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新たな始まり [Guide]

4月初めのガイドは北八ヶ岳へ。
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早朝の暗いうちに富山を出発する。
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今回は長年お付き合いいただいているご夫妻と北八ヶ岳へ。
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今まで本当に多くの山々でご一緒させていただいたが、お身体の不調でしばらく山から遠ざかっていた。
娘にも協力してもらって今回の山行が実現した。
山の空気を吸うことができて、新たに山へ向かう気持ちになれたそうだ。 新年度初めてのガイドがこのような形となって実を結び、自分としても嬉しい一日となった。
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山岳ガイドを職業として、27年目の春を迎えることとなった。 沢山の方々に支えられて、素晴らしいお客様に囲まれて、この仕事を日々継続できたことには感謝の気持ちでいっぱいだ。
剱岳ガイド事務所という名で活動してきたが、この名前に別れを告げて新たなる始まりにすることにした。 剱岳は国内屈指の威厳がある存在で、この山を四季を通じてガイドするには物凄いエネルギーが必要だ。 更にはチンネやR4や剱尾根などの国内を代表するアルパインルートや多数の岩壁が存在し、そこをガイドする資格を維持するには生半可な経験や知識では通用しない。 そして何より山が大きいのでそれなりの体力も必要で、剱岳を日々職場とするには60歳代には辛くなってきた。
山岳ガイドという仕事を70歳までは最低でもやりたいと思うので、これからは若い頃にいろんなエリアで培った経験も活かして、剱岳だけに拘るスタイルからは離れたいと考えた。
私は谷川岳一ノ倉沢、幽ノ沢、丸山東壁、屏風岩、奥鐘山西壁、明星山P6南壁、赤石沢奥壁などで修行して「日本の岩場」をバイブルに掲載される全ての岩壁を登りたいと頑張ってはみたものの、どうしても自分の実力では登れないルートもあって、その負の経験がガイドとして活動する上で大きな材料になったのだ。
 
「できること」と「できないこと」を知り、頑張り過ぎなかったから自分は生きているのだと思う。 山に取組むにあたっては、少し物足りなかったなくらいがちょうど良い。 燃え尽きたら、ホントに燃え尽きてしまうのが山の怖さであると自分は考えている。 その考えに合う人も合わない人もいて、それがガイドとお客様との相性というものだろう。 30代、40代、50代、60代と自分が山岳ガイドをやってきた年代の中で、自分も変わってきた。 これから、自分がどう変わるのかも楽しみだ。 新年度もよろしくお願い申し上げます。