ご縁 [アイスクライミング]
平日、快晴の二日間。
赤岳鉱泉へ。
20年のお付き合いになるご夫婦と数年ぶりにアイスキャンディ。
アイスキャンディは設置を始めてから20周年という事で是非ご夫婦を連れて来たかったのだ。
奥様は10数年前だろうか…以前、アイスキャンディカップというコンペがあり、そこで涙の4位入賞を果たしたことがある。
私が身体を悪くしてアイスクライミングから遠ざかることになり、更にコロナ禍もあり、随分と氷に触ることから遠ざかってしまった。
ご主人は御病気からの復帰で、随分と筋力が落ちたが、楽しかったと言ってくれた。
また、新たな目標ができたとも言ってくれた。
久しぶりに四代目とも話ができて良かった。
赤岳鉱泉には先代とアイスキャンディカップの中で談笑する若い頃の私の写真が飾ってあり、懐かしい。
先代には、私が腰椎ヘルニア手術の際に大変お世話になり、ご自身の経験から沢山のアドバイスをいただき、医師も紹介していただいた。
あれほど熱く、親身になってくれる方を他に知らない。
長年お世話になっている赤岳鉱泉とアイスキャンディとのご縁を心から有難いと思う。
今回は輸入代理店A社長だった故人からいただいた一世代前のノミックを持って来た。
研いでくれたのは、先輩ガイドだったあの廣瀬さん。
残念ながら、廣瀬さんも亡くなってしまった。
東京に住んでいた時に近所だった廣瀬さんはいつも会うたびに「本郷、ガイドは絶対落ちるなよ」と言っていた。
そして、私のアックスを研磨してくれた。
研磨器具もたくさんいただいた。
今回のお客様ご夫婦は、昨年自主出版で本を作られた。
50年以上に渡るご夫婦の登山を綴ったものだ。
後半の約20年はほとんど私との山行だった。
こんなにもたくさんの岩稜、アルパインクライミング、海外の高峰を共にしたのかと驚いた。
「本郷さんと知り合ってからの私達は確実に人生が変わり、青春そのものだった」と。
77歳の今、そう思っていただけることには感慨深いし、本当に嬉しい。
他にも長年のお付き合いをさせていただいているお客様数名にもお世話になり、私はガイドとして幸せな人生を歩んでいると思う。
全く後悔がない。
いまや、一緒に山へ行くお客様がどんどん減っても、ガイド申し込みがなくなっても、噛み合わない人に合わせることはお互いに不幸なり。
どう頑張っても
・去る人は去る
・残る人は残る
・縁がある人とは何度でも出会う
無理して人に合わせて頑張らなくて良いのだと、最近は思うようになった。
2023-02-17 17:20
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