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伊藤新道38.4kmの山旅 [沢]

秋晴れ続いた週末、三俣山荘営業最終日に伊藤新道へ。
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この地に精通した検見崎ガイドとのコラボツアーで計画。
水量や水温を始めとするコンディションにより難易度が大きく変化する伊藤新道は、この場の経験を数多く積んだガイドの存在が無ければ安全は保てないし、快適なガイドは成立しない。
 
初日は高瀬ダムから晴嵐荘へ。
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最後は吊橋を渡って、到着。(写真は検見崎ガイドのバックショット)
 
湯俣へは、冬季とGWに硫黄尾根と末端からの北鎌尾根を登りに来て以来20数年ぶりで、全く様子が変わっていた。
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こんな看板も覚えがない。
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水量チェックを兼ねて湯噴丘へ。
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還暦を迎えるにあたり、髪を切りすぎて微妙な頭になってしまった。
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晴嵐荘の夕食も湯噴丘カレーでビックリ(笑)
美味しくて、珍しくお代わりしてしまった。
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翌朝はいよいよ伊藤新道へ。
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渡渉、ヘツリの繰り返しだが水量と水勢を判断しながら行動は変わる。
沢は生き物なので、その日その時の相手次第だ。
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核心部のひとつ「ガンダム岩」
親交あった佐藤英明氏が昨年遭難した場所に手を合わせることも今回の目的のひとつ。
偶然、線香を手向けていた方に詳しい事故状況を教えてもらった。
 
私もなんの予備知識も持たなければ、同じラインを辿ったかもしれない。
 
今回は簡単に下から回り込む事ができたが、初見で水の流れが止まるポイントを見出すのは相当困難だと思う。
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水は冷たいけど…。
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半ズボンの変態ガイドと遭遇したが、暑いと話していた(笑)
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伊藤新道の絶景に、とにかく全員が楽しそう!
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引き返す勇気のペイントは薄くなっていた。
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快晴が約束された一日はのんびりと進むのが贅沢。
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だんだん、上流に近づくと景色も変わる。
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全員集合!
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熱水変質で赤茶けた花崗岩が綺麗。
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検見崎ガイドお勧めの絶景スポットに寄ってから、いよいよ伊藤新道の尾根筋に入る。
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槍ヶ岳がこれほどまでに美しいポイントはあるだろうか。
剱岳こそ唯一無二のKINGだと思っていたが、槍ヶ岳の存在感は別格だ。
硫黄尾根は二度と行かないが、北鎌尾根はまたガイドしたいかも。(引退宣言したけど)
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あー!
終わってしまった!
寂しい!
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三俣山荘営業最終日パーティに混ぜてもらった。
奥様、ベッピンさんでした。
 
さて、下山日はブナ立尾根へのロングルート。
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山頂など興味もなく、ひたすら疲れないようにペースを保って歩き続ける。
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しかし、この日は朝焼けが凄かった。
思わず撮影タイムを作ってしまった(笑)
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水晶岳の山肌が輝く!
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多くの人は富士山を探すが、私は剱岳を探してしまう性。
この写真から剱岳を見つけられる人は通だね。
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雷鳥も挨拶に来てくれた!

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野口五郎を過ぎて、烏帽子小屋へ。
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ランチは、三俣山荘の娘さん(小学校四年生)が作ってくれた手作りドラ焼き。
凄く美味しくて元気が出た!
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随分昔の冬、ここの避難小屋に泊まったことがある。
吹雪の中、入り口を掘り出したら扉が閉まらなくなり一晩中苦労した。
翌日、ルートロストして沢の中で何晩かビバークして、ようやく高瀬ダム付近のトンネル上から空中懸垂で道路に降りて全員生還。
あの時のメンバー4名のうち、まだ生きているのは私だけ。
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そんなことを思い返しながら、高瀬ダムへ下降。
無雪期のブナ立尾根は初めてだが、良く整備されている。
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対岸には唐沢岳。
幕岩に通った時期が懐かしい。
登れなかった心残りのルートもあり。
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ヤマレコを見たら38.4km。
みんな良く歩いたな!

夢と浪漫 伊藤新道 - 2022年10月14日 [登山・山行記録] - ヤマレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4787992.html

北アルプスの「ラストフロンティア」伊藤新道は、渓谷美、槍ヶ岳の絶景、静粛な原生林から成り立つ冒険性の高いルートとして魅力に溢れていた。
 
この地に精通したガイドと、良いタイミングで訪れたなら、この北アルプス最後の秘境ルートを良き想い出とすることができるだろう。

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