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灼熱早月尾根 [剱立山]

今年の富山は暑い!
真夏の剱岳早月尾根にチャレンジ。
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標高760m馬場島は暑い!
さぁ、来たる試練に向かって頑張ろうー♪
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今年から新しい看板ができた。
熊に壊されませんように!
 
松尾平までは暑い…暑過ぎる。
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一服杉まで来ると少し涼しさを感じるが、ここからの急登は真夏には修行だ。
 
水分摂取、栄養補給、熱中症対策と注意すべきことは多い。
喉が乾いた、腹が減ったと欲望のままになんでもいいから飲み食いすれば良いのではなく、登山中の身体に負担を掛けない方法を模索して、量と質とタイミングを測らなければならない。

食べなければシャリバテすると講習で教わり、ひたすら必死に食べている方も目にするが、余計に疲れるだけだ。 たくさんの山行を自分で経験する中で、自分の身体に合った摂取方法を模索すべきだ。
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冷えた梨やマスカットは最高に美味かった。
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早月小屋は満室でテントもたくさん。
夏本番になり、登山者も増えて来たようだ。
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有名な奥田ガイドもいた。
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ここには知り合いがたくさん集まり、なんだか楽しい。
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水不足の中でも、美味しい夕食を提供してくれることには感謝しかない。

小屋の水を盗むとか、登山者である前に人として絶対やめて欲しい。
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無念ながら、翌朝は体調崩してしまった一名を残して、山頂へ向かう。
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チングルマはヒゲの時期となる。
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大日連山に写る影剱。
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富山平野に浮かぶ早月尾根。
 
2800崩落箇所は、いつ次の崩落があるかわからない状況。
降雨後は特に最大の注意が必要だ。
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別山尾根に合流したら、朝6時過ぎにも関わらず多くの登山者でいっぱい。
先週まで剱岳に登山者が少ないと心配していたのはなんだったのかと…。
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山頂写真撮影の行列も復活した。
我々も順番待ちして、さっさと3秒で2枚写した!
一生に一度しか来ない人々の気持ちはわからなくもないが、グループでの個人撮影は際限なく時間がかかるので少し考えて欲しい。
 
各個人のスマホで、前向いたり、後向いたり、看板上げたり、齧ったり…もうキリがない(笑)
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まずは剱岳に人が増えて良かったのだろう。
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こちらのお客様は4日前に別山尾根をガイドしたばかり。
今回は早月尾根から登る。
表と裏から剱岳を登り、同じ山でも全く趣が違うことに驚かれていた。
 
剱岳は登るルートにより、季節によりまたは気象条件により全く違う山に変身してしまうのも魅力だし、この山の恐ろしい点でもある。

たった一度、晴れた別山尾根に登っただけで、剱岳を語ることは無知以外の何物でもない。

是非、様々なルートと四季を変えて剱岳に訪れて欲しいものだ。
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いつもの事だけど、早月尾根の下降は長い。
この祠から急峻な地形を標高差2200m以上、一気に降りるのだ。
 
写真を撮る気にもならず、ひたすら一生懸命下降に集中する。
脚が攣り、膝に力が入らなくなる人も多い。
ダメージない山の歩き方を見直し、ペース配分を考えて、臨まなければこの標高差は簡単に下降できるものではない。
 
気温はどんどん上がって、身体中が汗でびしょ濡れに。
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「試練と憧れ」に到着すると何とも言えない充実感がある。
馬場島荘で汗を流して、美味しいスイカを食べながら池田さんと語り合う。
今シーズンの北アルプス北部は過去最多の遭難件数だが、この日の朝も別山尾根平蔵ノコルで事故があった。

事故が多い理由は色々考えられるが、やるべき下調べが本質からズレている方が多いと感じる。
気にする所はそこじゃないでしょうと…。

そして、自分が日々の山で見ている範囲で言えば、近年おしゃべり登山者が実に多くなったと思う。
危険箇所であろうがおしゃべりは止まらず、スマホで撮影しながら…ゲラゲラ笑いながら登り続け緊張感のかけらも感じられない。
 
周りの登山者にも迷惑だし、そんな状態では、山から発せられるサインなど感じ取れるはずも無い。
 
道を間違えるなんて当たり前だし、自分達の上にある落石多発箇所に他の登山者がいても、足元を見ているだけでどのような行動をしたら良いのか考える発想も浮かばない。 そんな緊張感がない登山者が北アルプス北部の急峻な山に臨んだら、結果は当然のように付いてくるであろうと思う。
 
登山に於ける撮影もリスクがある。
写真撮影する時は呼吸を止めるのが常なので、そのまますぐに動き出したら危険だ。

私のガイドでは、行動中は全て私が撮影して、山行終了後に共有している。
写真撮影したいお客様には、撮影ポイントで休憩時間を取っている。
 
行動しながら撮影したい方はガイドをお断りしている。
 
撮影しながら歩いていて、剱岳の稜線から堕ちた登山者を見てから、ずっとそうしている。

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