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秋晴続く剱岳 [剱立山]

秋も深まり立山も色付いて来た。
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そして、この三日間も快晴に恵まれた。
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剱沢小屋には若手ガイド達がトレーニングに来ていた。
日本昔話のような飯の量は驚きだ。
  
この量をお代わりするので、見ている方が腹一杯になる。
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今回も快晴の別山尾根へ。
平日とは思えないほど登山者は多かった。
    
少し渋滞もあったが、今季13回目の剱岳山頂へ。(例年の半分くらいしか登れていない)
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剱岳山頂が通算18回目のお客様もいて、剱岳初めてのお客様もいて、それぞれ感じ方も違うのだろう。
秋晴の良い山頂だった。
こういう時は、山岳ガイドは素晴らしい仕事だなと思う。
この日は剱岳山頂へ6年ぶりに御神体が戻った記念すべき日だ。
     
ところで「ながら登山」について、富山県警山岳警備隊が紅葉シーズン中の事故防止に向けて警戒を強めている。
    
剱岳でも、
   
おしゃべりしながら
写真を撮りながら
景色を見ながら
    
そういう登山者をよく見かける。
しっかり、集中力を高めて臨みたいものだ。
おしゃべりや写真は安全な休憩ポイントで。
一歩を大切に!
  
この日は、剱岳でデート中のカップルもいた(笑)
我々と前後しながら登っていて、男の方は心ここにあらずで、ちょっと心配になった。
このカップルは、行きのバスで私の前席にいた。
男の方は、剱岳の魅力を50分間ずっと大きな声で語り続けていたので、非常に目立っていた。
帰りには、男が一人で室堂の玉殿水前でポツンと寂しそうに座っていたので、たぶんフラれたのだろう。
   
人生いろいろだ。
   
この日は、天狗平山荘へ。
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途中、紅葉が綺麗な場所も増えてきた。
   
天狗平山荘でリフレッシュ。
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美味しいものをたくさん食べて飲んで。
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楽しい一夜を。
青山さん、美味しい日本酒をありがとうございます。
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今シーズン最後の宿泊かな。
大変お世話になりました。
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帰りのバスは浜ちゃんの運転で快適に下山。
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今朝も剱岳は良く晴れました。
     
明日から、また剱岳ガイド頑張ります!

静粛な剱岳 [剱立山]

シルバーウィーク明け、久しぶりに剱沢へ帰ってきた。
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20日間も留守にしていたら、季節はすっかり晩秋の雰囲気に変わっていた。

連休中は雷鳥沢キャンプ場で、956張のテントだったらしいが、実数はそれを超えていたようだ。
剱岳もかなり混雑したようだが、誰もいない静かな山に戻っていた。
   
これから剱界隈では、小屋締めや管理所閉鎖など冬への準備に向かう。
   
少しずつ、寂しさが増して行く時期になった。
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この日は剱岳をベースにガイド活動を行っている立山ガイドとある隠密行動。
私達は、ガイド活動以外にもやるべきことがあるのだ。
     
このメンバーで、剱岳に登ることはなかなかない機会だ。

そして、北方稜線ガイド。
香川ガイドと検見崎ガイドとのコラボ企画。
ずっと好天をお祈りして来たのだが。
初日は酷い風雨で、その後の天気予報も良くなかった。
北方稜線は多少の悪天候でも行けるが、剱沢の渡渉が心配された、
  
渡渉ポイントが増水しやすい場所で、流されたら致命的な場所なので、少しの雨でも危険な状況になる。
9/25は夜遅い時間まで、雨が降り続いた。
   
そして、9/26は予想以上の好天に恵まれた。
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しかし、岩はビショビショでスリップに注意が必要。
山頂では朝の気温が3℃で寒気が入っていた。
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低体温気味の体調不良者もいて、長次郎コルで引き返すこととした。
9/27は冬型で冷たい雨の予感。
雪が降る可能性もあったので、この日のうちに前倒しで下山した。
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雨と寒気で紅葉も進んでいる。
    
そして、せっかくなので反省会。
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お客様達とこれから行く山の話をする機会も大切な時間だ。
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美味しい寿司と酒に癒される。
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コロナ禍で体力低下している方に対する対応にも迫られる今シーズン、無理はできない。
  
そして、晩秋は様々な罠があるのだ。
     
どこまで頑張るかは、様々なガイドさんの考えで判断は分かれるだろうが…。

今は慎重にやらないと。
私はそう思っている。

黒部源流の旅 [北アルプス]

シルバーウィークは未知の世界へ。
      
初日は、またも薬師沢小屋へ。
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foxfireの松下氏と久しぶりに再会。
短い時間だったが、久しぶりにフライフィッシングを楽しむ。
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イワナさんと御対面。
一匹だけ、釣れました。
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そして、楽しい一夜をありがとうございました。
           
翌日は、大東新道から高天原へ。
実は私、薬師沢小屋から橋の向こうは初めてです。
(昔、上ノ廊下へ行ったことはありますが、記憶が薄いので…)
お客様の脚が速く、3時間ちょっとで高天原温泉に着いてしまいました。
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せっかくの秘湯なのに、YouTuberが大騒ぎしていて興醒め。
4連休だから、仕方ないか。
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せっかくなので、竜晶池と夢ノ平も行きました。
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翌日、3日目は温泉沢へ。
残念ながら、ツアーの16名パーティが先行していた。
こんな静かな山深い場所で喧嘩に巻き込まれたくないので、間を開けてゆっくり登っていたが、ツアーがルートから外れて、どこかへ行ってしまったので、スムーズに抜くことができた。
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後の薬師岳と高さがどんどん近づいてくる。
このルートは、標高を一気に上けることができて気持ち良い。
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温泉入口から2時間で頭へ抜けた。
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この後、水晶岳、鷲羽岳を経由した。
北鎌尾根や硫黄尾根が望めて、懐かしい。
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雲ノ平山荘のランチは美味しかった。
こちらで、檢見崎ガイドと合流して宿泊。
伊藤二朗さんとも、初めてお会いし、ワインを楽しみながら、雲ノ平の話を伺った。
雲ノ平も初めてなのたが、会う人々に「なぜ、本郷さんがここに?」と違和感を与えたようだ。
     

最終日は、折立へ。
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太郎平で、山行報告をして下山。
緑と水に囲まれた4日間、最高でした。
お世話になった皆様、ありがとうございました。
初めての山域でしたが、皆様のアドバイスに助けられました。
この山域の奥深さに惹かれましたので、来年は、更にいろいろチャレンジしてみます。
      
最後に、大和景子画伯の新作
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無力 [Guide]

お客様として、ある期間一緒に登っていた方が亡くなるのは何より辛いことだ。
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この方とも、いろんな思い出があった。
最後は喧嘩別れのようになったが、お互い真剣だったからぶつかったのだと思う。
   

お客様として長期間お付き合いした方で病死は別にして、山での死亡事故は今回で4人目だ。
  
    
みんな、山で死ぬのは絶対本望ではなかったはず。
    
死んだら終わりだ。
     
私は今までいったい何を伝えることができたのだろうか。    
コロナ禍もあり、息が詰まるようなガイド活動の中で、今回の訃報を聞いて更に自分の無力さが心底嫌になった。
昨日、久しぶりに吉峰の親分を尋ね、最近思い悩むことをいろいろ話しをさせてもらった。
      
そして、山岳ガイドは何を目指して生きるべきかのヒントを戴いた。
そして、何かと面倒な近年の山業界への違和感に対して、どう接して、どう生きるかを考えるキッカケを戴いた
      
私は無力ではあるが、お客様のためだけを考えなければならない。
自分を過大評価する情報を遠ざけて、黒子に徹底することだ。
    
剱人というのは、山岳ガイドの中では多賀谷さんだけなのだと改めて思った。

美渓 赤木沢 [沢]

奥黒部の美渓「赤木沢」へ。
天気予報は悪かったが、12日午前中は必ず晴れると確信して入山。
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初日は薬師沢小屋へ。
久しぶりに折立から入山し、癒される景色と草木を見ながら、のんびりと歩く。
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薬師沢小屋に着くと、なぜか心身が休まる。
テラスで黒部川を眺めながら、ビールを飲む贅沢な時間。
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可愛いTシャツが売ってました。
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大和景子画伯に似顔絵を描いてもらう。
彼女と飲む酒は特に美味い。
川の音が聞こえる部屋で良く眠れた。
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翌朝は予定通りの快晴。
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こういう場所でもミレーのダイニーマザックは重宝する。
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赤い沢床に感動する皆様。
まさに雲上の楽園だ。
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青い空に向かって、どんどん滝を登る快感。
弱点を拾いながら、安全確実に進む。
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大滝以外は全て簡単に登れる滝が続くので充実する。
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大滝は左岸を高巻くが、脆いのでロープを使います。
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詰めは草原で、濡れたものを乾かして登山スタイルに着替える。
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秋晴れの黒部源流域は、暑くも寒くもなく、爽やかな秋風がひたすらに心地よく。

この日は、贅沢に太郎平小屋泊なので、のんびりと稜線漫歩。
雷鳥の子供達やオコジョにも会えた。
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太郎に着いたら、まずは乾杯。
今日の良き日を振り返りながら。
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この日は結局、ずっと晴れた。
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下山日は、雷が響いていたが、大して降られずに折立へ。
楽しい三日間を過ごせた。
お世話になった太郎平小屋グループに感謝します。

秋のはじまりに [剱立山]

夏も終わり、山は朝晩寒くなって来た。
9月に入り、連続して発生した台風9号と10号に気をつけながら、5日間2回のガイド活動だった。
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風の影響を考えながら稜線での行動をなるべく避けて、裏剱周辺で。
剱澤小屋、真砂沢ロッジ、仙人池ヒュッテにお世話になった。
コロナ禍で大変な苦労を重ねながら営業してくれている剱立山の山小屋、山荘の皆様には感謝と尊敬しかない。
我々、山岳ガイドが今シーズン活動できるのは、山小屋を開けてくれているからこそであり、そのことへの感謝は未来永劫、忘れてはならない。
私が、山小屋に貢献できることはとても小さなことだ。
今春、絶望の中で試行錯誤しながらスタートして、なんとか9月まで来た。
今シーズンのガイド活動は、かなり安全マージンを取ることに決めている。
周囲に心配を掛けるような無理な登山、派手な登山は控えて、時間的にも体力的にも余裕を持った行動を選択して、山に居られる幸せをお客様と感じるシーズンにしたい。
そんなことを理解してくれて、毎回富山まで来てくれるお客様方には、感謝の気持ちしかない。
剱岳のシーズンはあと一ヶ月、引き続き日々粛々と活動したい。
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剱澤小屋から剱沢へ降りると他の登山者に逢うことはなかったが、裏剱のシーズンはこれからだ。
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剱沢本谷の通過は慎重に。
日々変わる雪渓の情報を確認しましょう。
お客様入れ替わりの際、剱沢を二度往復したが、通過する度に雪渓崩壊の轟音が響いた。
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平蔵谷出合を過ぎると右岸スラブ帯に巻道が作られている。
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長次郎谷出合で左岸に移るマーキングを忠実に。
ここから仙人池までは、草が豊富だが例年通り。
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毎日、晴れ、急な強い雨、虹、強風と目紛しく変わる変化は台風時期ならでは。
今回はハシゴ谷からダムへ下山した。
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真砂沢ロッジ下の剱沢を跨ぐ橋は健在。
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ここで剱岳とは暫しのお別れ。
久しぶりの黒部ダムはやはり密な観光地で、この時期あまり訪れたい場所ではない。
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台風10号の被害がこれ以上甚大とならないよう祈ります。

八月の終わりに [剱立山]

8月最後の剱は南壁へ。
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しかし、晴れ予報が外れて朝から雨(涙)
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山頂から下山を開始したら、どんどん天候が回復してきた。

だから、ブロッケン!

影絵に見惚れる。
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今回は、参加人数が多かったので松田ガイドにサポートしてもらいました。
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下山あるある、の好天に!

これで、雨に泣かされた7月、晴れが続いたが巡り合わせが悪くパッとしなかった8月が終わった。

8月31日は、立山沢登りへ。
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この日に限って、気温が下がり皮肉なものだ。
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でもこの沢は、誰もいなくて静かで楽しい。
沢登りは麻薬だ。(麻薬使ったことないけど)
私はゴルジュ突破に熱心だった時代もあり、沢の魅力や危険は、それなりに理解している。
その中で、ガイド山行で沢登りを行うことは、非常に危険だと認識している。
ロープを積極的に使うガイドとしては、沢は安定した確保が難しい。
ロープを使うこと事態が危険な状況もある。
安全にお客様を案内する立場とすれば、ヒヤヒヤもののジャンルが沢登りだ。
だから、私は沢登りをガイドする時は、かなり安全マージンを取った形でガイドしている。
お客様にも、ガイドがいても、沢登りはかなり危ないことだと認識すべきと話している。
それでも、沢は麻薬なのでなかなかやめられない。
あまり依存し過ぎないようにしたいところだ。
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終了したらゴールは天狗平山荘宿泊の豪華版。
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室堂からちょっと離れた素晴らしい立地は贅沢な風景だ。
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9月1日、今朝の剱岳は秋空に映える。
今週は、台風の影響を考えながら、安全なルートを選択したい。
雨よりも風への対応がポイントになりそうだ。

9月は剱立山を少し離れて、黒部源流をたっぷり楽しむガイドを行う予定。
今からとても楽しみにしている。