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海の日連休の剱岳 [剱立山]

海の日3連休だが気温が上がらず、冷たいガスに覆われた。
7月12日に剱沢小屋に入り、13日は長次郎左俣へ。
小雨降る中、剱沢を降り標高を下げると視界が良くなってきたが長次郎谷を上がるに連れて視界は悪くなる。

Ⅰ Ⅱ嶠間ルンゼ前は穴が開き、滝上の岩頭が見えていて注意が必要。
先行者達は堂々とその脇を歩いているが、我々は念のため左側を巻いて通過した。

Ⅰ Ⅱ峰ルンゼには八ツ峰下半に取り付くパーティがいたが右往左往していて怖かった。
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こういう状態の時は左の岩小屋から回り込んでシュルント内から上がるのが正解とは思うがかなり微妙な状態。
数年前に単独クライマーが正面突破して雪渓が崩れて中に落ちたのを見たことがある。(その時の方は自力で出てきたが)

Ⅳ峰下あたりからは、深いガスで小雨降り、視界は30mくらいか。
右上にはおそらくⅤⅥノコルを探して、とんでもない所を右往左往しているグループがいて、「ラクー」と連呼していてこちらも危ないので、さすがに声を掛けて「どこへ行きたいんですか?」と聞いたら、Cフェースとのこと。
リーダーらしき人に来たことがあるのかと尋ねたら初めてだと。
さずがにこのコンディションで、初見では無理でしょうと思い、辞めるようにお伝えしたがどうしたか。
アイゼン、ピッケルの使い方を見ていても初心者としか思えず、どうなんでしょうか。

熊ノ岩周辺はガスで見えないので、一番安全確実なルートから熊ノ岩上に出たらテントがひとつ。
通過しようとしたら、中から顔を出した人々に「ここは熊ノ岩ですか?」と聞かれた。
我々に「長次郎右俣に行くんですか?」「どこに行くんですか?」と聞くので呆れた。

誰がどこに登ろうと自由だし、自分もそういう時代があったのだと思うが、これで良いのかと心配になった。
その他、感じた疑問は多々あれど、これでやめておきます。

左俣への入口は傾斜が強く、その下からロープを結んで行動した。
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長次郎ノコルへは今のところは綺麗に繋がっているが、左右は開き出しているので今後は注意が必要だと思います。

雪渓の状況は日によって大きく変わるし、時間によっても変化します。
それほど雪のルートは難しく、特に剱岳の残雪ルートを安全に登るには経験が必要で、他人の記録を眺めて登れるほど甘くはないです。
たまたま登れても運が良かっただけです。
だからこのブログは信用しないで参考程度にしてください。
この内容は私がその日その時に感じて判断した、それだけの小さな情報です。

本題に戻ります。
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長次郎ノコルからは特に変わったことはありません。
ただ、意味不明な虎ロープが下がっていました。
正しいルートがわかる人には問題ないですが、引き込まれないようにしましょう。
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稜線上からは翌日登る予定の八ツ峰がよく見えました。
あまりにも感動的な景色で、剱岳の素晴らしさを再確認した時間でした。

山頂には天気の割にはたくさんの人がいました。
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別山尾根を下降しましたが、特に問題になる残雪はなくなりました。

14日はお客さまが入替わり、八ツ峰の予定。
しかし、本降りの雨で剱沢小屋でしばらくステイ。
バリエーションへ行くガイド達はほとんど中止しましたが、行ってしまった猛者ガイドもいました。
これはお客様との関係性や実力などを判断してのことなので、登るのも中止するのも、どちらが良いとは言えずです。
今回の私のお客様達は八ツ峰も含め、剱岳のバリエーションを何度も経験している人なので、雨降る中で無理して行く必要もなく良いコンディションを待つことにしました。

9時過ぎに雨が上がり、一時的に晴れ間が出ました。
しかし、一時的なので回復なのがわかっていたので、剱沢を降りずに別山尾根を行けるとこまで散歩気分で出ました。
9時30分に剱沢小屋を出て、駆け上がるように11時に平蔵ノコルに着きました。
ここで本降りの雨に。
実力があるお客様なので頂上踏んでおきましょうとお勧めしたのだが、帰りたいというので帰りました。
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私は無理強いはしませんので。

15日も朝3時で雨。
日中は回復しそうだけど、体調を崩した方もいて、下山することにした。

海の日三連休は、寒くて夏とは思えない天気だった。
残念ながらお客様全員を満足させられなかったが、これも「試練と憧れ」ということで御理解いただきたい。
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こういう時は剱沢小屋の鍋ラーメンがとても救いになります!




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