剱岳ガイド終了 [剱立山]
この週末はシーズン最後の剱岳別山尾根へ。
アルペンルートの立山ケーブル内にはたくさんの亀虫がいました。
雪がたくさん降る前兆とも言われるがホントだろうか。
天狗平山荘で途中下車して昼食を。
年内最後の天狗ラーメンになりました。
室堂で警備隊に挨拶してから外へ。
立山は白く輝いていたが、室堂はまだ黒いです。
雷鳥荘で泊まりました。
ここの温泉は最高です。
でも、悪用されるので写真はありません。
翌朝は暗いうちにスタート。
降雪を予想していましたが、気温が高くて、まさかの雨。
暗い雷鳥坂を黙々と登りましたが、剱御前小屋も閉まっていて、孤独感満点。
剣山荘からは雨風が強くなり、岩に薄く貼った氷の上に雨が乗りツルツルになり恐ろしかった。
それでも前剱から上で雪に変わってくれたら、多少コンディションは良くなるだろうと登り続けた。
前剱大岩で、これ以上進むと危ないと感じて降りました。
剱岳が「これ以上、来たらダメだ」と言いました。
降り始めたら、一緒だけ晴れ間がありました。
と思ったら、あっという間に吹雪に変わりました。
雨→晴→吹雪と晩秋ならではの大きな気象変化。
これを読み間違えると遭難します。
剱澤小屋で記念撮影して、剱御前を目指します。
この写真撮った後から、さらに雪は強く降りプチラッセルになりました。
雷鳥荘でカレーを食べて帰りました。
シーズン最後のガイドは、登れなかったけど、いろいろな経験ができて、楽しく良い山行だったと参加者に言ってもらえたのが救いでした。
また、年末年始に剱岳に向かいます。
シーズン中、お世話になった皆様、ありがとうございました。
2019-10-28 15:16
銀山平の紅葉 [越後]
昨日は雨予報の中、最も良さそうな場所を考えて荒沢岳へ。
雨でしたが、ほとんど気にならない程度でした。
山頂は踏めませんでしたが、景色の素晴らしさに感動しました。
雨だからと山に行かなかったら、得られなかった風景がそこにはありました。
登山は勝ち負けではなく、自然の中にいる自分を楽しむものだと思いますね。
雨の日は雨を楽しむのも良いものです。
2019-10-26 07:04
アイスキャンディ組立 [アイスクライミング]
ガイドスケジュールが入っている日は雨が降り、休みの日は晴れるという皮肉な流れには逆えず、耐え忍ぶことが必要な時期を過ごしています。
晩秋の風物詩である赤岳鉱泉アイスキャンディ組立作業に今シーズンも参加してきました。
アイスクライミング初心者が安全に体験スタートできる場として、そして山岳ガイドにとってもTRが楽に張れる講習場所として貴重な存在であると思います。
今シーズンで16年目になりますが、私もネパールへ行く期間と重ならない限りは毎年最優先行事としてお手伝いさせてもらっています。
このアイスキャンディでの体験をキッカケにアイスクライマーの道へ進んだ方もいるし、コンペの道へ進んだ方もいるし、様々沢山の方の人生に影響を与えた場ではないでしょうか。
私は、近年諸事情あり、アイスクライミングガイドの活動は縮少しました。
最近は、雪山においてアックス&クランポンを有効に安全に使えるようにという主旨で、アイスキャンディを使って講習をしています。
雪山では様々な傾斜や雪質に対応できなければ、安全に登下降できません。
アイスキャンディでの練習はきっと経験として大きな影響を受けるはずです。
もちろん、アイスクライミングそのものが、とても楽しいのでアクティビティとして追求することもお勧めです。
今シーズンもアイスキャンディを沢山の方々が利用されますように!
私も待ってますよ。
2019-10-24 10:09
越後の名峰へ [越後]
このところ、週末になると悪天候のサイクルで仕事にならない。
やっと日曜日に晴れそうな感じで越後の名峰である御神楽岳へ。
もちろん、スラブ狙いです。
土曜日に新潟入りして、まずは名物イタリアン。
私の超大好物なのだ。
宿は裏五頭山荘へ。
ここの山菜料理は凄い。
岩魚の塩加減も素晴らしい。
天ぷらも!
食後は私の誕生日パーティーをやってもらいました。
チョコレートケーキを焼いて来てくれました。
翌朝は、残念ながら雨が残り…。
スラブはびしょ濡れで、どうしようもなく普通に登山道を使って登頂。
山頂には、地元らしい最低の登山者達がいて不愉快な思いをしたけど、馬鹿に付ける薬はないので、さっさと下山を開始した。
ルート変更は残念だったけど、紅葉は良かった。
御神楽岳のスラブはとても素晴らしいので、また来シーズンにリベンジしましょう。
2019-10-20 21:03
晩秋剱岳 [剱立山]
今週平日は紅葉を楽しみに裏剱への予定でした…。
しかし、8日は風雨があまりに激しく、予定していた仙人池ヒュッテどころか、雷鳥荘から先へ進めず。
朝から雷鳥荘の温泉でのんびりくつろぐ。
強い雨風は結局一日中続き、外へ出ることができませんでした。
そして、翌日の朝は冷え込んだ。
浄土沢の橋は凍り、恐ろしかった。
冷え込んで、紅葉はとても美しかったです。
剱御前小屋へ上がったら、−6度とのことでした。
お客様の一名が不調で、剱沢の下降を諦めて剱澤小屋に泊まることにした。
全く予定と違うが、もう一名のお客様と凍った別山尾根から剱岳へ。
急遽、今シーズン5回目の剱岳山頂ということで申し訳なかったです。
稜線西側は氷が付着している場所もありました。
もう、別山尾根は一般登山道と呼べる時期ではありません。
3日目最終日は快晴の中、剱沢から室堂への下山のみ。
消化不良の山行となってしまいました。
台風19号が近付き、これで今シーズンの剱沢ベースのガイドは全て終了です。
たくさんのお客様と剱岳をご一緒できて、事故なく終われたことに感謝の言葉しかありません。
私のお客様、皆さん素晴らしいと感じるのは、登るルートに応じた準備がしっかりとできていることです。
持参装備が最適で、事前トレーニングで充分な体力を付けて参加されるので、バリエーションルートでも他パーティより、速く安全に危険地帯を抜けることができます。
そして、悪天候の中にある一瞬のチャンスを掴むことも可能でした。
ガイドから見て、信頼できる関係を築けていると思います。
反面、残念ながら今シーズンの富山県では、山岳遭難が増えています。
今も、剱岳では高齢単独登山者が行方不明になっています。
今年9月の19歳女性単独登山者のあまりに悲惨な遭難から学ぶことは沢山あるはずです。
単独登山を否定する気は全くありませんが、そのリスクを正しく理解し、対策を取ってから覚悟を持って臨んで欲しいものです。
剱岳は国内最難の凄い山で、いくら頑張っても私には手が負えない難し過ぎる山だと知らされることばかりです。
自分にとって良い条件が揃った時に、何とか登れる山だと思っています。
だから、ガイドできる実力が無くなったと判断したら剱は辞めます。
2019-10-10 15:30
黒部川下ノ廊下 [剱立山]
今回は富山からはるばる扇沢へ電車で移動しました。
ローカル線の旅もたまには良いものです。
しかし、大糸線は空いていますが維持できるのでしょうか?
大町温泉郷で前泊して、温泉順応します。
翌朝、お客様と扇沢で合流して、8時発のトロリーバスに乗りました。
昔は、冬に何度もこのトンネルを歩いたものです。
いつも、寝ながら歩いていたことが懐かしいですね。
現在では、歩くことはできません。
破砕帯もライトアップされて、時代ですね。
黒部ダムは、上の穴から放水していて、迫力があります。
新越沢を過ぎ、いつも最後まで残る雪渓も崩壊していました。
別山谷は残雪なしです。
まだ整備が終わっていないので、白竜峡の怖いところで番線がなかったりします。
かなりの人数を抜きましたので、阿曽原温泉は混むかなと覚悟しました。
十字峡はいつも迫力があります。
高所恐怖症の私はいつも怖いです。
S字峡を過ぎると、まずは安心。
身体が火照っているので、シャワーを浴びるのも気持良い。
東谷吊橋を渡って、あとは阿曽原温泉へ。
15時前に到着しました。
ここの温泉はまさに秘境で、この世の極楽。
絶品カレーライスを食べて…。
翌朝は雨が降っていたが、屋根があるので大丈夫。
欅平駅では、9時37分発に乗れました。
それから、夕陽が見事な天狗平へ。
長い旅路ですが、それも楽しいと思える一日でした。
そして、今日はハイキングガイドをしてから富山へ下山しました。
毎日、自然に触れ合うことで、少しずつ冬への道程を感じています。
2019-10-07 10:04
紅葉の時期を迎えて [剱立山]
10月1日。
一週間ぶりに室堂へ。たった一週間の留守で随分と紅葉が進んでいた。
雷鳥坂を登りだすと龍王岳と浄土山が遠くに見える。
剱御前小屋に立ち寄り、お茶を戴く。
小屋前には、各山小屋のクローズが案内されていた。
剱立山界隈も閉山時期を迎えて、シーズンが終わる寂しさを感じる。
剱沢野営管理所も閉まっていた。
もう、カルピスも飲めない。
そして、翌2日は後立山が明るくなって行くのを見ながら登る。
見慣れた風景だが、飽きない。
山頂には誰もいない。
私は、サミットハンターでもないし、回数にはなんの拘りもないが、なんとなくシーズン20回は毎年のノルマのように感じてしまう。
ご一緒した皆様には、ガイドとして選んでもらった感謝の気持で一杯です。
山渓の影響か、源次郎尾根に良く登ったシーズンでもあった。
とっても寒かったCフェースも見えた。
八ツ峰の周りにもすっかり雪がなくなりました。
貸切の山頂にいると、賑やかだった夏が懐かしい。
別山尾根を剱沢へ降りると更に紅葉が見頃となっていた。
10月ともなると、裏剱や下ノ廊下へも行くし、雪や凍結の心配もあるし、あと何回登れるか。
これで今シーズンの山頂は終わりかもしれないと思いながら、剱沢を登り返した。
剱岳には、いつも緊張を強いられ、シーズンが終わると、また今年もうまく生き延びられたという思いが本音となる。
暑さ寒さが激しく、今シーズンは心身ともにとても疲れた。
仕事やり過ぎと言われることにも、今までは反発してきたが、受け入れる時期かもしれない。
2019-10-02 18:36