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スキーシーズン終幕 [大好きなスキー]

2022-23スキーシーズンもそろそろ終わりが見えてきた。
 
室堂ターミナルで入山指導業務を行っていると、シーズンアウトするスキーガイド達が挨拶に寄ってくれて、雪の季節の終わりを感じる。
 
自分自身も、一度は立山でのスキーガイドは終了宣言したが、有難いことにプライベートでの御依頼を受けて室堂へ上がる機会を得た。
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この春、コロナ縛りから解き放たれた人々が一気に室堂ターミナルに押し寄せて喧騒が戻ってきた。
 
この日も外国人ツアーで乗り物は混雑していたが、登山者や滑り手はほとんど乗車していなかった。
 
室堂から一ノ越方面へハイクしても、ほぼ無人状態で寂しい限り。
 
天気予報は晴れるはずだったので、様々滑る斜面を頭に描いていたのだが、冷たい雨が降り視界も悪くなったので、稜線に上がるのは辞めた。
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視界がある斜面を滑る。
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雷鳥も挨拶しに来てくれた。

時間経過と共にどんどん視界が悪くなり、雨も本降りになってきたので、標高を落として国見岳から天狗平へ向かう。
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気温が下がり、全身ずぶ濡れで天狗平山荘へ。
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暖かいラーメンが有り難かった。
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天狗平山荘のドリップコーヒーも美味しい。
ここでは、豆というと生ビール小が出てくるので要注意(笑)

さて、翌日は所変わって晴れて暖かい乗鞍岳へ。
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この日から春バスは大雪渓まで運んでくれることになった。
我々が乗った始発便は4台130名乗車。
立山ケーブルの乗車定員が120名なので、ほぼ同数が移動したのだな。
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はやる気持ちを抑えきれず、我先にと急ぐ皆様。
  
ここでは、グループが横一列でハイクするのが流行りらしい(笑)
我々世代は、Gメン75を思い出す!
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慌てずゆっくり歩いても剣ヶ峰はすぐに到着。
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権現池のドラゴンアイ!
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そして、高い山からのドロップは最高に気持ちいい。
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ズブズブではない硬めのザラメ。
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いつまで滑るのかは人それぞれだけど、とりあえずシーズンが終幕が近くなっているのは間違いない。
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誰も怪我なく終われたことが嬉しい。
 
雪が少ないと言われ続けたが、質には恵まれたシーズンではなかったか。
縦溝に苦労することはほぼなかったし、とにかくどのエリアに行っても面が綺麗だった。
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11月19日の立山から始まった今シーズンのスキーガイド。

あまり数や時間を競うのは趣味ではないが、偶々数えてみたら79日滑ることができた。
雪山登山やアイスクライミングも含めたら、一年間のうち三分の一は雪のフィールドに立っていることになるのだろう。
 
雪に感謝!
一緒に登り、滑り、語り、飲んで、食べて、全ての皆さまに感謝!
 
来シーズンも秋立山からのスタートになるだろうが、あと5ヶ月の我慢だ。
 
我慢できない方は御連絡お待ちしております!

上高地の裏山へ [ハイグレードハイキング]

この日はとても寒い朝だった。
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上高地の河童橋からは穂高連峰が目に付くのだが…。
誰も注目しない、右後にはひっそりと目立つ岩山が存在する。
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この六百山は登山道がない岩と薮のバリエーションで、以前は何度もガイドで残雪期に登っていた。
 
自分の中ではこの山の存在はすっかり忘れていたのだが、この山に登ってみたいというお客様のリクエストで、おそらく15年ぶりに登ることになった。
入山口も変わっていて、ルートも随分変わった印象を受けた。 
 
入山者が増えたのだろうか。
 
ピンクテープもあり、踏み跡もあるが、それなりに残雪と薮と脆い岩に慣れた登山者が対象とする山だろう。
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薮を掻き分けて、ガレ場を登ると背中には岳沢から広がる穂高連峰を望むことができる。
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急峻な雪渓を処理して、ガレ場や草付きを登る。
頂稜に取り付くと傾斜は一気に増して、転滑落は許されない。
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脆い岩場は緊張感を持って登りたい。写真はダメな例(笑)
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朝は寒かったので、岩からはツララ。
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ホールドにしたい岩は氷が張り付いて、難度は上がる。
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この辺りの岩が凍っていて、核心だった。
立木でビレイして引き上げる。
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山頂まで指呼の距離。
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霞沢岳が同程度に並ぶと。
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360度の展望が見渡せる六百山ピーク。
 
お客様はいつもと違う角度から見る穂高連峰、笠ヶ岳、焼岳、乗鞍岳…に大喜び!
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岳沢小屋が下に見えている。
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そして、こういう山は下降が危険であることは常なので慎重に事を進める。
 
沢に降りても、不安定な足場は続き、疲労は蓄積する。

ようやく、河童橋に降りたら、一気に別世界へ戻る。

「楽しかった」「また、登ってみたい」という声に、この山を春の定番メニューに再び加えるのも悪くないと思った。

久しぶりの六百山。

40歳代の体力、気力、技術が充実していた時には解らなかったこの山の魅力が、今の自分にはとても刺激になったガイド山行だった。

脆い岩、変化が激しい雪渓、びしょ濡れの草付き、凍り付いた岩…この先に何が待っているのだろう。
次々に現れる困難が楽しみで、クリアするたびに今日の山行が益々充実するのだ。 

晴れて暖かくコンディションが良い日ならば、また違う印象を持つのだろうが、山は登ってはならない日もあり、日々状況変化があるから、そこが魅力なのだろう。

剱岳残雪行 [剱立山]

5月も半ばを過ぎると街は初夏を思わせる陽気だが、剱立山はまだまだ豊富な雪を楽しむことができる。
 
剱御前小舎を3時30分に出発すると、雪は硬いし、風は冷たく、過ぎ去し冬を思い出させてくれる。
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三田平まで降りて来ると、夜明け前の剱岳が輪郭を現す。
 
剱沢雪渓は果てしなく長くて、平蔵谷出合まで降りると、踏む雪が緩みだす。
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今シーズン春は標高2200mを下回ると残雪量は極端に少なくなり、それより上は昨年並という感じがする。
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長次郎谷出合は例年の6月中旬という雰囲気だが、登るにつれて豊富な残雪量を感じた。
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熊ノ岩は左側のゴルジュから充分通過できる。
源次郎尾根側へも多数のトレースがあり、最近はこちらの方が早く山頂に立てるので人気がある。
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ⅤⅥノコルからは滑走トレースもあった。
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長次郎ノコルへ向かう左俣はクレバスもなく、クラックひとつないハイウェイのような素晴らしいコンディションだった。

しかし、雪の状態は時間単位で変化するもの。
通過する時間帯をどう選択するかで難易度は全く変わる。
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長次郎ノコルからは安定した雪壁を越える。
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部分的に出てくる岩場は浮いている岩に注意しながら丁寧に登る。
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頂稜に乗れば素晴らしい風景が広がる。
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山頂は二週間前に比べると随分雪は減ったがまだまだ白い。
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平蔵谷には安定したトレースがあり快適に降りることができた。
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しかし、源次郎Ⅰ峰中谷ルートのトラバースポイントの上に引っ掛かっている巨大なブロックがいつ落ちるかヒヤヒヤものだ。
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まさに「岩と雪の殿堂」

剱澤小屋上から今日周回したトレースを眺めながら、昼くらいに剱御前小舎へ戻る。
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雷鳥荘前で世界の佐々木大輔氏と。
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雷鳥荘の温泉一番乗りで汗を流す。
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雷鳥が活発になる季節。
 
夏の喧騒が始まる前の静かな剱岳を楽しみたい方は、これからの時期は狙い目だ。
残雪に埋め尽くされた谷を繋いでの剱岳登山はリスク管理が必要だが、終えた後の充実感もまた格別だ。

そして、今シーズンの剱沢上部は雪面が綺麗で、残雪量が豊富。
板を仕舞うにはあまりにも惜し過ぎる。
 
近年の梅雨は天候に恵まれることが多く、まだまだ雪を楽しみたいものだ!

支度 [Guide]

真夏日の岐阜へ行って来た。
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芥見権現山

剱岳を目指す東海地区の方々への事前講習。
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アプローチシューズで登れる範囲のグレードを拾いながら、山頂まで繋ぐ。
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なにしろ、岐阜は暑いので、水分補給と休憩を取りながら。
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この標高なので、雪山に慣れた身にはシンドイ。
 
剱岳をガイドするに当たり、室堂で「はじめまして」は避けたいところ。
予め剱岳の事を知り、必要な備えを整えて登って欲しい山だと私は思っている。
 
昨年だけでも、剱岳ガイド中にお客様のシューズ崩壊が3件あった。
応急処置できないレベルだと帰るしかない。
場所によっては、レスキュー案件でもある。
なぜ、剱岳でシューズが壊れるのかも説明しておきたい。
  
初めてお会いする方から剱岳のガイドを予約された際には、事前講習の受講を勧めるようにしている。
 
◯◯社の鎖場講習を受けました
◯◯ガイドの講習を受けました

等、言われることが多いが、鎖場でカラビナの掛け替えなど必要としない。
もっと大切な備えを目の前で説明したいのだ。
 
このような事前講習を受けなくても、剱岳の一般登山道は、それなりの経験と体力があれば登れるのかもしれない。
 
YouTubeを見て、それを準備として満足する方々もいる。

それはそれで個人の考えは否定するつもりもないし、ほとんどの登山者はそうしているのだろう。
旅行社の団体ツアーに参加するのも良いだろう。
来る者拒まず的なガイドに依頼するのも一つ。
選択肢は多種多様だ。

しかし、私は事前に必要装備、岩場での行動、岩場での歩き方、基本的なクライミング技術、鎖の使い方などは説明しておきたいと思う。
岩場に慣れていない方は、岩場にいるだけで緊張とストレスで疲れてしまうのだ。

昔、とある登山ガイドさんからの紹介で、百名山最後が剱岳という方をガイドしたことがある。
体力、技術、経験、文句なしと聞いていたが、実際には岩場での基本が未熟で、疲れ果てバテてしまった。
どうしても百名山を達成したいとの想いは聞いていたので、ザックを2個背負って、ロープで引っ張って、なんとか山頂に着いた。
「百名山達成」の横断幕を持っていたので写真を撮って「おめでとうございます」と声を掛けた。
下山は更に大変で、膝に力が入らず、ロープにぶら下がって降り、肩を抱えて歩いた。
山小屋に戻り落ち着いてから、「百名山は達成したかもしれないけど、私は貴方が剱岳を登ったとは認めたくありません。必ず、もう一度自分の足で剱岳を登り直してください」と伝えた。
 
予め、剱岳を登るにあたっての必要な準備を伝えておけば、彼女に辛い思いをさせずに済んだし、笑顔で余裕持って剱岳を登り、百名山を達成できたのに!
百名山達成を辛い想い出になってしまったことが残念だった。
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今シーズンも剱岳に登って良い想い出を持って帰れるよう、最大限のお手伝いをしたいと思う。

スキーさいがねが♪ [大好きなスキー]

毎年の恒例となったGW終了後の北上!
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鳥海山でのスキーは毎春というか初夏、剱立山の仕事が一段落したタイミングの楽しみだ!
まずは新潟へ移動して角田山へ。
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花と展望の灯台コース。
佐渡ヶ島を観ながら登れる。
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まだまだ元気な長老とお喋りしながら登る山も楽しいものだ。
剱立山で雪の上ばかり、滑り歩いているので、土の上は新鮮だ。
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新潟に来たらイタリアン食べねばー
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スキーチーム集合で新潟ビールで乾杯!
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そして一路、月山へ。
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まずは山頂へ。
 
いつも、トレランシューズ持って来るべきと後悔するが、またすぐ忘れる(笑)
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いつものヤラセ写真(笑)
 
雪が少ないと聞いていたが、例年通りだと感じた。
むしろ、縦溝がなく、面が綺麗で滑りやすい。
立山もそうだが、今春はどこも縦溝がなく綺麗で気持ち良く滑れる。
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一年ぶり、酒田の久村酒場へ。
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蔵王の怖い方も合流。
 
私がとっても優しく見えますね!
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そして鳥海山の二日間は、残念ながら天候に恵まれず…
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祓川から出発した瞬間に雨は強くなり中止すべきかと考えていたら、一旦止み間があったので頑張ってハイク。
 
しかし、避難小屋付近で風雨が強くなり、だんだんテンション下がる。
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視界も悪く、気温も下がってきたので、9合目下から滑ることにした。
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しかし、予想以上に雨が載ったザラメが気持ちいい。 
下へ降りたら小雨なので、もう一度ハイクアップして別な斜面を滑る。
山頂に行けなかったけど、満足していただけたようだ。 
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花立牧場のソフトクリームは寒くても美味い。
 
ババヘラは2人いたが、寒さでパスしてしまった(涙)
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鳥海温泉に泊まって、夕陽を眺めながら夕食。
更にどんどん料理が出てきて満腹。
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翌日は鉾立からシートラスタート。
 
白糸の滝を見せたかった。
ここは厳冬期は凍って初登されているのだが、115mもあり辛そう!
第二登されてるのかな?
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しばらくしたら土砂降りの雨。
 
急いで南へトラバース。
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薮漕いで、記憶を辿りながら繋がっている場所を探す。
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土砂降りなので、最高に気持ち良く滑れる。
 
二日間とも山頂には立てなかったけど、走るザラメを楽しめたことで鳥海山まで来た甲斐は充分あったと思う。
 
ババヘラも食べず、山頂冷やし中華も叶わなかったから、また来年!
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早く下山したので、念願だった琴平荘へ。
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二時間待ちで食べることができた。
確かに美味いし、並ぶのも納得!
詳細は「山とラーメン」をご覧ください。
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お客様入れ替わりで志津温泉へ。
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再び月山を楽しむ。
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夕食の時間です。
 
他にもどんどん料理が出てきて大満足。
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かほちゃんガイドとして有名なO俣ガイドがテールをやってくれて楽チン。
 
O俣ガイドがまだ未成年の頃から付き合っているが、こんな立派な男になるとは感慨深い。
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雪質重視で登っては滑りを繰り返す。
縦溝も無く面が綺麗なザラメが気持ちいい!
いつも、辛くて怖くて泣いてしまうお客様も満点の笑顔。
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平日で人も少ないので自由に斜面選択できて贅沢に楽しめた。
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この看板はこんなに高いんだなー
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今年の2月に来た時はこんなだったのだ!
 
月山・湯殿山はやはり真の豪雪地帯だわ。
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〆は山形名物ひっぱりうどん!
 
鳥海山は天候に恵まれなかったが、やっぱり催行して良かった。
私はこの時期の鳥海山を楽しむためにスキーをやっていると言っても過言ではない。
日本海から山頂まで約15kmしかない鳥海山。
剱岳は日本海から約40kmなので、大幅に海が近い。
日本海沿に住んでいる私は、日本海が見える山にとても親しみを感じるのだ。
 
また、ババヘラ食べにスキー持って来よう!
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皆様、また来春にご一緒しましょう♪

真砂沢スキーツアー [大好きなスキー]

GWが終わった翌日、アルペンルートも空いていて、スムーズに室堂へ。
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みくりヶ池のドラゴンアイも少しずつ、眼を開けつつある。
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気温が下がり降雪で視界悪い中、雷鳥沢を上がり剱御前小舎へ。
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着いたら剱がお出迎え!
新雪が付いて、更に美男子になった。
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剱御前小舎からは、富山湾に落ちる夕陽と輝く田圃が素晴らしい。
   
19時就寝。
 
翌朝は4時30分くらいから後立山が紅くなる。
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雪が硬いのは覚悟して、5時30分に剱沢ドロップ。
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パックとカチカチが混雑するものの厳冬期のような滑走感。
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剱岳を目前に、誰もいない広大な白い世界。
この時期、降雪後の剱沢は日本にいるとは信じられない夢のようなロケーション。
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スキーという羽を持って、どこまでも飛んでいける。
 
剱澤小屋から平蔵谷までは、薄くて走るパウダーで最高だった。
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平蔵谷出合でレスト。
 
5/5にここを登降した時より、降雨降雪の影響か、面が綺麗だった。
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源次郎尾根ルンゼルートからのブロック雪崩は左岸半分を埋めている。(5/5 am10時頃に発生したもの)
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長次郎谷は雪が少なく狭い。
今夏も早めに出合が割れるかもしれない。
 
前日は長次郎谷出合から下はずっと雨だったのだろう。
デブリがガチガチで、スキーにならず。
別山谷を過ぎたら、デブリどころかセラック帯のようになる。
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真砂沢ロッジは、まだまだ雪の中だが、玄関屋根は出ていた。
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目指す黒部別山は三ノ沢下で本流が出ていて、横断してもハシゴ谷乗越まで壮絶な藪漕ぎ確定なので、ここで終了。
 
やはり、低い標高帯は一ヶ月程度、融雪が早いのだろうか。
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真砂沢ロッジからのマイナーピーク。
 
40歳代の頃、この小屋をベースにクライミングガイドをしていた。
 
小屋の屋根に座って、この景色を眺めていたら、懐かしい思い出が数えきれないほど思い起こされる。
あの頃は、ホントに楽しくて仕方なかった。
 
今は坂本心平氏が更に快適な山小屋を維持管理している。
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真砂沢はデブリがあるものの、まだ繋がっている感じ。
 
剱御前小舎への長い登り返し。
日差しが強く、暑くてシンドイ。
標高差1000mを登り切る。
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剱御前小舎でお茶をいただき、スーパーザラメとなった雷鳥沢を快適に飛ばす!
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そして、天国に到着!
3日目は、疲れもあるので近場の綺麗な斜面を滑る。
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素晴らしいコンディションに恵まれた三日間。
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これで、4/15立山オープンからのスキーガイドは全て終了。
 
まずは、無事に終わったことを感謝したい。
 
コンディションに恵まれた方も、恵まれなかった方も、立山を滑る素晴らしさを感じてくれたことと思う。
 
雪を滑れる環境は永遠ではないかもしれない。
チャンスは待っていても誰も与えてはくれない。
滑れるチャンスがあったら貪欲に滑りたいものだ。
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いつも、お迎えありがとうございます^_^

GWメモリアル剱岳 [剱立山]

4月後半は気管支炎が悪化して肺疾患に。

病院で検査して、コロナでもインフルでもなかったが…。

食事も座ってできず、寝たきりになってしまい、息は切れ身体に力が入らず、自分の身体じゃないみたい。

仕事は全てキャンセル。
 
関係各所にご迷惑をお掛けし申し訳なかった。
 
酒も飲めず、ラーメンも食べれず、お陰様ですっかり健康体に戻った。

しかし…。
 
4/29-5/1は待望の剱岳ガイドだったが、4/30だけが暴風雨予報で中止。
 
相談の結果、馬場島荘で2泊して、いろいろ楽しむことにした。

まずは剱を眺めながら、城ヶ平へ。
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ぐるっと一周して。
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花の家も見学。
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大岩山で四十四ヶ所霊場巡り。
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名物の素麺を食べてから馬場島荘へ。
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池田さん特製のTシャツが新発売となり、PR活動開始。
 
そして、4/30は予定通りの大雨で、馬場島荘停滞。
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池田道場の蕎麦打ち教室開始。
 
池田さんはガイド時代から、悪天候の剱澤小屋停滞時も何かしらお客様を楽しませる努力を惜しまない人だったなぁと思い出した。
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蕎麦打ち名人からいろいろ教わり、我々はなかなかできない貴重な体験をしたと思う。
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なかなかハードな作業で、それなりの体力も必要だとわかった。
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自分達で打った蕎麦も美味い。
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夕方には雨も上がり、ブナクラ谷や立山川の増水具合を見に行くが、翌朝も渡渉は厳しそう。

翌日は昼から再び雷雨の可能性が高く、登れる山は限られた。
 
5/1は大熊山へ。

馬場島から少し離れた孤高の展望台からは、360度の眺望が素晴らしい。
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我ながら素晴らしい選択だった。
増水リスクもなく、雪も繋がっていて楽しい雪上ハイク。
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山頂からは剱立山、大日連峰、毛勝三山の眺めが凄い。
 
今まで登った山、登れなかった山、これから登る山を話しながら楽しい時は流れて行く。
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下山して、クルマに乗ったら雨がパラパラ降り出した。
 
高い山では激しい雷雨となったそうな。
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「こんにちワンワン」で三日間お世話になった馬場島荘を後にする。
 
夜は韓国からの友人が富山に来てくれたので、えび寿司へ。
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私がまだクライマーだった頃、韓国へアイスクライミングやインスポンに通う度、自宅に泊まらせてもらい、多々一緒に登った仲。
もう、20数年来の付き合いになる。

そして、5/2は信濃大町へ移動。
針ノ木岳へ登りに来たが、この日に滑落死亡事故があり、いろいろ感じるものがあった。
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このGWは滑落事故が多い。
 
春は雪面変化が激しく、自分の持つスキルで対応できるのか、経験が少ない登山者には判断が難しい。
 
暖かな無風快晴時には、判断も甘くなりがちだし、装備の選択ミスも目立つ。
 
登る時間帯の選択も重要要素だ。

得られる情報が多すぎて、自分の頭で整理できていない人も多いように思う。
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5/3は、快晴の下、針ノ木雪渓からマヤクボ沢へ。
日陰狙いで、雪の状態が良く、順調にマヤクボノコルへ。
 
昨日、事故があったのはスバリ岳との間と聞いている。
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確かに稜線は氷化した部分もあり、滑ったらアウトだ。
 
ロープを繋いで慎重に登った。
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剱立山から眺める針ノ木岳はいつも目立っている。

そして、そこから眺める剱立山も素晴らしい眺めだ。
 
GWの喧騒もほど遠い、静かな北アルプスを楽しむことができた。

5/4は、いよいよ満を持して剱岳へ。
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剱御前小舎へ午前中に上がり、剱岳と再会。

今シーズンはどうなるやら。

ご機嫌を伺いながら、慎重に登りたいと思う。
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富山平野に光る田圃。

水を張った田圃に日本海へ沈む夕陽が当たる春の風物詩。
 
剱御前小舎に泊まる価値はそれだけでも充分だ。

同宿は旧知の国際ガイドと山岳Ⅱガイドばかりで、翌日同じく剱岳をガイドする良き仲間達だ。

5/5は朝4時に出発。
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月夜に浮かぶ剱岳を見るたび、緊張感は増す。
 
何百回登っても、剱岳は緊張と期待を与えてくれる。
 
いつも試されているように感じる特別な岳だ。
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平蔵谷は雪量充分で、安定している。
デブリと堕ちそうなブロックも例年通りだ。
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平蔵ノコルからはヨコバイを上がり、山頂へ。
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早月分岐から祠が見えた。

昨年春よりは雪は少ないが、例年通りだ。
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緊張感から解き放たれたような涙の登頂。
 
おめでとう!
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石坂ガイドから撮ってもらった。
 
剱岳は登ってからの帰路が核心。 

緊張感を切らさぬよう、長いアップダウンを繰り返す。

平蔵谷を降り、剱御前小舎を目指す。

平蔵谷出合から剱沢の登り返しで、後から轟音が聞こえた。
源次郎尾根ルンゼルートからのブロック崩壊でかなり大きな規模だった。
出合付近に誰もいなかったのが、幸運だった。
 
春の深い谷は恐ろしい。
決して気を抜ける場所ではない。
 
そして、この日午後は能登半島地震があった。
雷鳥荘で温泉に入っている時、地震が起きたらしい。
私はシャンプー中で全く気づかなかった(笑)
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5/6 朝、室堂から富山へ下山。
能登半島が良く見えた。
 
地震がこのまま治りますように!
 
5/6-7と悪天候になりそうで、私のGWガイドはこれで終わりだ。
 
ご参加いただいた皆様と素晴らしい時間を過ごすことができて感謝!

ちょっと休んだら、再び春スキーガイドが始まる。
黒部の奥底と東北のジャイアンツが待っている。