常念を見よ [北アルプス]
常念岳東尾根は冬季限定のバリエーションルート。
冬季ゲートからの標高差は約2200mで剱岳早月尾根に匹敵する。
以前、12月にプライベートで、また3月にガイドで登ったことはあるが、いつか一番厳しい1月か2月にガイドしてみたかった。
体力、メンタルが充実したお客様2名が参加してくれて、当日を楽しみにしていた。
そして、令和五年の大寒波がやってきた。
厳しくなることは要望通りだ。
常念岳はあまりにも美しい。
久しぶりの重荷。
最近は軟弱に傾いていたので、重荷は身体に応える。
かなりの寒気でテント泊も厳しい。
早朝出発して、樹林間から遥かに遠い常念岳が見える。
先行は単独一名のようだが、風でトレースはほぼリセットされている。
朝日が出れば、少し暖かくなるかと思ったが、指先が痺れるほど寒いまま。
天気予報は外れて、青空に微風。
標高2000mまでは、それほど積雪量は多くなく、これは登頂間違いないと確信していた。
しかし、森林限界が近くなると、急に積雪量が増え、先行単独が降りてきた。
2200m付近までで深過ぎて敗退したとのこと。
登ってみれば、かなり雪は深く、樹林間に積もった雪を踏み抜くとかなり危なかった。
まるで、空中を歩いているようだ。
残念ながら、あまりに危なくて敗退した。
敗退したけど、再び必ずこのメンバーでのリベンジを誓って下山開始。
道をロストしたりして、下山も長い。
登れなかったけど、心は晴れやかだ!
2023-01-30 06:50