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裏剱と奥剱 [剱立山]

北方稜線を二回転する予定だったが、一回目の際に剱岳から北方稜線を小窓ノコルまで降りた所で、小窓雪渓を通過できず池ノ平山南峰を登った。
 
現状では、池ノ平山と小窓ノコル間をガイドルートとして使うのは危険だと感じたので、北方稜線の中止連絡を入れたら、お二人から裏剱だけでもというお話をいただき嬉しい限り。
 
素敵な方々を素敵な場所へご案内することにした。
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裏剱、奧剱、そして剱岳東面を眺める頂上を踏まない剱岳展望ガイドとした。
 
初日は室堂から剱沢を経て真砂沢ロッジへ。
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雷鳥坂を登っていたら、上から「本郷さ〜ん」と声がした。
昨夏の剣山荘スタッフと再会を楽しんだ。
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剱沢を降りると秋風が涼しい。
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いつも懐いてくる雷鳥も冬支度かな。
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少しずつ、赤いものも目立つようになってきた。
 
剱沢下降は、平蔵谷出合で一度雪渓に降りれるが、そろそろ亀裂が目立つようになってきた。
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夏道のスラブ帯には残置ロープと杭も設置されている。
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長次郎谷出合は右岸から左岸に雪渓を渡ることができる。
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真砂沢ロッジで乾杯。
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夕食を食べて早めに就寝。
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2日目の朝は四ノ沢で迎える。
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仙人新道から眺める小窓雪渓は2日前より更に細くなったようだ。
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モンローの唇も涎もない。
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しかし、ハイジの世界は気持ちいい。
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2日ぶりの山頂。
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剱岳北面の大展望。
小窓尾根の全景が見渡せる。
 
そして、北方稜線も池ノ谷ガリーから下のルートが見える。
 
来年夏にリベンジを約束して、日程も決めた。
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岩峰に立てば、富山湾と富山平野を見渡すことができる。
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仕事でなければ、昼寝したい場所。
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仙人池ヒュッテで檜風呂に入って気持ち良くなる。
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仙人池でラーメンを食べるなんて贅沢はなかなかできるもんじゃない。
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夕方にちらっと裏剱。
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夕食は「今まで山小屋で食べた中で一番美味しい」とのお客様の声に激しく同意!
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最終日は黒部ダムまで遠いので、暗いうちに早出。
 
見送っていただける仙人池ヒュッテスタッフに感謝しながら歩いていたら、仙人池ヒュッテの上に後光が刺す。
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仙人新道から眺める裏剱も素晴らしい。
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裏剱に別れを告げて、二股の橋を渡る。
この橋もあと3週間余りで撤去される。
まさに光陰流水だ。
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四ノ沢の鎖場を過ぎて、剱沢を渡ればハシゴ谷乗越に向かう。
 
剱岳の北面から東面に周り込む。
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背後には八ツ峰Ⅰ峰がデカい。
下にはマイナーピーク東面スラブ。
真砂沢ロッジの先代、佐伯成司さんの頃に整備に行った。
 
黒部別山にも2回、薮の時期に頑張って登ったが、また自然に戻ってしまっただろうか。
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ハシゴ谷乗越から内蔵助平を目指す。
そろそろ飽きて嫌になって来る頃、懐かしい文字と出逢う。
全然、「もう少し」じゃないんだけどな(笑)
 
北陸新幹線ができる前は東京から、いつもこの路で剱岳に通っていた。
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丸山東壁が近くなると、ロープやハシゴが出てくる。
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黒部の巨人「丸山東壁」中央壁
辛かった想い出や楽しかった想い出、パートナーが宙吊りになったこともあったし、眺めていると複雑だ。
 
なんか自分の思い出話みたいになってしまったが、いろいろお見せしたい場所が点在している今回のルート…素晴らしい路だ。
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ようやく、黒部ダムが見えてきた。
この登り返しも暑くて長い。
剱岳本峰を踏まなくても、展望だけでも充実した登山をたっぷり味合わせてくれた。
 
このルートは登山というより、秘境の山旅という雰囲気がピッタリだ。
別山尾根だけを登って剱岳を語ることの愚かさ、そして剱岳のデカさを知るためにも是非一度歩いて欲しい。
 
ご参加いただいたお二人に感謝しつつ、来夏の北方稜線を楽しみに待とう。

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