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龍の年を迎えて [マイライフ]

新年、あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
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2024年元日は四方神社へ初詣に行き、おみくじを引き読みながら、一年の計を考えながら過ごしていた。
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年末にスキーガイド中に腰を痛め、そのまま甲斐駒ヶ岳をガイドして、膝の痺れが復活したので、大晦日と元日はゆっくり静養していた。
1月2日から赤岳鉱泉に入り、アイスクライミングと雪山登山の予定だったので、なるべく休もうとお屠蘇も飲まず、一人2階の自室で本を読んでいた。
15時に翌日からのガイド準備を終えて、寝転がった時、急に「明日は山に行ってはならない」と考えるようになった。(結果論と言われるかもしれないが…)
 
自分の腰が不調なまま、ガイドを行うことで何か悪いことが起きるのだと思い、お客様へ正直に相談の電話をした。
快く「無理されずに、またの機会にしましょう」と理解していただき、ガイドキャンセルとなった。
そして、赤岳鉱泉に「私の腰の調子が悪いので…」とキャンセルの電話を入れた。
 
そして、ガイドキャンセルした予定をどこかの日程に組み込もうとスマホを開いた瞬間に、地震が来た。
短時間で収まり、静かになったので、またかと思っていたら、今度は凄まじい横揺れが始まった。
なかなか収まらず、かなりの時間に感じた。
 
一階にいた子供達が騒いでいるのが聞こえた。
下の子は怖くて、外に逃げ出したようだ。
 
2階から庭を見たら、灯籠はぐちゃぐちゃに倒れ、外壁は全壊していた。
町内アナウンスのスピーカーが津波が来るから「すぐに避難」と叫び、テレビも大津波警報を知らせて来た。
 
我家は海抜2m、海まで100mで、予想される津波は3mと聞き、避難を急いだ。
家族全員をハイエースに乗せて、とにかく海を背に赤信号を無視して走った。
燃料を満タンにしておきたくて、ガソリンスタンドに寄ったら、店員も避難していて補給できず。
セブンイレブンで食料を確保しようと寄ったら、こちらも閉店していた。
沿岸部の家庭全てが南へ向かって逃げているので、道路はすぐに渋滞になる。
 
渋滞を見つけたら即座に横道に逸れて、海から離れる努力をした。
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もう充分に海から離れた場所でクルマは動かなくなった。
 
呉羽山公園の石坂テニスコートの駐車場に避難した。
ここは息子がサッカーの練習に通っていたところなので、土地勘もあった。
公衆トイレもあるし、自販機もある。
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自販機に「おでん缶」を見つけたので、家族分5個買ったら、ちょうど売り切れになってしまった。
 
とりあえず、飲み物と食料はあるので問題はない。
ただ、頻繁に大きな地震が発生するので、もう家は倒壊しているだろうと思った。
リフォームは何度かしているものの、基本的には100年以上前の家なので、とても持たないだろう。
 
満潮時刻を過ぎて、避難所に移ることに決定。
ガソリンスタンドを探しに8号線を走り、列に並んで満タンにした。
一度自宅に帰り、布団を取りに行った。
我家は、ちゃんと立っていた。
 
昔、祖父が言っていた。
「うちの大黒柱は、(シベリアだったかカナダだったか)から持って来た強い柱だから何百年経っても持つ」「建て替えても柱は残せ」と。
四方の街は、どの家も真っ暗でほぼ全家庭が避難したようだ。
 
とにかく短時間で布団とテントやマットや炊事用具など必要なキャンプ道具を積んで避難所に向かった。
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広い体育館の中にジェットヒーターが2つ。
もう21時を過ぎていたので、ヒーターの周りは人でいっぱいで、ヒーターから一番遠い場所に寝床を作った。

余震はまだまだ永遠に終わらない。
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富山県選出の衆院議員が顔を見せに来たが、「皆さん、頑張ってください」と声を掛けてすぐに帰って行った。
23時頃にミネラルウォーター、ビスケット、毛布が配られた。
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一番、地震を怖がっていた辰年の息子がようやく寝た。
 
しかしながら、震災の報道を延々と流すラジオとテレビが大音量で流され、照明灯が明るく、とても寝られたものではない。
特に報道は、ついさっき味わった地震の恐怖を繰り返し思い出させ、ここに長くいることは地獄と感じた。
避難所を運営している人達には本当に申し訳ないのだが、少しはあの時を忘れさせて欲しいと叫びたかった。
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富山の人は、避難所に泊まるのは初体験だろうし、避難させていただいている立場的に要望は言いづらい。
しかし、24時を過ぎて私がスタッフに音量を下げること、照明を消すことをお願いしに行った。
とにかく、突然の予想外の出来事で疲れている人達を寝かせてくれと。
 
24時30分にようやく、体育館が暗く静かになった。
しかし、元日夜から2日朝は冷え込んで、ほとんど寝られなかった。
 
翌朝明るくなったら、各家族が続々と帰宅を始めた。
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自宅へ戻ったら、庭の外壁は全壊し、灯籠はバラバラに倒れていた。
灯籠は先祖代々、我家の記念写真に写っている貴重な存在で、それが無くなることは精神的衝撃が大きかった。
 
家屋にもヒビが入り、ダメージはあった。
しかし、インフラは全く問題なかったし、全員が怪我なく今日まで過ごせたことには感謝しかない。
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四方漁港の周りは道路に亀裂が入り、危険箇所もある。

我家を心配して来ていただいた方もいらして、そして離れていても温かい応援の言葉をくださる方々のおかげで、先の不安は随分と柔らいだ。

辰年は動乱の年とも言われるが、元旦から災害、事故と続き過ぎだ。

今年からは富山、剱岳と距離を置いて、剱岳ガイド事務所も改めて、主体活動エリアを他へとずっと考えていた。
でも、今回の件で北陸に少しでも人を呼ぶことができたら、自分が産まれた地への恩返しなのかもしれないとも思い始めた。

最後に、今回の能登半島地震により被災された震源地に近い方々にお見舞い申し上げますと共に、一刻も早い復旧をお祈り致します。
自分が被災地に何ができるのかを考えて、微力ながら日々活動したいと思います。

甲斐駒ヶ岳でガイド納め [南アルプス]

本日は大晦日。
 
2023年のガイド納めは甲斐駒ヶ岳を選んだ。
 
累計標高差2500mを超える歩き甲斐のあるロングルート。
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東京にいた頃はアルパインクライミング、アイスクライミングのアプローチで良く登降していた自分にとっても修行の尾根。 
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コロナ禍前に冬剱のトレーニングに訪れて以来の冬季黒戸尾根のスタート。
 
神社は初詣の準備中。
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七丈小屋までは積雪なく、冬靴が痛い。
 
七丈小屋はとても暖かく、そして温かく快適でした。
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クラフトビール2種類とも美味しかった。
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夕食のカレーはスパイシーな辛さが食べやすい。
珍しくおかわりした。
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朝弁当は3種類の稲荷寿司。
パッケージが可愛い。
 
個人的には、山小屋のご飯はこの形態が理想的だと思う。
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北杜の地酒も美味しい。
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翌朝はキャンプ場からクランポン装置。
 
雪が少ないので氷も岩も鎖も露出し、難易度は高いので慎重に行動した。
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甲斐駒ブルーは綺麗だった。
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周りの山々が全て見渡せる紺碧の空は、2023年の〆に相応しいプレゼントだ。
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下降は緊張感を持って丁寧にクランポンを扱おう。
 
清掃中の七丈小屋の皆様に挨拶して下山開始。
それにしても、これほど丁寧に掃除が行き届いた山小屋も珍しい。
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長い長い下降を終えて、本年のガイド納めができた。
 
今年も様々な試練が降りかかった年だったが、終わってみれば良い年であったと思う。
 
こうして、無事に25年目の山岳ガイド業務を終えられたのも、仕事を与えてくれたお客様の存在があったからこそ。
感謝の気持ちを込めて、来年もお客様が安心し、楽しく参加できるよう安定感あるガイド活動を続けたいと思う。

皆様、新たな憧れを抱きながら来たる年をお迎えください。
本年もありがとうございました。

私のガイド始めは1月2日から!

年の瀬を迎えて [八ヶ岳]

富山からの剱立山はまだまだ冬の景色ではない。
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なかなか雪が降らない年の瀬だが、ご挨拶程度の降雪がある日も。
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平日の大雪予報で山には誰もいないので、終始ラッセルしたが、ドライパウダーなのでなんの苦労もない。
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ご高齢になられても、自分を高めたいと思って参加される方へは、できる限り大切なことを誠心誠意伝えたいものだ。
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良く冷えた日。
寒暖差が激しく体調管理が難しい。
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しばらく滑っていないので、翌朝は仕事前に冷えたパウダーをいただく。
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白駒荘で「チーム安全登山」の忘年会。
私は雪山講習を担当する。
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島枯山、茶臼山を経て、白駒荘へ。
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ヤマレコ、ヤマテン、やまきふ共済会からなる「チーム安全登山」は特色ある経営者の集まりで、いつも価値ある時間を共有させていただいている。
 
だいたい記憶なくなるまで飲んで、翌日なにも覚えていないのがとても残念だが。
それでも人生が楽しいから仕方ない。
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皆様、多数のご参加ありがとうございました。
また、来年も白駒荘で催行が決定しております。
  
年末最後のスキーガイド。
 
プライベートで日本海側のスキー場で滑ったら、質量ともに悪くなかった。
降雪ある日に妙高で少しは山に入れるかなぁと思ったが、全く量が足りていなかった。
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残念ながら、ゲレンデ回しになったが、地形も出ているし、草も生えてるし、まだまだ雪が少ない。
恥ずかしながら、ジャガイモに板を取られ、ビンディングが解放して硬い雪面に吹っ飛んだ。

ちょっとダメージがあったが、完全に自分の不注意だった。
こういう時は続きがあるので、これからを慎重に過ごしたい。

明日から年末最後のガイドに向かう。

雪乞い [八ヶ岳]

爺ヶ岳東尾根へテント泊のはずが、初日が本格的な雨なので車中泊して、早朝に取り付く。
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暗い中、出だしの急登に挑むが、雪がない落ち葉だらけの斜面は滑る。
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登れば登るほど藪漕ぎで雪も現れない。
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登頂には時間もなくなり、敗退することにした。
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下山して、ロープワーク講習をやって終了。
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冬季ルートに雪がないのは虚しい。
まさか、この時期に雨とは。
 
そして、今度は蓼科山の予定。
登山口の標高は雪になると踏んでいたのだが、哀しくも土砂降り。
 
しばらく、クルマで様子を見るも、雨は変わらず八子ヶ峰へ。
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何も見えず(涙)
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本峰では更に風雨激しく、眺望なし。
ぐるっと回って、すずらん峠から登山口へ。
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ここの蕎麦は美味かった!
 
そして、週末を迎えて赤岳鉱泉へシーズンイン。
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ところがまさかの雨、またしても!
ジョーゴ沢でも行こうかと思っていたが、行って来たガイド情報によると、氷は落ちてしまったそうで…。
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部屋で真面目にロープワーク講習を再び。
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夕食はステーキを食べて、四代目お勧め鉱泉クラフトビールをいただく。
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この夜はマムートナイトを初体験。
笹倉ガイドの講習は、コンパクトな時間の中で知るべき大切な内容がまとまっていて、イラストも素晴らしい。
受講者の印象に深く残るイベントで啓蒙活動として是非継続していただきたいと思った。

翌朝は予報ほどではなかったが、強い寒気と風の中、赤岳を目指す。
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文三郎か地蔵尾根かで迷ったのだが、視界がクリアな文三郎を選んだ。
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前日までの降雨で階段は丸出しで、氷と岩とドライアウトした新雪がミックスして歩き辛い。
 
雪が少なく乾燥したフリーズドライな状態で凍傷には注意が必要な環境。
 
中岳分岐から先は危ない強風で、登頂はできるだろうが、向い風が当たる下山で誰かが凍傷になる可能性が高いため、赤岳主稜取付下で敗退した。
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一名、頬に赤みが見えたので、この環境から早く脱するべきと樹林帯に逃げた。
 
凍傷受傷はガイドの責任が大きく、管理と注意が常に必要だ。
特に顔面と足先は自己意識が乏しくなりがちだ。
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下山したらJ&Nへ。
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うま〜い。
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全てが、うま〜い。
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翌日からも赤岳鉱泉へ上がる予定だったがガイド中止した。
富山へ向かってクルマを走らせたら、安房トンネルを越えて平湯から雪国に変わっていた。
 
この後の寒気に期待して、雪山、アイスクライミング、スキーが楽しめるコンディションが整って欲しいと切に願う。

初冬西穂独標 [北アルプス]

西穂山荘に宿泊して、西穂独標を往復するコースは雪山に身体を慣らすには適度なコースだ。
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マテリアルチェックをしながら、滑らない歩き方を身体に染み込ませることが重要な時期。
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ロープウェイを降りて、西穂稜線を眺めると、もう少し雪が欲しいところだ。
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西穂山荘に着いてから、ピッケルの使用方法、アイゼンを有効に使う歩き方を講習する。
今回は雪山入門者がお客様なので、雪山における幹となる技術だけを短時間で覚えていただく。
余計な技術を教えて、混乱を招くより、大切なことシンプルに伝えたい。
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寒い夜は少し暖まりましょう。
 
翌朝はピッケルが無くなり、出発が遅れる。
焼岳2という一番奥の個室に宿泊し、部屋前の荷物置場に貴重品以外を置いておいた。
 
いろいろな場所を探してみたが、見つからず埒があかないので、私はノーピッケルで登ることにした。
 
一番奥の個室なので、誰かが間違えて持って行くことはあり得ず、状況的に考えて盗難としか考えられない。
ザックの中に入れて、一番のロープウェイで降りたのだろうか。
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朝日が綺麗な美しい場所で、何とも哀しい出来事だ。
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雪は少ないが、快晴微風。
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独標は誰もおらず。
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この先はまた次回の楽しみにしよう。
 
小屋へ帰り、ピッケルがなくなったことを伝えた。
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petzlサミットエボ52、オレンジの非常に目立つピッケルだ。
もう部屋の清掃も終わったそうで、小屋の方も探してくれたが出てこず、紛失届を提出し、警察にも遺失届を出した。
 
今まで、私もお客様も山小屋でどれだけ登山道具を盗まれたことだろう。
荷物置場に置くルールになっている小屋でも、布団に入れて寝るしか防衛策はないだろう。

山小屋に盗人が同宿していると思うと気持ち悪くて仕方ない。

雪消えの山 [八ヶ岳]

しばらく降雪なく、すっかり雪が消えた八島湿原。
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20年以上のお付き合いになるご夫妻と鷲ヶ峰へ。
病後からのリハビリハイクで選んだのがここ。

雪上ハイクの予定だったが雪がすっかりなくなった。
しかし、北アルプスの展望は素晴らしい。
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アルパインクライミングが好きで、昔はチンネ、東面スラブ、滝谷などへガイドさせていただいたが、お互い歳を重ねても、このようなお付き合いができることに深く感謝したい。
 
「ここから見える景色、ほとんど本郷さんと一緒だったね」とご夫妻でつぶやいていらしたことが印象的な一日だった。

師走のはじまり [戸隠]

11月30日、立山黒部アルペンルートがクローズになると、富山県内でのガイドは減り、県外での仕事が多くなる。
 
今冬は雪の付き始めが早く、スキー場のコンディションも上々だ。

整備されたゲレンデを気持ち良く滑れて最高の師走の始まり。
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まずは白馬五竜からスタート。
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白馬各スキー場が一気に開いたので、分散したのかリフト待ちはほとんどなく、たくさん滑り込むことができた。
 
この時期はとにかく数を滑らないと!
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もう少し太い板を持ってくれば良かった。
 
五竜、47の空いているコースを休みなく滑り続けた。
 
そして、黒姫山へ雪山入門ガイド。
 
しかし、とても入門というレベルではなく、激しい降雪でトレースはすぐになくなる。
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先行パーティ達が敗退してくる中、我々だけは膝から股のラッセルを頑張る。
 
樹林帯主体でリスクの低い黒姫山なので、吹雪をたっぷり楽しんで欲しかった。
 
とにかく、この時期にパウダーラッセルできる事は皆様には素晴らしい体験となるので、暗くなっても絶対登る事にした。
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山頂に着いても、吹雪で何も見えず、下山時もトレースはリセットされて、ルートを失わないようにラッセルを続けて、予定通りのヘッデン下山。
 
そして、翌日はお客様は入れ替わって、戸隠山へ。
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昨年の12月同時期にも戸隠山をガイドしたが、その時は膝ラッセルくらいで、軽く山頂往復できた。
しかし、今回は深くてなかなか進まない。
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鎖場も埋まって、記憶を辿りながらラッセルするも、岩に雪が付き始めた時期は不安定でリスクは高い。
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気温も上がり出し、チリ雪崩も始まったので、長屋トラバース地点からラッペル敗退することにした。
 
粘れば山頂までギリギリ行ける時間だったが、厳冬期になった戸隠ではあまり無理できない。
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また、雪が締まった時期にリベンジしていただきたい!
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戸隠蕎麦を食べて反省会。
 
翌日からは富士山ガイドの予定だったが、諸事情により中止。
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野沢温泉スキー場で滑り込み。
 
スキーコンディションが良い時期を逃さずに滑り込まなければならない。
いつ暖冬傾向に変わるかわからないし…。
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板がめちゃくちゃ走って気持ち良かった。
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今冬も快調なシーズンイン。
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久しぶりに富山へ帰ったら剱立山が美しかった。
 
このまま雪がたっぷり楽しめるシーズンであって欲しいが、どうだろうか。
 
次の寒波を期待しつつ、チャンスを逃さず、お客様に雪を楽しんでいただけるよう、今冬も頑張って行こう!
 
そろそろ、アイスクライミングもシーズンインだ。
 
忘年会などやってる暇もなく、師走は何かと忙しい(笑)

立山閉山 [剱立山]

いよいよ立山閉山を迎える。
金曜から上がる予定だったが、富山側が運休で全員で土曜に扇沢アプローチとなる。

扇沢では多くのスキーガイド、滑り手と顔を合わせた。
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室堂に到着したら、文句なしの快晴。
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シーズンインのお客様方なのでハイクもゆっくりと、景色を眺めながら歩を進める。
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この日はどこを滑っても、最高のドライパウダーが楽しめた。
 
ものすごい数の滑り手がいたので、あっという間にギタギタになり、隙間パウダーを探しながら転々と位置を変える。
 
どこへ移動しても、全て最高だった。
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最終営業日の雷鳥荘に到着。
旭立太ガイドに撮影をお願いした。
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雷鳥荘、最後を飾る富山側の夕陽。
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夕食はカレーバイキング。
 
雷鳥荘にはいろいろ無理をお願いしたり、大変お世話になって感謝してもしきれない。
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翌日も期待高まる朝焼けから始まる。
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少しパック気味のパートもあるが、パウダーコンディションは継続していた。
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この週末は最高の二日間だったと言えるだろう。
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翌日も室堂勤務だったのだが、「えび寿司」へ行くために、扇沢に降りて一旦富山に戻る。
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氷見鰤が美味しい季節になった。
 
皆様富山へ来たら、是非とも「えび寿司」へ。
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最後の室堂勤務。
入山指導業務で様々な登山者と接することで、私自身も感じることがある。

他人がどこをどう登ったかと気にかける前に、自分になにができるかを気にかけた方が良いと思う。
気にすべき情報を間違えないようにしたいものだ。
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この日は雷鳥荘を始め、各山荘の小屋閉めスタッフが続々と降りて行く。
 
残る営業宿泊施設はホテル立山だけとなった。
 
この日を最後に富山側アルペンルートは大雪のため、道路通行止になった。
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そして、11/29はホテル立山最終宿泊日で扇沢から室堂へ上がる。
 
来ているガイドは、さすがのレジェンドばかり。
 
吹雪であまり滑れないかもしれないが、それでもお客様を満足させられる方々だ。
 
そして、私も立山が冬に閉ざされる様を見せてあげたいと思う。

絵に描いたような吹雪の中、少し歩いて、少し滑った。
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ホテル立山での宿泊は閉山前の贅沢。
 
外扉を一歩出たら、地獄のような吹雪で、中に入れば天国だ。
 
さすが、2450mにあるホテル立山では、扉ひとつで世界は大きく変わる。
 
これほど安全に吹雪を味わえる場もないであろう。(立山を良く知るガイド同行が前提であるが)
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最終日は昨日ほどではないが、やはり吹雪に変わりなく、行動時間が一時間過ぎたら危険であろう。
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山岳警備隊の看板も業務を終えて、全て真っ白綺麗になった。
 
これで立山閉山。
室堂の全てが閉鎖された。
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吹雪の中、扇沢へ下山する。
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いろいろ山荘にデポした全ての荷物を背負って下山。

クロニョンに出迎えていただく(笑)
 
4/15から11/30まで剱立山でのガイド業務が全て終わった。
 
私は2010年4月に東京から実家がある富山へ帰った。
その時、室堂に上がり山岳スキーを楽しむ人々を見ていろいろ考えた。
4/15から11/30までフルに剱立山で山岳ガイドとして生きるためにはスキーガイドのスキルは必須と考えた。
 
それからはプライベートな時間はほぼスキーに費やし一生懸命練習して、ようやく2015年からスキーガイドを業務として始めることにした。
 
今でも若い後輩ガイド達に教わりながら発展途上の身である。
 
4/15から10/30まで、国内屈指の降雪コンディションに恵まれた剱立山をお客様に楽しんでいただくために引き続き頑張って行きたい。
 
山岳におけるアクティビティの中で、お客様に「私の資格では、それはできないんです」とか「それは苦手なんです」とかは言いたくない。

だから、まだまだ学ばねばならないし、老いぼれてもいられない。
 
今日から師走。
本格的な積雪期ガイドが始まる。
スキー場も例年より、早くコンディションが整い、山にも雪が溜まって来た。

この冬も楽しくなりそうだ。

立山は冬へ [剱立山]

11月中旬となると最後の立山ガイド生活が始まる。

4月15日、立山黒部アルペンルートの全線オープンから7ヶ月。
 
春スキーガイドと剱岳残雪ガイドから始まり、夏の剱岳ガイド、秋はまたスキーガイドでシーズンを終える。
 
長いような短いような、シーズンクローズが近づくと寂しいものだ。
 
立山の始まりと終わりだけは見届けたくて4/15と11/30は、どんな天候でも必ず現場にいるようにしている。
 
2450mにある天空の別天地は富山の宝。
沢山のお客様に見ていただきたい。
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11/14から立山に上がる。
みくりが池はまだ凍っていないが、山は真っ白だ。
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新雪がたっぷり降って快晴の中、普通は行けない剱岳の絶景地へ。
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剱岳の存在は別格だ。
いつまでも変わらず、ここにあるだろう。
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この時期の立山では、いろんな仲間達と再会できて嬉しい。
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この頃はまだ雪は少ないが、素晴らしいロケーション。
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しかし、吹雪で予定通りの行動ができなかった日々もある。
 
こんな悪天候の日こそ、学ぶべることは多いはず。

結果だけを求めると近道したくなるが、うまく行かなかった時間を大切にする方は山から歓迎されるだろう。
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いつもお世話になっているキャラバンスキーチームの皆様もやって来た。
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みくりが池が凍り出すと、そろそろスキーコンディションも整って来る。
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同時に雪崩への警戒も怠ってはならない。
 
不慣れな方は、立山の地形を熟知したガイドを使って行動することを薦めたい。
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そして、いよいよその日がやって来る。
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場所を選べば、この時期としては奇跡的な沈降パウダーが楽しめた。
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その日を待っていれば、必ずいつか時はやって来る。
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立山閉山まで、あと6日。
訪れた皆様が笑顔で帰れるよう、あと少し頑張ろう。

この時期は、アルペンルート立山駅側は除雪が間に合わず運休となり富山に降りれないこともある。
 
私も家に帰れなくなり室堂に缶詰め。
運休からやっと富山に降りたら、今度は上がれないという。
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やはり、今日も運休。

仕方ない。
扇沢から上がることにしよう(涙)
 
富山と室堂はこの時期、近くて遠い場所なのだ。
 
2023年11月30日まであと少し。

真田の里へ [ハイグレードハイキング]

この週末は海谷周辺ガイドの予定だったが、日本海側は気圧の谷の通過で絶望的な天候になりそう。
 
転進先は無難な妙義エリアも考えたが、定番過ぎてあまりにも芸がなく、海谷山塊の代案としては場違いだ。

なので薮岩求めて信州上田へ。
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岩薮好きな登山者が楽しめる山が数多くある上田は新幹線の停車駅でもあり、東京からのアクセスも良い。
 
西の妙義とも言われるが、趣は違う気がする。
 
上田は独鈷山が有名だが、この山にも様々な特徴的な登路がある。
まずはバリエーション入門的な帰望峰から竜王山を経て独鈷山へ。
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沢を跨いで、枯葉ラッセルして苔蒸した岩稜を行く。
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上田の街並みが眼下に見える稜は気持ち良いが寒風がきついアクセント。
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楽しいチムニーから這い上がったりして、アップダウンを繰り返す。
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帰望峰。

ラッペルしてコルに降りて、また登ると。
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竜王山。
 
泥道を下降して、また登ると。
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上田を代表する独鈷山に。
 
夜は…。
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なんとなく惹かれて入ってしまった。
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戦国時代のヒーローを真田幸村をコロッケにしたらしい。

次は猿飛佐助が修行したとされる角間渓谷へ。
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3歩上がって2歩退がる的なズルズルの足場を騙し騙し登ると鬼ヶ城。
 
ここにはなぜか立派な鎖場がある。
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鬼ノ塔。
 
ここはトラロープはあるが、なんとなく嫌な予感がして、スタカットで登った。
 
鬼ノ戸渡のトラロープはフィックス先が支点から外れていた。
何も考えずに荷重したらフリーフォールだ。
 
残置されたロープは絶対疑わなければならない。
 
我々は時間は掛かっても、ラッペルして安全圏に脱出した。
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通過してから看板があったが、先に言ってくれという感じ(笑)
 
その後、ジャンクションピークを超えて、またズルズルの急斜面を上がる。
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薮を超えて雲雀峰に到着。
 
周囲の山々には雪が載っている。
この辺りはまだまだ先に繋げられるスリリングな山が多く、今後も研究してみたいところだ。
 
参加されるお客様方には、この先に何が待っているのだろうというドキドキ感をたくさん楽しんでいただきたい。
そのためには、ガイドする側が足跡を追いかけるだけじゃなくて、常に開拓精神を持たねばならぬと思う。
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下山後は、美味しい信州新そばを食す。
これは「幸村」という名前の3人前の量だが、予想より多くてお客様に手伝ってもらった。
 
上田を出て、上越に入ったら土砂降りの冷たい雨が続く。
冬の足跡が近づいて来た。

日本海側の山は、このまま季節は冬に移り変わるだろう。
今冬もたっぷり雪を楽しめるような気がする。
 
さて、そろそろ冬の準備をしよう!