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巨大な山塊 [大好きなスキー]

冬の守門岳は大雪庇が山頂稜線に作り上げられることが有名で、その大きさは東洋一とされるほど。
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今シーズンはあまりにも積雪量が増え過ぎて、早めに大雪庇は落ちてしまったようだが、それでも充分に迫力があった。
 
初日は、守門黒姫を目指す。
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この橋に積載した雪が壊れそうで、実にスリル満点。
お客様方は写真撮りながら喜んで渡っていたが、「写真なんかやめて、速く渡ってくれー」と。
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沢地形のアプローチで、この時期は左右からデブリだらけ。
気温がどんどん上がり、コロコロと雪塊が落ちてきて、狭い谷筋の通過が怖い。
リスクを避けて広くてメローな地形に目標を変更。
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春の山を滑るのは判断が難しいけど、それも魅力のひとつだろう。
少人数で存在するリスクを共有しなかがらガイドしなくてはならない。
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対岸に見える浅草岳周辺も滑りたい欲求を誘ってくる。
来シーズンだな。
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夜はホッピーで幸せに!
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翌日は快晴の守門大岳へ。
国道から眺める守門稜線は余りにも巨大で遥かに遠く、とても日帰りできるようには思えないスケール感。
 
4時間キッチリ真面目にハイクして山頂へ。
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フィルムクラストが形成されたメローな斜面を眺めながら歩く。
適度な風と気温、日射…。
良い時間帯に上がって来れた。
快適な滑走は保証されたようなものだ。
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東洋一の大雪庇を眺めながらランチしてからドロップ。
 
滑り出した瞬間から歓喜の声!
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写真を撮る時間がもったいないくらい気持良いスキーが続いた。
景色を眺めながら、ゆっくり滑っても山頂から1時間も掛からず無事に駐車スペースへ。
 
山は楽しい。
毎日、山に行けて素敵な仕事ですねと言われる。
楽しいことがあれば、同じくらいかそれ以上、シンドイことや哀しいこともある。

この二日間は赤岳での雪崩事故の状況を関係者から聞きながらの行動で、正直なところ山が怖くなって仕方なかった。
今まで八ヶ岳を中心に、沢山の遭難者を救助してきた周平さんが雪崩で亡くなったことは未だ信じられない。
しかし、山の事故とはいつもそういうものだ。
 
山へは常に覚悟を持って向かうべき。
自分は大丈夫なんて絶対ない。
明日は我が身。
 
自分の経験、知識、感性でヤバいと思ったら、いつでも逃げるし、その判断を信頼してくれる方と登ることが必要だと思う。
それでも、リスクは絶対なくならないのだ。
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亡くなる5日前、赤岳鉱泉の窓際でひとり朝食を食べていたら、「本郷さん、写真いいですかー?」と撮られたこの写真が最後になってしまった。
 
合掌