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ジャンダルム エクスプレス [マイライフ]

9月最後を飾るガイドは一泊二日でジャンダルムへ。
降雪予報もあり、中止も考えたが蓋を開けてみれば高気圧にバッチリ覆われて文句なしの快晴。
 
西穂〜奥穂は二泊三日の行程になるのだが、岳沢小屋泊で天狗沢往復とした。
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上高地から、ゆっくり昼出発できる。
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そして、岳沢小屋の展望デッキで素晴らしい景色を眺めながら、乾杯!
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針山地獄Tシャツを敢えて穂高で…。
 
朝四時半に岳沢小屋を出発。
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岩の墓場のような天狗沢上部。
ここの登り降りは危険ではあるが、池ノ谷ガリーよりはマシという気がする。
 
三人のお客様は不安なく、安心してガイドができた。
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天狗ノコルを超えてからは、ハイウェイのような岩場。
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ジャンダルムがついに指呼の距離に。
それにしても、これ以上ない快晴!
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ついに天使に逢うことができて、皆さん大喜び!
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そして、帰路も核心部は天狗沢の下降。
岳沢小屋を経て、上高地へ下山。
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登り降りしたジャンダルムは遥かに遠く、良く頑張った一日を振り返る。
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河童橋に無事到着。
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ご褒美のソフトクリームが美味い。
 
好天に恵まれ、明るいジャンダルムを満喫できた。
やっぱり、登山って素晴らしいですね!

山小屋敗退 [剱立山]

雨予報の室堂へ上がったら、雲海の上で晴れていた。
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スローペースだが、紅葉も進化している。
剱沢野営管理所を閉めて下山するスタッフ達、小屋を閉めて下山するスタッフ達とすれ違うたび「お疲れ様」と声を掛け合い、剱立山がそろそろ閉山に近いことを知る。
 
私はもう少し頑張らねば!
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涼しい秋風が吹く雷鳥坂は心地良い。
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ザンバランの新製品サラテ13GT RRを履いてみた。
軽くて、ヴィブラムMEGAGRIPソールが剱岳の岩場と相性が良い。

あくまで個人の感想です(笑)
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秋が深まる剱岳は喧騒もなく静粛だが、剣山荘は宿泊者が多くて賑やかだった。
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てるてる坊主の願い叶わず、翌朝は土砂降り。
冷たい風が強くて、剱岳へガイドすることはできなかった。
 
近年なかった、剱岳での山小屋敗退。

室堂へ帰るまでの登山道で「山の歩き方」を講習しながら。
今は枝葉の目新しい技術ばかりが持て囃されるが、正しく疲れない歩き方こそが登山の幹であると思う。
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来シーズンリベンジすべく、2023年剱岳ガイドのご予約もいただいた。
 
登れなかった時は虚しく疲労が蓄積することが多いが、こういう出来事は何より嬉しい。
 
来シーズンは、必ずおふたりと一緒に剱岳に登りたいと思う。
 
そして、今シーズンもあと僅か。

秋分の日 [剱立山]

秋分の日三連休はまたしても北方稜線の予定。
天気予報は最終日のみ晴れる予報で前の二日間は絶望的だったが、雷鳥荘集合で現場判断。
 
初日に雨でも仙人池まで頑張るつもりだったが、風雨に負けて雷鳥荘沈殿。
 
最終日に北方稜線を辿って、一気に下山は体力的に難しく、予定をガラリと変更。
 
2日目は朝8時過ぎに雨も上がり、一気に好天となり、剱岳ビューを楽しみながら奧大日岳ピストン。
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紅葉も少しずつ、進んでいる。
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登山道は泥濘だが景色は最高。
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雲海から浮かび上がる剱岳はまさに孤高の王者。
他に比べるものがない存在感。
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剣山荘に入って、牛丼ランチ。
これは、中華丼と並ぶ名作。
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シャワー浴びて、生ビール。
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最終日は渋滞が予測されたので、3時半に出発して、朝日を浴びながら快適な登高を楽しむ。
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登る朝日と祠。
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立山曼荼羅では針山地獄とされた剱岳。
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こんな素晴らしい秋の朝、剱岳最高点に立たせていただいた。
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まだまだ、剱岳のシーズンは終わらない。
 
この日が今季最高の剱岳登山日和のはずだったが…。
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剱御前小舎でヨコバイの滑落事故一報を聞いた。
富山県消防防災ヘリコプター「とやま」がすぐに到着。
(上の写真、八ツ峰付近に見えるヘリコプター)
 
その後、死亡事故になった事を知り、同日その場を通過した者として、なんとも言えない気持ちになった。
山岳遭難事故を減らすことは単純ではなく、この日もいろいろと考えさせられる出来事があり、つくづく山は恐ろしいと思わされた。
一層、気を引き締めて剱岳をガイドしたいと思う。

台風一過ならず [剱立山]

台風14号の影響で、剱岳ガイドのスケジュールを一日後ろにずらしたら、好天に恵まれるかと思ったら甘かった。
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初日は午前中、朝から雨だったが室堂に上がる頃には青空が広がり、剱御前小舎からは見事な剱岳ビュー。
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それにしても寒い。
一気に紅葉も進みそうだ。
こんな日はカップヌードルも美味い。
 
翌朝は晴れるかと思いきや、生暖かい風が富山湾から吹き付ける。
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昨日より暖かく湿気も感じる。
時間の問題で雨が降りだすだろう。
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鹿島槍ヶ岳からの日の出。
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タテバイ一番乗り。
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山頂も一番乗り。
しかし、霧雨強風視界なしは残念。
ヨコバイ降りる時には、かなり岩も濡れて、雷鳥坂を降りる時には雨具を着ることに。
予想より、雨は早かった。
 
高齢で体力に自信がないからプライベートガイドをとの依頼だったが、いやいや、素晴らしいスピードでした。
午前中に室堂帰着。
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たぶん、今シーズンラストのカキ氷。
剱立山はすっかり寒くなって、紅葉シーズンの始まり。
そろそろ、初雪の心配も。
 
それにしても、またまた台風15号には頭が痛い。
 
寒暖差アレルギーにも気をつけよう!
そして、今は雷鳥荘で土砂降り(涙)

天空の楽園 [沢]

台風14号が近づく中、薬師沢小屋へ。
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北アルプスのど真ん中。
雲の波が激しく、嵐の前の静けさを感じる。
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まずはビールで乾杯!
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某社の岡ガイドも参戦。
ルアーでイワナを釣る。
ガイド予定は赤木沢。
天気予報は晴れだが、18日昼から雨になるだろうと予想していた。
 
少しでも早く下山しなければならないと考え、北ノ俣岳へ突き上げる薬師沢左俣へ変更することにした。
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大和景子画伯曰く「赤木沢より好きな沢」とも聞いていた。
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ほとんどの滝が登れる。
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美しい造形美に癒されて、皆笑顔が溢れる時間。
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たっぷり歩いて、いよいよ赤木平へ詰める。
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まさに天空の楽園。
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終了点は北ノ俣岳。
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太郎平小屋が見えて来た。
予想より、好天に恵まれ風も大したことなく、取り越し苦労だったかなと思いきや。
三角点近くで、やはり雨が降り出した。
バケツをひっくり返したような豪快な雨。
折立への登山道は濁流となり、全身がずぶ濡れ。
やはり、ギリギリセーフだった。
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締めはみんな大好き「えび寿司」へ。
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二日間の短縮行程になったけど、楽しい時間を過ごせて、参加の皆様に感謝します!

秋晴れ剱岳 [剱立山]

晴れなかった夏の分まで、晴れの周期がやってきた。
8月より夏のように感じる9月だ。
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「剱岳がホームマウンテン」香川ガイドと剱御前小舎でバッタリ。
しばし、この夏の反省会。
それにしても気温が高い。
この時期、海水温が高くなると台風も発生しやすくなるので良いことばかりではない。
 
台風11号でガイド中止になったり、北方稜線に行ってたりで、剣山荘に泊まるのは一週間ぶり。
「本郷さん、お久しぶりで〜す」と女性スタッフのみんなに言われて、そんなに久しぶりだったかな?と…(笑)
 
剣山荘のスタッフは毎年、明るくて元気をくれる人達ばかりだ。
女性スタッフは可愛い子ばかりだし。
きっとオーナーの目利きが良いのだろう。
 
さて、翌日は御約束の晴れ。
暗いうちに剣山荘を出発し、前剱の高さまで来ると鹿島槍ヶ岳が対等に見えてくる。
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鹿島槍ヶ岳が一瞬、真っ赤に燃えた。
秋はこういう景色が良く見られる。
これを見せたいのだ!
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昨年も同じ時期に同じ場所から似たような写真を撮っていた。
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前にいるお客様は、既に私と一緒に20数回剱岳に登っていて、そのほとんどがバリエーションルートから。
70歳をゆうに超えたが、毎月最低一度はハードな山をやっているので、元気そのもの。
何度か登った源次郎尾根を見ながら、日の出を眺める。
 
後ろのお客様は、初めてご一緒させていただく方。
良い形で、夢を叶えて挙げたいと思う。
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ケルンはまた形が変わった(笑)
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乾いた無人のタテバイを登る。
こういう場所は人のリスクが怖いから。
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今回も夢を叶えるお手伝いができたかな。
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文蔵尾根に映る我々の影。
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この日の別山尾根は、平日なのにガイドグループと6パーティもすれ違った。
 
ガイドが増えることは、良い面も悪い面もある。
遠く離れた場所から見ても、ガイドだなとわかる人が減った気がする。
威圧感がなくて良い面もあるのかもしれないが…。
ロープを手にしていても、様々な違和感を覚えるのだ。
 
自戒の意味でも、私はこの風格ある山に相応しいガイドになれるよう日々精進したいと思う。
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剱人Tシャツを買いたいというお客様が多いので、今回も寄らせていただいた。
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剱沢野営管理所では、布団干しが気持ち良さそう。
 
晴れが続く剱岳。
例年9月初旬には山頂で雪がパラパラ降ることが多く、早い年なら8月下旬に降ったこともある。
今年の秋は気温が高すぎて不気味だ。
台風の直撃は、ほどほどにして欲しいものだ。

剱岳北方稜線 [剱立山]

剱岳北方稜線は、数々の針峰を眺めながら、穏やかな裏剱へ向かう長大なルートだ。
 
体力はもちろん、登山総合力を問われる「雪と岩の殿堂」の意味を知るロングルート。
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このルートの経験者同行が必須で、視界が悪い日は入山を避けたい。(これは晴れた日の山頂からの北方稜線と後立山)

今回は、敢えて馬場島からの入山。
標高差2240mの早月尾根からのアプローチで剱岳のデカさを感じて欲しかった。
残念ながら、台風一過とはならずまたも雨具を着て入山。
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サウナ状態で、下着まで全身ずぶ濡れになって早月小屋へ。
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このような状況では、まさに山小屋はオアシスそのもの。
 
濡れたウェアを全て乾かし、夕食までビール飲みながら団欒を楽しむ。
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富山で有名な山大好きドクターも同宿。
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美味しい夕食をいただいて、スタッフの皆様と楽しい一夜を過ごさせていただいた。
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夕刻には少し焼けたが、雨は断続的に続いた。
天気予報は快晴のようだが、そうはならないかもしれない。
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翌朝は月明かりの中、出発。
富山の灯りをバックにひたすら登る。
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周りが明るくなっても、剱岳山頂には笠が掛かったまま。
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山頂には物凄く多くの登山者がいて驚いた。
看板を掲げて記念撮影する列が並んでいたので、入れ替わりのタイミングで、祠を素早く撮影したら、「この後に並んでから撮影してください」と怒られた(笑)
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早くこの喧騒から離れたくて四等三角点で記念撮影してから、早々に山頂を後にした。
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北方稜線を進んだら、静けさは戻って山に集中できると思ったら、後ろからゲラゲラ笑いながら、ワーワーキャーキャーとグループが追って来た。
北方稜線を見学に来たんだろうと思ったら、来るらしい。
 
視界悪いので、すぐに諦めて戻るだろうと考えてたら、山頂にいたクライアント四人を連れたガイドらしきパーティだった。
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長次郎ノ頭で一気に引き離したが、遠くからワーワーキャーキャーは続いた。
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北方稜線を楽しみにして来られたお客様にも申し訳なく、集中力を切らさぬよう注意した。
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池ノ谷乗越へ下降する頃には声も遥か遠くなり周囲は落ち着きを取り戻した。
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池ノ谷ガリーの下降は、長雨の影響か、いつも以上に悪かった。
視界悪い中、間隔を空けて慎重に降りた。(実際は写真以上に視界は悪かった)
幸い騒いでいるパーティはかなり引き離すことができた。
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一瞬、小窓王と発射台を確認。
ジャンダルムからは、道も安定した。
何も見えない三ノ窓で、再びロープを結び、発射台を登った。
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小窓王基部から振り返ったら、後続パーティが別な騒ぎ方をして五人固まっている様子がガスの隙間から見えた。
事故を起こしただろうことは容易に想像できた。
一応、ガイドが付いているので、我々は先へ向かう。
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いつも最後まで残る雪渓箇所は、切れたばかりのようで、容易に通過できた。
あとはのどかな牧歌的な道を辿り、小窓ノコルへ。
 
富山県警ヘリ「つるぎ」が先程の事故者をピックアップしているようだ。
詳細は後で聞いたが…。
別山尾根でバカ騒ぎしている登山者は良く見るが、この北方稜線では初めて見た。
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小窓雪渓は氷河だ。大正から昭和初期に採掘されたモリブデン鉱山跡も存在する。
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ピッケル、アイゼンを使って、踏み抜きに注意しながら氷河を降りて、鉱山道へ上がる。
 
幾多の死亡事故が発生したポイントをロープを付けて慎重に登る。
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昼過ぎに池ノ平小屋に着いたら、スタッフの皆様が外で楽しそうにランチを食べていた。
新しい小屋番さんは、初めて会話したが良い人そうだった。
今度、泊まってみよう。
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仙人池ヒュッテに到着。
ビール片手に裏剱を楽しむ。
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そして、桧風呂に入って疲れを癒す。
この夜は中秋の名月。
八ツ峰に浮かぶ月明かりを部屋から楽しむことができた。
 
いつもは、阿曽原温泉を経て欅平へ降りるのだが、諸事情により翌日は室堂へ登り返す。
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黒部ダム下山も考えていたが、橋が土台から流され、この雪渓も渡れない。
 
真砂沢ロッジで坂本心平さんから、温かいお茶をいただいた。
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剱沢雪渓はそろそろ注意が必要だ。
長い登り返しを経て、ようやく都会へ帰って来た。

正午に室堂へ到着して、馬場島荘へクルマを回収に向かう。
営業時間はとっくに過ぎているのに、池田さんが蕎麦を食べさせてくれた。
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馬場島荘はまさに「剱岳の登山基地」
 
あっと言う間の三日間。
ご一緒させていただいたお客様二人に感謝。
 
北方稜線のガイドは何回経験しても、お客様にとっても、私にとっても大切な人生の宝物として想い出が強く残る。
登山総合力を鍛えてチャレンジすべきこのルート、剱岳の奥深さを多くの登山者に感じて欲しい。

台風前の秋晴れ [剱立山]

9月に入ると、台風や秋雨前線の影響を考慮しながらのガイドが続く。
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天狗平から眺める剱岳は少し暗い。
台風11号の影響か、空気が生温かい。
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ご縁の深い3名の経営者さん達と初めての剱岳チャレンジへ。
室堂を出発した時には晴れていたが、雷鳥坂を登り出したら、またしても雨が降り出した。
 
剱御前小舎を越えたら、視界も良くなった。
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剣山荘は混雑していたが、シャワー浴びて、生ビールを飲んで昼寝して…のんびりと過ごす。
 
翌朝は濃霧になるかと思ったら、風も弱く比較的クリアで、予定通り4時に出発。
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仲良くお互いを応援しながら快調に進む皆様は微笑ましい。
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前剱ノ門から平蔵ノ頭へ向かう頃には眺望も良くなって来た。
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タテバイも珍しく乾いており、快適にパス。
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この時期は朝6時過ぎ、朝日が平蔵ノ頭稜上に当たって光輝く。
 
私の好きな風景だ。
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そして、タテバイを超えると皆様、リラックスして良い笑顔が溢れる。
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文蔵尾根と影剱。
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富山湾をバックに頂稜に出たら、山頂祠が見えてくる。
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台風前、秋晴れの山頂へ。
 
皆様、気難しい剱岳に大歓迎されたようだ。
富士山、槍ヶ岳北鎌尾根、乗鞍岳、御嶽山と名峰がズラリの大展望。
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剱岳は下降が核心部。
多くの登山者で賑わったこの日、人が少ない時間に行動できたのでストレスフリー。
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久しぶりの雷鳥荘カキ氷。
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そして…反省会という名の大宴会。
大事な話は覚えています(笑)
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最終日の室堂は暑くて、台風前の晴天か。
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室堂ターミナルで無事解散。
登って、飲んで、語り合って、また飲んで…。
 
登山経験があまりない三人だが、この登山を通じて何かを得たいという気持がビンビン伝わってきて、やりがいのある仕事だった。
これを機会に、さまざまな経験を積んで登山を楽しんで欲しいと思う。
また、来シーズン違うルートから剱岳にチャレンジしていただき、剱岳の素晴らしさを実感してください!

野分 [剱立山]

夏を感じることなく、8月は終わりとなってしまった。
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雨と風に悩まされる日々。
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イワツメクサもビショ濡れ。
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抗原検査で陰性を確認してから剣山荘へ。
室堂集合は11時30分だったのに、せっかちなお客様方は8時30分に来られた(笑)
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2人共、健脚なので早く着きすぎないよう、ゆっくり休憩しながら歩く。
暴風雨なので、剱御前小舎で休もうと思ったら、休憩室はガイドだらけなのでスルー。
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剣山荘に着いて、シャワー浴びてから絶品中華丼と生ビール。
そして、昼寝(笑)
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夕食は初めてのハンバーグ&えびフライ。
メニューが3種類なのに、なかなか当たらなかった( ;  ; )
いつもメンチカツ…トンカツは2回、ハンバーグは初めて!
 
翌朝の天気予報は晴マークだったが、予想通りの雨。
スマホの天気予報を鵜呑みにしてスケジュールを立てる登山者が多いが、参考程度にして自分で良く考えよう。
現場で山の空気を感じれば、晴れるはずもなく、シャワーが降ったり止んだりの一日になることは容易に想像できるはず。
そして、そのコンディションで登り降りできるかは、あなた次第。
「私でも登れますか?」
「私はあなたを知らないのでわかりません」
 
少し、雨が弱まるのを待ってから出発!
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休暇の剣山荘スタッフも一緒に出発!
南西風が激しく、生暖かい空気感が伝わってくる。
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前剱で夜明けを迎えた。
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源次郎尾根に浮かぶ朝日。
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屈強な二人なら雨が降ろうが槍が降ろうが大丈夫。
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誰もいないビショ濡れのタテバイ。
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強風シャワー浴びても問題なし。
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今日も一番乗り!
今年、まだ11回目の山頂。
あと、10回のガイド予定だがどうなるやら…。
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四等三角点にもご挨拶。
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早朝から暴風の中、T航空ヘリコプターが気合の荷上げで行ったり来たりしている。
これで、山小屋もひと段落だろう。
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そして、あっと言う間に雷鳥荘へ。
温泉&ピザ&生ビールで、また昼寝。

8月が終わり、秋も本番となる。
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9月1日はやはり土砂降りの雨。
広島まで安全運転でお願いいたします!

これから台風11号の動きに注視しなければ…。