。

別山尾根下山中は気温も上がり、Tシャツで充分となりました。
時々、パラパラ雨が降ったり、急に陽射しが出てきたり。


男心と秋の空。
天気は変わりやすく、朝昼晩の気温差も激しいので体力も消耗します。
コントロールが難しいですが、これも登山力です。
予測と現実と現場での対策…。

今日は朝から雨で、日帰りの越中駒ヶ岳は中止。
明日から、また剱澤小屋に入ります。
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雪渓の状態もかなり変わっていきますので、注意が必要です!