SSブログ

2022GW前半戦 立山の日々 [剱立山]

GW前半戦ガイドは4/27〜5/4まで雷鳥荘にお世話になった。

今シーズン初の剱岳ガイドは、暴風雨の中を剱御前小舎まで。
ロープを結ばなければ飛ばされるほどの状況下だった。
 
夕方からは激しい風雪に変わった。
数日前から続けて、立山に入っていたので、雪崩のリスクが高まる状況が容易に予想できた。
FA64FE82-15A8-429C-8381-38FADA783F35.jpeg
早朝の剱岳。
今年初めて対峙したが、その威厳に圧倒される。
  
なんとか登りたい!

剱沢へ少し降りてみたが、膝まで潜る新雪に加えて、北風強く目指すルンゼルートの吹き溜まり通過は危険極まりない。
2017年4月30日雪崩死亡事故の時に酷似した状況を感じた。
この時はラッセルして平蔵谷から登頂したが、山頂で登った事を酷く後悔した。
下山時に他パーティーの事故を目撃して、登っては行けない日だったと反省したのだった。
   
今回も快晴は約束されているが、お客様と安全に帰って来れる自信がなく、立山縦走に切り替えた。
8981B6DD-DEEF-4DAD-AF28-194C74F6B232.jpeg
新雪を纏った北アルプス北部の山々は美しかった。
484A33FF-71DE-480F-BCA0-8BAF9F1F098D.jpeg
彩雲も見られた。
917AB81F-CB17-44C3-85C6-9728C0525857.jpeg
各所で当然のように雪崩も見られるが、最も大切なのはそこにいない事だ。
7E051CFA-856A-4CCF-BEBB-DB0063C81008.jpeg
日焼け止めは塗っていたのだが、新雪の反射は厳しく、負けた(涙)
23D7A9BD-BA77-4420-81B5-AEFAD1FBE411.jpeg
顔には大きなダメージを受け、雷鳥荘スタッフからパックをいただきケア。
     
引き継ぎ、スキーガイドに変身。
89C4B4BC-AC17-4AA3-A7EF-0F5CD7B7EE97.jpeg
ドライパウダーを味わえた日も。
05609491-8BAA-4C5B-B01C-759A14E603DF.jpeg
厳冬期のようなパウダーにお客様も大満足。
   
ストップスノー、カリカリボコボコ、パック、モナカの時間も。
 
春は雪の変化を感じながら、斜面を選ぶことが楽しい。
隠れたトラップも存在するので、見落とさないよう慎重に行動する必要があるのだ。
F56EB266-2CB2-4764-9DA7-2E4C9D63E499.jpeg
晴れと吹雪が繰り返されて、3000m級山岳の気象変化を感じながらの日々。
つくづく立山は素晴らしい場所だと思う。
08EEA721-A8C1-4E57-9DE1-EB7557B70442.jpeg
雷鳥荘から見える夕焼けと温泉に癒されて、懐かしい面々や仲間のガイド達との会話も楽しかった。

最後に。
 
今回つくづく残念だったのは、お客様のデボ品が無くなったこと。
 
ほとんど滑り手しか通らない登山道ではない場所に、あきらかにデボと解るようにして置いたのだが。

関係各所に落とし物として、届いていないか確認したが見当たらず、誰かに持っていかれたとしか考えられない。
 
持って行った方は、今からでも室堂の施設内にそっと置いて欲しい。
 
もうデボなんかできない時代なのだと改めて学習した。