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剱岳残雪行 [剱立山]

5月も半ばを過ぎると街は初夏を思わせる陽気だが、剱立山はまだまだ豊富な雪を楽しむことができる。
 
剱御前小舎を3時30分に出発すると、雪は硬いし、風は冷たく、過ぎ去し冬を思い出させてくれる。
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三田平まで降りて来ると、夜明け前の剱岳が輪郭を現す。
 
剱沢雪渓は果てしなく長くて、平蔵谷出合まで降りると、踏む雪が緩みだす。
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今シーズン春は標高2200mを下回ると残雪量は極端に少なくなり、それより上は昨年並という感じがする。
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長次郎谷出合は例年の6月中旬という雰囲気だが、登るにつれて豊富な残雪量を感じた。
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熊ノ岩は左側のゴルジュから充分通過できる。
源次郎尾根側へも多数のトレースがあり、最近はこちらの方が早く山頂に立てるので人気がある。
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ⅤⅥノコルからは滑走トレースもあった。
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長次郎ノコルへ向かう左俣はクレバスもなく、クラックひとつないハイウェイのような素晴らしいコンディションだった。

しかし、雪の状態は時間単位で変化するもの。
通過する時間帯をどう選択するかで難易度は全く変わる。
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長次郎ノコルからは安定した雪壁を越える。
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部分的に出てくる岩場は浮いている岩に注意しながら丁寧に登る。
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頂稜に乗れば素晴らしい風景が広がる。
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山頂は二週間前に比べると随分雪は減ったがまだまだ白い。
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平蔵谷には安定したトレースがあり快適に降りることができた。
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しかし、源次郎Ⅰ峰中谷ルートのトラバースポイントの上に引っ掛かっている巨大なブロックがいつ落ちるかヒヤヒヤものだ。
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まさに「岩と雪の殿堂」

剱澤小屋上から今日周回したトレースを眺めながら、昼くらいに剱御前小舎へ戻る。
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雷鳥荘前で世界の佐々木大輔氏と。
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雷鳥荘の温泉一番乗りで汗を流す。
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雷鳥が活発になる季節。
 
夏の喧騒が始まる前の静かな剱岳を楽しみたい方は、これからの時期は狙い目だ。
残雪に埋め尽くされた谷を繋いでの剱岳登山はリスク管理が必要だが、終えた後の充実感もまた格別だ。

そして、今シーズンの剱沢上部は雪面が綺麗で、残雪量が豊富。
板を仕舞うにはあまりにも惜し過ぎる。
 
近年の梅雨は天候に恵まれることが多く、まだまだ雪を楽しみたいものだ!

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