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挨拶もほどほどに [Guide]

今週は剱岳を離れ、別な山へ。
ガイドが悪天中止になり、夏休みに入った子供達と急遽立山登山へ。
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雨の中で頑張り、山頂では晴れた。
天狗平山荘での一夜は子供達には一生の思い出になることでしょう。
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そして、続いては赤木沢のツアー登山。
残念ながらパッとしない天気で、黒部川源流の水勢に敗退。
薬師沢本流へ変更。
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薬師沢小屋と太郎平小屋に泊まりました。
最終日の今日はやっと晴れました。
やっと今日から北陸も梅雨明けするんでしょうか。

この薬師岳周辺は登山者が多く、すれ違いが頻繁です。
「こんにちわー」の挨拶も疲れてきます。
20名くらいのツアーとのすれ違いだと正直返事するのも嫌になります。
先頭と最後尾くらいは挨拶するにしても、他の方は会釈で良いのではないでしょうか。
私は2名のお客様をガイドして、3名で行動することが多いのですが、ツアーの先頭のガイドみたいな人が「3名さん、すれ違いでーす」と言われると照れてしまい、急いで通過します。
追い越す時など最後尾の添乗員が「特急が行きまーす」とか。
こちらが恥ずかしくなります。

また、登り優先絶対信仰の日本では、充分すれ違いできる幅広い登山道でも、遥か前方で下山者が待っています。
こちらも気遣いで急いで登らなければならず、さらに各人の「こんにちわー」にも応えねばならず、気持ちが急いて登山を楽しめません。
海外の登山道では、目で合図して余裕がある方がスムーズに動いてすれ違い、挨拶も簡潔で疲れないように感じます。
相手を思いやれば、登り絶対優先ルールは要らないはずで、疲れている人にいちいち声を掛けることも遠慮すべきとなるように思いますがどうなんでしょうか。
返事しないと怒る人もいるし。
世知辛いですね。

判断とガイド資格について [Guide]

この週末は長次郎谷から剱岳の予定でした。
しかし、日曜の天候が悪くなりすぎて一服剱までで帰ってきました。

天気予報だけ見たら、最初から山に上がらないという選択肢が正解なのかもしれません。
でも、お客様の実力や実際の山行時刻の天候予測、ルート状況から考えると最悪でも別山尾根には登れるだろうと考えての入山で、前夜のミーティングでもお客様にそう話しておりました。

今回のお客様はネパールや南米で私と一緒に6000m以上の登頂を4回経験していて、剱岳はバリエーションからしか登ったことがないという人、八ツ峰主稜2回、長次郎谷や平蔵谷は3回以上、残雪期の源次郎尾根や正月の剱などを一緒に行った人、この春に平蔵谷から剱に登ったばかりの人の3名。
この3名は冬山もアイスクライミングもリピーターで何度も参加してくれている、それなりの実力者だった。
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でも一服剱での山の様子を見て、今後どう変わるかを考えると下山を選択した。
強風小雨の中、他の登山者はみんな頂上へ向かったが私は迷わず辞めた。
この3名となら、余裕で頂上は踏めるだろうが、下山で絶対良くないことが起こることが解ったのだ。
なぜか説明しようと思えばできるが、この場では誤解を招くので避けたいと思う。

3名とも私の判断を受け入れて、一言の文句も出なかった。
こういう信頼関係は大事にしたいと思う。
みんなで、今後行く剱のルートの話をしながら帰れたことが嬉しかった。
でも結果については申し訳ないという言葉しかありません。


話は変わって、先日関東でクライミング講習をしていた時のこと。
登山ガイドⅢがクライミング講習をしていた。
盛夏になると登山ガイドⅡ以下が剱岳をガイドしている姿を頻繁に見かける。
多くの登山者には何のことかわからないと思うが、資格範囲外行為。
このようなことが普通に起きるのは、日本山岳ガイド協会の資格制度が複雑怪奇で、顧客はもちろん、ガイド本人も勘違いしている場合もあるのだが、解っていて繰り返し行われる例がほとんどだろう。
以下に日本山岳ガイド協会の資格種類を添付するが、ちょっと山を知っている人なら首を傾げたくなるような枠組だ。
http://www.jfmga.com/shikakusyurui.html
この問題は私のような末端会員には如何ともしがたいが、資格内容は守ろうと啓蒙したい。
私の場合は国内ではどんなガイド行為をやっても良いが、国際山岳ガイド行為はやってはならない。
だから、海外の国際山岳ガイドが必要な場所では私もガイドを雇うようにしている。
昔、出来心で現地ガイドとお客様了解の基、ガイドしてしまったことはあるが。

剱岳では別山尾根のみ登山ⅢでOKで、他ルートは山岳Ⅰ以上が必要。

このブログは多数の方が見ているので、敢えてお客様方にもお願いしたいが、自分が雇うガイドにガイド資格を問うてください。
もし、事故が起きた場合に予測できない問題に発展する可能性があります。

そして、ルールを厳守しているガイドの為にも。
剱岳をガイドするために山岳Ⅰ資格を取得しようと頑張っている仲間のガイドを助けたいと思います。
芦峅寺に生まれ、剱立山を私以上に熟知しているのに剱をガイドできないとても優秀な登山ガイドもいます。
山岳Ⅰを取得するためには膨大な時間と金額が掛かります。
合格した人、合格しようと努力している人がいることを考えたいと思います。

ガイド資格制度の様々な問題はさておき、ガイド本人はルールは守りましょう。
守れないなら、日本山岳ガイド協会から出て個人として活動するべきです。
私自身も日本山岳ガイド協会に属している意味を考え、将来は離脱も考慮に入れています。
所属している団体が自分に合わなければ潔く、独立するべきだと思います。



北陸のブランド [Guide]

北陸はまだ梅雨明け宣言が出ていませんが、既に真夏の暑さが続いております。
梅雨の間も雨の狭間を縫ってコツコツと剱岳ガイドをやってきました。
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連休明けの火曜日のみ、早朝から雨に降られ敗退しましたが、これが今シーズン初めての敗退でした。
それまではルート変更などの現地対応はあったものの順調に登れていました。
今年も剱に嫌われなくて良かったです。

今週は東京で活動していました。
日和田やグラビティリサーチでのクライミング講習、好日山荘銀座店での机上講習など。
浅草でアウトドア展示会を廻ったりしました。

今日からまた剱沢へ上がります。
週末は天気が微妙な感じですが、行ってみないとわからないのが剱岳。

さて、北陸の金沢で創設のオクトスというブランドのアンバサダーとなりました。
富山にも大きな新店ができて新たな盛り上がりを見せそうです。
自社縫製工場を持ち、中間マージンを省いて安くて良いものを提供する会社です。
http://www.oxtos.jp/
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海の日連休 [剱立山]

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剱岳に連日、ガイドで登る夏が始まりました。
剱岳は何度登っても、例え別山尾根往復でも常に緊張感があります。
険しく凛々しく、威厳を感じる剱岳。
こんな素晴らしい山が故郷にあり、山岳ガイドという仕事をさせていただけることに感謝いたします。

海の日三連休中日は、ガイド資質を問われる難しい天候でした。
様々な選択肢がありましたが、お客様にとっての貴重な時間を充実した時間に変えることができるように頑張りました。
今回は何が正解だったかは解りませんが、お客様の笑顔が見れたことで良しとしたいと思います。
ずっと何年も繰り返しガイド依頼をいただけるお客様の存在を励みに頑張りたいと思います。
お客様の評価が全てで厳しい仕事ですが、その分やりがいがあります。

暴風雨の剱沢小屋にて


今シーズンも剱立山にお出掛けください [剱立山]

しばらくブログを放置してました。
行方不明者捜索や墜落したセスナ機回収などのミッションも終了し、またガイド業に専念致します。

7月に入り雪解けも進んできました。
雷鳥沢の橋も掛かり、夏山シーズンも始まった感があります。
しかし、雷鳥沢も剣沢もキャンプ場には雪が多く、テントを張る場所も考えどころでしょう。

この週末は剱澤小屋へ。
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今シーズンもホスピタリティ溢れる新しいスタッフが入りました。
食事も美味しく楽しみですね。

朝焼けを見ながら別山尾根をゆっくりと登りました。
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まだ残雪が多くありますが、小屋のスタッフが一所懸命に整備していました。
このような表に出ない努力に対して、我々登山者は感謝です。

別山尾根は1泊2日でガイドすることが多いのですが、今回は2泊3日でガイドしました。
小屋で過ごす時間やお客様とゆっくり話す時間、小屋のスタッフと触れ合う時間など良いことがたくさんあります。
また、登山の時間に余裕が持てることも良いです。
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今回はずっと快晴でお客様方も満足して帰られました。

私はそのまま天狗平山荘で次のお客様と。
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天狗平山荘もゆっくりできる空間です。
初めてのお客様も大満足です。
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連日の快晴で顔も真っ黒になってしまいました。

今シーズンも剱立山のガイドを頑張りますのでよろしくお願い致します。