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プレシーズンの妙義山 [妙義山]

妙義山は東京在住でガイドをやっていた頃のホームグラウンド。
 
昔は裏にはいても表にはいなかった。
「ヒル」
いまや、表妙義にもいる。
 
ヒルには会いたくないし、人も多いし、ガイドだらけなので、春から秋にはすっかり行かなくなってしまった。
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妙義山は、冬でも暖かい日なら全く問題ないのだが、ちょうど寒の戻りに当たり、非常に寒く、北面には雪、氷、霜が残りかなり際どいコンディション。
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中之岳へのルンゼトラバースは氷がヤバい。
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南面は春のように暖かく、北面は冬。
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中之岳から東岳までは問題なく快適。
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北面の降りは危なくて、鷹戻しを降るのは無理なコンディションなので石門へ下降した。
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それから、初めてメガネ橋を訪問した。
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それから、妙義山が良く見える露天温泉付きホテルに泊まり。
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それから、上州牛しゃぶしゃぶ食べ放題、飲み放題でパワーアップ。
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翌朝は小雪降る中、アドベンチャーなルートへ。
愉快なメンバーと春分の日を楽しむことができて良かった。
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妙義に来たなら関所食堂で絶品半チャンラーメンで〆る。
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OKさんもお疲れ様でした♪

初冬の妙義山へ [妙義山]

週末絡めて3日間、妙義山へ。
裏同心ルンゼで初アイスクライミングの予定でしたが辞めました。
冷え込みがあったので、登れば登れるだろうとは思いましたが、せっかく凍り始めた滝を壊すのも申し訳ないし、まず安全にガイドできないと思いました。
時を待つことは大切だと思います。
立山スキーに転進も考えましたが、植生にダメージ与えてまで滑ったら良くないですね。
隠れた岩にビビりながら滑っても楽しくないし、危ないし、板は傷だらけになるし…。
早く滑りたい、早く登りたい。
でも、コンディションをよく考えて悩むことも必要でしょうね。
妙義山は寒かったけど、3日間ルート上では誰にも会わず、自分達のペースで山を楽しめました。
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ガイドやツアーが来る定番ルートを外せば、妙義山もいろいろ楽しめます。
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自分でプロテクションを作る必要がありますが、それも楽しいものです。

今度の週末も悩みどころです。
氷が登れるようになると良いですが。

晩秋の妙義山 [妙義山]

この週末から下ノ廊下を二回転する予定だったが中止した。

黒部の谷は雨と風が強い予報なら、私はいつも辞めることにしている。

雨だと滑るとか屋根があるから雨でも大丈夫とか諸説あるが私が気になるのはそんなことではなく、軽く増水しただけで危ない場所が各所あることと、一番怖いのは落石である。

以前、黒部をクライミングしていた頃に日電歩道脇にある場所も登ったりしていた。
チムニー状ルンゼとかオオタテガビン沢とか私が知ってる場所だけでも、大小浮石だらけで、これを知ってしまうといろいろ想像して怖くなる。
だから、晴れている時でもその部分を通過する時はドキドキするし、雨風が強い時にはとても通過したくない。

そんなことを言っていたら黒部へは行けないし、事故なんて99%ないし、結果良ければ全て良し…とそれも良いだろう。

私の場合は、自分のプライベート山行なら行くかもしれないが、お金を戴いて命を託された以上はちょっと行けないなあと思う。

だから自分の尺度で、雨と風が心配ならガイド中止と決めている。
下ノ廊下を歩く人で、落石を心配する人ってあまりいないが、少し頭の中に入れたら良いと思う。
尾根ルートならロープ技術と歩行技術に長けた人なら行けても、谷には別な客観的危険がたくさんあることを考えたい。
ということで、妙義山にしばらく行って来ました。
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稜線付近の紅葉も綺麗でした。

表妙義の稜線は、上級者のみの看板が立っていますが、明らかに初心者と思われるパーティや高齢者、単独登山者を目にすることが多く、滑落事故が頻発するのも納得できます。
看板を見ても無視、或いは自分の実力がわからないのでしょうか。

ここでも鷹戻しで某ツアーとスレ違いましたが、ガイドが付いていても、ロープ結ばずに各クライアントはハーネスからスリングとカラビナで鎖に形式ランヤード。
下ノ廊下でも番線に同じく形式ランヤードで多人数を歩かせるガイドがいます。
こういうガイドさんは、まず自分で形式ランヤードで番線から大墜落を経験してから人に教えることをお勧めします。

ホッキリ近くのスラブ状の鎖場では、T岳連傘下の山岳会が10数名で懸垂下降してました。
私が「何をしているんですか?」と聞いたら懸垂下降の練習だそうです。
日曜日の表妙義稜線上で…。
お話にならないので仕方なく、お客様と側壁をクライミングして通過しました。
こういうのは辞めましょうよ。

キリがないので、この辺りで。

私も後指さされないように気をつけます。

快晴の妙義山にて [妙義山]

11月の連休は妙義山の一般縦走コースへ。
さぞかしガイドさんだらけと思いきや、ほとんど知り合いガイドばかりでした。
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撮影 旭ガイド

クライアントにロープを付けて鎖場や残置ロープを辿ることが多いこのコースはガイドさんが多くなると渋滞の原因になることがあります。
クライアントの体力的、技術的な部分で遅いケースは別な問題として、スタカットに切り替える頻度が多くなっては他の一般登山者の迷惑になってしまいます。

プロとしてお金を戴いているなら、ロープを使っても一般登山者より早く安全に危険地帯を通過する方法を模索すべきと思います。

このエリアでも資格範囲外ガイドさんがいますから、一般登山者から「ガイドパーティは遅い」という印象を持たれることは仕方ないとは思います。
某ガイド協会では資格範囲外における罰則規定はないとのことなので、資格範囲を守ったガイドと逸脱したガイドが、そのエリアで共存することになります。

でも、ちゃんと技術を持ったガイドもいるのだと一般登山者から言われるよう資格範囲外の方と差別化できたら良いと私は思います。

追伸 前回ブログで装備の事前チェックをと書いた記憶がありますが、某自称一流ガイドさんがクライアント全員分のレンタルハーネスをクルマに忘れるという失態を見てしまいました。
やはり人間というのは間違える生き物なんですね。
気を付けよう!


山行前には装備事前チェックを [妙義山]

先日、30年近く切れ目なく登山をやってきて初めての失敗をした。
いつも山小屋や登山中に目にしてきて、自分がそんな失敗をするはずがないと思ってきた。

星穴岳へ向かっている途中、なにか足裏感覚に違和感を感じた。
まさか…。。

そう、シューズが崩壊し始めていた。
朝、チェックした時は何でもなかったのに。
クルマの中には新品のシューズがバックアップであるのだが、既に西岳に向かっているし困った。
テーピングも針金もスリングもあるので最悪の場合の処置はできるのだが、なんとも恥ずかしい話で、自分のチェックの甘さを悔いた。
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それからは、崩壊が進まないようにより丁寧に、静かに荷重するようにしてシューズに負担を掛けないように登山を続けた。
幸い下山までシューズは持ってくれたが…。

まったく初心者丸出しの失敗で、シューズの事前チェックは念入りにという教訓を得た体験であった。

失敗と言えば思い出すのが。

数年前に前日にチンネをガイドして、翌日が八ツ峰上半ガイドだった時のこと。
山小屋の玄関にいつもザックを置かせてもらっていたのだが、チンネでロープが濡れて、(小屋にロープを数本置かせてもらっているので)乾いたロープに入れ替えて、そのままザックを置いておいた。
翌日、八ツ峰ⅤⅥのコルについてザックからハーネスを出そうと思ったら「ない...」のだ。
仕方なく、持っているスリングで代用ハーネスを作り、それでガイドを続行、カラビナブレーキで懸垂下降したりした。
「こんな日は誰にも会いたくないな」と思うとガイドだらけで。
会う人会う人に「本郷さん、まさか...」と。

あとで聞いたら、山小屋のご主人が「ハーネス干しといたちゃー」とのこと。
自分の事前チェックの甘さを痛感した。
お客様には朝出発時に「あれ、持ったかー」「これ、忘れてないかー」とか言うくせに。




妙義山との付き合い [妙義山]

晩秋になり、妙義山へ通う機会が多い時期になった。

日本山岳ガイド協会ができるずっと前、日本山岳ガイド連盟に所属していた時、私は東京に住んでいて、ようやく山岳ガイドという職業が認知され始めた頃だと思う。
現在のように山で石を投げればガイドに当たるようなガイド大量生産時代ではなく、本当に実力のある少数精鋭の他ガイド達と差別化するためにはどうしたら良いか考えた時期があった。
他のアルパインガイド達は海外での輝かしいプロフィールを持つ中、私は誰も知らないような地味な登攀記録しかなく、どう自分をアピールして良いか悩んだものだった。
そこで考えたのが、妙義山と西上州の山を誰よりも研究し、ここだけは絶対誰にも負けないというマイナールートをガイドすることだった。

地形図と登山体系、廃版となった「ハイグレードハイキング」を基にとにかく通ってみた。
自分が行くだけで精一杯で、とてもガイドできるルートではないところもあったが、自分の実力で充分ガイドできそうな場所も多数あった。
私はフリークライミングは不得意だが、ボロ壁や草付き、ガレ場などいわゆる悪場にはかなり自信があったので、自分をアピールできるガイドが実践できるような気がした。
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今では、星穴岳もボルトが打ちまくられガッチリしたフィックスロープが張られて興ざめだが、当時は探検気分が味わえる楽しい場所だった。

相馬岳北稜、西大星、御岳東稜、風穴尾根など登山者がたくさん行くようになり、踏み跡も濃くちょっと残念な気がするが時代の流れだから仕方がないのだろう。

でも有難いことに、この界隈には知ってる人しか知らない、秘密にしておきたいルートがまだある。
そういうルートが全てなくなったら詰まらないだろう。

実家の富山に戻ってからは、すっかり妙義山へ通う回数は減ったのだが、それでも年に10回以上は行っているだろうか。
妙義山は人気エリアになってしまったが、私には妙に懐かしく馴染みのある場所だ。

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