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天空の沢登り [剱立山]

暑い夏の日、立山にある天空の沢を訪れた。
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標高が高い場所にあるこの沢は、蛇や蛙がいなくて、水も冷たく快適だ。
 
今回は、久しぶりに天狗平山荘に泊まった。
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外で飲む生ビールは美味い。
そして、天狗ビールは泡が甘い。
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夕食はホッピー飲みながら。
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そしてマジックアワー。
大同心のような雲が現れた。
 
翌日は快晴で暑い。
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こんな日は午後から雨が降りやすいので昼には行動を終えておこう。
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綺麗な水が穏やかに流れるナメを歩くのは実に楽しい。
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優しい滝が良いアクセント。
こんな場所を天国と呼ぶのだろう。
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そろそろ雲行きが怪しくなり、最後の滝をトップアウトして天狗平山荘へ。
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沢グッズを洗って、着替えて、ラーメン食べてたら、やっぱり土砂降りの雨がやってきた。
またしても、セーフ!
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降りてから北前船廻船問屋を見学に行った。
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そして、えび寿司へ。
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実に充実した一日を過ごせてハッピーホッピー!
お疲れ様でした!

フラワーガイド初心者マーク [北アルプス]

コロナ再拡大し、世の中も落ち着きなく、ガイドキャンセルが続いているが、流れに任せるしかない。
 
私のスケジュールが空いたら来ていただける常連様には感謝しかない。
 
剱立山周辺ルートはだいたい登り尽くした方々なので、志向を変えてフラワートレッキングで獅子岳へ。

小雨降る中、室堂到着。
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雨具を着用して歩き始めたが、室堂山荘前で雨は上がった。
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このくらいは私でもわかる。
しかし、今年はタテヤマチングルマに一度も会わないな。

浄土山の尾根にでたら雷鳥だらけ。
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どこにいるか解るかなぁ。
 
まぁ、それにしてもいろんな花があるものだ。
私も努力して、随分覚えたがキリがない。
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今回はお客様2人ともすごく詳しいので、教えてもらいながら歩む。
これで、ガイド料金をいただくのは、かたじけない。
 
鬼岳東面にはまだ雪たっぷりで、ピッケル、アイゼン、ロープを用意してきた。
しかし、ちょうど五色の皆様が雪切りしている最中で、有り難く作り立ての階段を使わせていただいた。
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まだまだ、しばらくアイゼンは必要かな。
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そして、獅子岳。
残念ながら展望なし。
でも、花は当たり年で、雷鳥もいっぱい見れたから充分満足したらしい。

帰路、突然「ほんごー」と呼ぶ声がした。
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私が初心者の頃に、岩と雪を教えてくれた大先輩ご夫妻だった。
この方と出会わなかったら、私の人生は全く違うものになっていただろう。
 
クライミングが楽しくて仕方なかった良き時代が懐かしくなった。
 
あの頃は、山を登ることを仕事にするなんて思ってもいなかった。
ただ、ひたすらに仲間と岩に登って、酒を飲むのが楽しかった。
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また、雛を引き連れた雷鳥がいた。
親子の会話が聞こえて来る。
雛と母が逸れないようカメラで追い回すのは辞めて、静かに見守りましょう。
この日も雷鳥の生息域にドローンが飛んでいた。
雷鳥がドローンを天敵の猛禽類と間違えて、強いストレスを感じるので辞めましょう。
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独りで立つカッコいいコバイケイソウがあった。
男はこうありたいものだ。

雨に降られず、室堂へ着いたが、バスに乗ったら本降りになった。
また、今回も良い山を楽しませてもらった。

真砂沢ツアー2022 [剱立山]

剱岳から下山し、夏恒例の某企業社員研修へ。
天狗平山荘で前泊し、剱御前小舎を越えて、剱沢を降りて真砂沢ロッジに泊まり往復するツアー。

登山未経験の方、初めて雪の上を歩く方など様々だ。

目的は、岩と雪の殿堂を味わうこと、雷鳥を見ること、国内屈指の長大な雪渓を歩き切ること…など。

トータル標高差は優に1800mを超える登山未経験者にはビッグなチャレンジだ。
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このルートをガイド3名でサポートした。
 
4月以来、久しぶりの天狗平へ。
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雪の天狗平も良いが、夏は花と池塘と剱岳の展望が素晴らしい。
そこをバスが走っている風景は不思議だ。
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皆様と一年振りの再会を祝って、まずは乾杯!
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夕食後にはホッピー、クリームソーダが私の定番。
 
さて、翌朝はラジオ体操で身体を伸ばしてから朝食。
 
室堂を定刻出発。
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雷鳥沢キャンプ場へ続く魔の階段地獄で既に膝に来ている方も。
 
少し雷鳥坂を登った休憩ポイントで、山の歩き方、ストックの使い方を簡単にレクチャーしたが、前日にやっておくべきだったと反省。
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今夏は高山植物がとても綺麗なのだが、皆様眺める余裕なし。
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この日は幸い涼しくて、適度に休憩を入れながら快調に剱御前小舎到着。
 
残念ながら、ガスで剱岳も見えず、風が強かったので長居せず、剱沢キャンプ場を目指す。
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ようやく前剱まで見えて来た。
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剱沢管理所前で天狗平弁当を食べる。
相変わらずのクオリティの高さに皆様感激。
みゆきさんから大量のお茶をいただき感謝です。
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剱澤小屋ではようやく剱岳山頂が見えた。
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黒百合ノ滝から剱沢雪渓を降りる。
剱岳の大岩壁を間近に見ながら、ひたすら下降する。
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剱岳へ最短で伸びる平蔵谷。
ここから見える峰や壁、尾根を説明するが、皆様周りを眺める余裕なく、足元を必死で注視しながら歩くのみ。
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長次郎谷は左に源次郎尾根、右に八ツ峰を望む絶景地。
 
南無ノ滝の轟音が聞こえると左岸へトラバースして高巻きに入る。
 
再び雪渓に降りたら真砂沢ロッジが見える。
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坂本心平さんが手を振っているのが見えて、皆様の表情に生気が戻った。
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坂本さんも元気でなにより。
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翌朝は5時30分に出発。
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剱沢雪渓の登り返しは厳しい。
誰も弱音を吐かず、膝の痛みに耐えて頑張る。
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雪渓を終えたら黒百合ノ滝上に上がり、夏道を辿る。
 
この辺りから上で、電波が入り圏外から脱出。
メールチェックしたら、ガイドキャンセルが一晩で3件もあり(涙)
 
剱沢管理所でいただいた氷入カルピスは最高に美味かった。
再び、みゆきさん有難う!
皆様、元気が出たことでしょう。
 
剱御前小舎からの降りで、膝痛スピードダウン。
 
さらに、雷鳥荘への地獄の階段は更に我々を痛めつける。
ここを地獄坂と名付けたい(笑)
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みくりが池温泉のソフトクリームで生き返る。
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そして、執念のゴール。(ひとり足りないけど)
膝の痛みに耐え、真砂沢ロッジから9時間掛けて修行の社員研修最終日が終わった。
皆様、心からリスペクトします!
明日から無事に職場復帰できますように!
 
また、来年の再会を楽しみにしております。

大暑の候 [剱立山]

大暑を迎え、ようやく夏らしい雰囲気になってきたかと思ったら、秋のような気配も感じるこの頃。
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7/24はようやく渋滞発生初日を迎えた。
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ちょっと一般ルートを離れて登ってみた。
岩は硬いが、浮岩多数あり、お客様に落としたら大変なので、この時期は積極的なラインが取れなかった。
秋の閑散期にまた行ってみよう。
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山頂は夏恒例、記念撮影の列ができていた。
ガイドさんも増えて来て賑やかだ。
 
そろそろ、他人の行動に対するリスクをコントロールする時期がスタートしました。
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ヨコバイ周辺にあるシコタンソウ。
渋滞にイライラせず可憐な花に癒されましょう♪
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剣山荘の上にあるハートと私。
 
哀しい事故もあった。
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私にとっても残念無念。
山は楽しいことばかりじゃない。
真剣に向き合うことが大切だ。
山から見たなら、どんな人間だって到底及ばない存在なのだと感じる。

必ず夏は来る [剱立山]

ずっと雨が降り続く週で、唯一チャンスがありそうな木曜日。
予定を一日前倒していただいた。
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お客様は遠方にお住まいで70歳代。
急な予定変更は大変なことだが、快く応じていただいた。
 
初めてお会いする方だったが、絶対登れるだろうと思っていた。
初めての方にガイド依頼を受けた場合、メールのやり取りだけで、受けるべき仕事か否か解るようになった。
 
剱岳に憧れを持っているけど、同時に恐ろしさも感じている方はだいたい大丈夫。

今回は、年齢のこともあり、体力に自信がないということで、プライベートガイドをご希望された。
プライベートスタイルはガイドとの距離が近く、体力的にも安全面でも圧倒的に優位だ。

初日は歩き方やストックの使い方を講習しながら剣山荘へ向かう。
歩くなんて誰でもできるし、技術ではないと思われがちだが、歩き方から見直すことで随分と怪我や事故を防ぐことができるはずだ。
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水分補給、行動食、休憩、パッキング、軽量化などのこともお話しながら歩いた。
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剱御前小舎から剣山荘への雪渓は、最近の大雨で最上部はステップがなくなっている場所もあり、人によってはアイゼン要。
 
しかし、剣山荘スタッフが雨の中でも頑張って、毎日雪切りをしてくれているお陰で危険箇所には綺麗な階段ができているので随分と助かる。
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この時期は、花が綺麗に咲いているので、剱岳に登らずとも、剱沢へトレッキングするだけでもお勧めだ。
 
さて、時間に余裕を持たせるため、翌朝は暗いうちにヘッドランプで出発。
 
天候は高曇りで、風もあって寒いが、まず問題ないだろうと思う。
 
明るくなってから見えた剱岳に「あんなに遠いの〜」とお客様。
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「一歩づつ頑張って歩けば、向こうから近づいて来てくれますよ」と。
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怖いと言っていたタテバイも元気にクリア。
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気づけば、朝6時過ぎナイスタイミングで夏空満開の剱岳山頂へ。
剱岳は想い描いて頑張っている人には、とっても穏やかに迎えてくれる山だ。

上の写真は、偶然一緒になったガイド資格を持つ赤岳鉱泉スタッフに撮ってもらった。
聞けば前夜の剣山荘から同宿だったと言う。
「本郷さんのオーラが凄すぎて、声が掛けられなかったんです」って(笑)
 
山頂も賑やかになってきたので、下山開始。
ヨコバイ、平蔵ノ頭など、スムーズにパス。
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前剱まで降りて、いま登ったばかりの剱岳を仰ぎ見る。
 
一服剱を登ると剣山荘は指呼の距離。
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ようやくやってきた晴天で、この日はヘリ荷上げで忙しい。
 
剣山荘に着いて握手。
ようやく安堵の笑顔が見えた。
 
全く急いだわけでもなく、休憩もたくさん入れたのに8時40分に小屋へ帰って来た。
 
パッキングして、休んでから室堂へ向かう。
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剱沢野営管理所もヘリの荷上げ。
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剱御前小舎もヘリ荷上げ。
 
県警山岳警備隊の「つるぎ」も飛んでいて、この日の空は賑やかで、いよいよ夏が始まるなと感じた。
 
雷鳥荘には正午頃に着いて、素晴らしいスピードだった。
「歳だし、体力ないし…登れるか不安です」と言っていたのに。
「最高の二日間でした」と言われて、ガイド冥利に尽きる嬉しい日だった。
 
年齢だけでは人は計れないとつくづく思う。
また、お客様から勉強させていただいた。

かたや、私はと言えば…。
ようやく60歳を迎える若さなのに、情け無い限りだ。

2012年に腰椎椎間板ヘルニアになってから全てが狂ってしまった。
膝も麻痺して、クライミングから離れるしかなく、すっかりガイドスタイルは変わってしまった。
今年はさらに別なダメージも追加されて、自分の身体がなかなか自由にならない。

ということで、今夏も引き続き別山尾根と早月尾根主体で剱岳を案内していきます。

自分の過去や、他ガイドと比べて卑下していても何も生まれない。
今できることを粛々とやるしかない。
 
山から降りたら、時間が許す限り、筋トレ、ボルダリング…を継続して、来たる日を待つのみ。
 
私のガイド経験の中で、最高齢のお客様は89歳での西穂〜ジャンダルム〜奥穂。
74歳でのチンネ左稜線など…。
皆様の頑張りは素晴らしく、今でも思い出深いガイドだ。
 
私はまだまだこれから!
必ず夏がもう一度来ると思うことにしている。

梅雨はいつまでも [剱立山]

秋に剱岳を登るお客様のトレーニング予定だったが、大雨警報で中止。
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水の流れは速く、寒くて風も強い。
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低体温症に注意が必要な日。
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ハクサンシャクナゲ。
雨の日は花が綺麗だ。

夏は何処かへ行ってしまったようだ。
 
そして、またしてもコロナによるガイドキャンセルが増えてきた。
まだまだ試練は続くようだが、試練は乗り越えるためにあるのだ。

海の日 剱岳 [剱立山]

今日は海の日。
せっかくの三連休は日本海に寒冷低気圧が居座り、難しい判断を強いられる天候となった。

しかし、日曜日は時間を選べば登れる予感がして、悪くても月曜日には登れるだろうと決行した。
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連休初日なのに、登山者は少なく、剱沢キャンプ場もテントが少なく、寂しい限りだ。
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雨に降られることなく、剣山荘へ。
小屋予約も半分くらいキャンセルになったらしい。
 
小屋に入ってシャワー浴びてたら、天気予報通りに土砂降りの雨が降り出した。
 
夜の間、ずっと雨は降り続いたが、翌朝4時過ぎに後立山方面から明るくなり、一旦雨は上がった。
 
5時に剣山荘を出発。
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一服剱からは富山も見えてきた。
 
もう一度、強い雨は降るだろうと覚悟してたので、前剱を巻いて先を急ぐ。
 
岩場は濡れてスリッピーなので慎重に歩いて、タテバイへ。
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濡れたタテバイは気持ち悪い。
ヨコバイ合流点下のヌルヌルの鎖場で、先行していた単独登山者が足を滑らせて落ちてきた。
今や、別山尾根の核心部はここだろう。
たった一歩なのだが、濡れていると嫌らしい。
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よく頑張った!
 
やはり、山頂で強い雨が降り出したが、10分くらいで小雨になり、しばらくして止んだ。
もうしばらくは雨は降らないと確信していたので、下りは慎重に時間を掛けて、休憩を多めに行動した。
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岩も段々と乾いてきて、コンディションは良くなったきた。
無事に剣山荘へ着いて握手。
私は山頂では握手しない。
剱岳は下山時にたくさんの罠が待っているから。
 
悪天候の隙間を突いた剱岳らしい登山ができた。
これが可能だったのは、お客様方のスピード、確実な技術、強いメンタルがあったからこそ。
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帰りに剱澤小屋に寄り、剱人Tシャツを購入。
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雷鳥荘で温泉に入って、かき氷を食べて、生ビールを楽しむことができた。
 
今回、剱岳ガイド中に「天気予報悪かったけど、本郷さんの前回のブログ見て、剱岳に登れました。」という他パーティの方がおられた。
山は来てみなければわからない、ということが伝えられて嬉しかった。
 
しかし、決して悪天候時の剱岳登山を推奨しているわけではない。
天気予報を参考にしながら、自分達の実力、経験を天秤に掛けて適切な判断をして欲しい。
私がガイドする場合、別山尾根なら悪天候でも2時間のチャンスがあれば、アタックすることにしている。
平蔵ノ頭周辺から本峰までの往復タイムだ。
ここを岩場が濡れた状態でも、確実に2時間で抜けるスピードを持ったお客様だけを御連れし、それができない方は登山中止すると決めている。(もちろん、晴天の場合はもっと時間を掛けて歩く)
濡れた剱岳別山尾根は、昔と違って多くの登山者が通過することで岩はツルツルに磨かれ、鎖も滑り危険なので慎重に判断したい。

夏剱開幕戦 [剱立山]

いよいよ夏剱の開幕戦を迎える。
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今週の天気予報を眺めていると絶望的になるが、木曜日に低気圧が来るまでの時間がワンチャンスと思い、お客様に予定変更してもらった。
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久しぶりの室堂は、すっかり雪が減ってしまった。
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しかし、花は豊富で癒される。
花のガイドとしても生きて行きたい。
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降られることを覚悟しての水曜日は、結局降られることなく剱沢に入ることができた。
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剱岳は相変わらず恥ずかしがり屋。
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剱澤小屋から剣山荘へは雪切してあり、我々はアイゼンを使わなかった。
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剣山荘オリジナルステッカーが発売されていた。
防水なのでヘルメットにどうぞ
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夜は外が眩しくてなかなか寝付けない。
そう言えばスーパームーンだった。
 
そして、翌朝は予想通りの高曇り。
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一服剱までのいやらしい残雪もバッチリ雪切してあった。
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一服剱で夜明けを迎える。
ここから山頂までは雪を踏むことはない。
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タテバイへの雪の大谷も開通していた。
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タテバイはウェットなので慎重に。
タテバイを越えた上の抉れた溝は更に深くなっていた。
今夏はこの箇所で渋滞する気がする。
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すっかり夏になった剱岳。
二日間、一度も雨に当たることなく室堂まで下山できたのは幸運だった。
 
山小屋は海の日絡みで、キャンセルが続いていると聞く。
週間天気予報は、山小屋にもガイドにもおそろしい存在だ。
せっかく登るなら晴れの日にという気持はよくわかる。
しかし、雨マークへの反応が過ぎるのではないだろうか。
まるで、自らの登山行動を天気予報に全て託しているかのようだ。
天気予報を参考にしながら、どう行動するかを考えることが登山においては大切だと思うのだが。
ずっと三日間、雨が降り続くなんてことはなかなかないし、今は素晴らしい雨具やシューズ、装備があるんだから、アプローチで少しくらい雨が降ってもいいじゃないか。
雨の狭間を突いて良い登山ができたら、より楽しいじゃないかと個人的には思う。
 
学生の頃は、キスリングにポンチョという装備で雨が降れば地獄だったが、そんな時の風景が今は良い想い出となっている。
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天気予報が悪い日は、登山者も少ないし、奇跡のような素晴らしい景色が見れることも多いのだ。
 
晴れた日しか登らないという登山者を否定する気はないが、快晴予報の日でも雷雨があることは山では当たり前なので、いつ雨が降っても良い準備だけは必要だ。

飛騨の名渓「沢上谷」 [沢]

飛騨のデート沢へ向かう。
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高山には変なキャラがいた。
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これはヒダッチというらしい。
イデッチは知っているが、ヒダッチは知らなかった。
 
平湯温泉に泊まって、沢上谷へ。
入渓点までクルマで入れるが、遡行終了点にもクルマをデポしたので、アプローチカットのいいとこ取り!
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水量少なめでルンルン歩ける。
ただ、大気が不安定でいつ雨が降り出すか警戒が必要だったので、五郎七滝は寄らずに岩洞滝に寄る。
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ここは滝の裏にも回れる。
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裏からの風景。(お客様の写真)
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ナメに寝そべると気持ちいい!
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泳ぎたい人はどうぞ。
ただし、泳ぐ時はヘルメットを外しなさいと言ったんだが。
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蓑谷大滝は実に美しい。
 
ここは左岸から巻くが、素晴らしいクラッククライミングルートがあるのをご存知だろうか。
チョーク跡があったので、最近誰か登ったのだろう。
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巻いた後の急下降はデート沢唯一の緊張感があるパート。

沢床へ降りて、ここからが沢上谷の真骨頂。
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どこまでも続くナメ!
これ以上の天国はなかなか存在しない。
 
今回、沢登り初めてのお客様から楽しかったーと。
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初めての沢体験をお手伝いさせていただき幸せでした。
 

沢は時期や水量、天候によるリスク変化が激しく、それが面白いのだ。
この先になにがあるかというドキドキ感こそが楽しみだ。

YouTubeとか山行記録を過剰に予習すると、実際の山行が答え合わせみたいになってつまらなくなるのでは…。
地形図、遡行図を頭に叩き込んで、あとは現物を楽しみたいと思う。
行ったことがないのに、行った気になってしまうことは楽しいことなのだろうか。
 
解散して、高山から富山へ向かう所でバケツをひっくり返したような激しい雨が降り出した。
後続パーティ達は大丈夫だっただろうか。

沢登りもシーズンイン [沢]

クソ暑い日に涼しい沢登り。
平日の晴れ間に五箇山の沢へ。
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ところが、沢を一本間違えて、目的とは別な沢を。
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大雨が降った後なのでヤケに荒れてるなぁと思いながら、渓相が変わったんだなぁと深く考えずに進む。
蜘蛛の巣だらけで、持っているストックで払うとすぐに綿菓子状態になる。
人はこうして遭難するのだろう。
途中で地形図を見て、違う沢にいることに気付いたが、長いローブも持っているし、今いる未知の沢を楽しむことにした。
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沢を間違えた罰として、天敵の蛙と蛇が出没して、罪を悔い改めた。
反省会しながら、クルマまで戻る。
嗚呼、初心忘れるべからず。
 
クルマに乗って、テレビニュースを見て、安倍晋三元総理が撃たれたことを知った。
歴史的悲劇に愕然とした。