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季節の移ろい [剱立山]

8月10日から入山予定の剱岳ガイド。
8月11日の天気が良いのは誰にでもわかることだが、10日の風雨があまりに酷い中を入山するのは憚られた。
8月12日は晴れではないが、おそらく別山尾根なら問題なく登れる。
快晴の8月11日に入山し、剱岳の姿を堪能していただき、12日に登ることとした。
結果はどうなるかわからないが…。
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ミクリが池でお客様と合流。
一週間ぶりの室堂だったが、あまりに季節が変わっていて驚いた。
全ての空気が入れ替わり、すっかり秋の風。

着てくるウェアを間違えた(涙)
 
先週は、「練乳イチゴかき氷」と騒いでいたのに、今回は「おでん」「スキヤキ」と騒いでいる。
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チングルマもすっかり綿毛だらけ。
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この方も「えび寿司」イチオシ。
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稲荷寿司も美味しい季節になった。
 
さて、8月12日は…。
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晴れではないが、まぁまぁのコンディション。
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タテバイも誰もいないので、撮影しながら登る。
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霧雨降る剱岳山頂も剱岳らしくて、良いではないか。
景色も何も見えないが。
 
下山しようとしたら、「本郷さん?」と声を掛けられた。
2019年末に早月尾根で前後したパーティの女性だった。
吹雪の中、我々は早月小屋で敗退したが、彼らはアタックに出てリーダーが転落行方不明に。
我々はガイドパーティなので敗退を選んだが、私も山岳会時代なら迷わずアタックに出るだろうというコンディションだった。
私もその後の成り行きで、立山川の捜索に関わったのだが、ほぼ諦めムードの中、数ヶ月後奇跡的に発見された。
あれからコロナ禍もあり、いろいろ山を続けるには困難だっただろうが、再会出来て嬉しかった。
あんな悲惨な事故が起きた後も、夏山とはいえ単独でテント背負って剱岳を登り続けていることは素晴らしい。 
彼女は遭難を通じて学ぶことがあったのだろうと話をしていて感じた。

山は危険と隣り合わせだが、謙虚に危険を危険と認識することは難しい。
ベテランほど意固地でプライド高く、事故を起こす前に、認識することは難しくなると感じる。
遭難事例から学ぶことは多い。
どんな優れた人でも遭難するし、人は必ず間違える。
次は自分かと常に戦々恐々している。
 
剣山荘から剱御前小屋へ向かっていると雪切している方たちがいた。
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秋になるのに、まだ雪切しなければならない剱界隈は凄いところだ。
雪切してくれる剣山荘スタッフ達に「ありがとう」と言って、今日も無事に下山できた。