お盆の山 [剱立山]
お盆は天気に恵まれて、久しぶりに夏山を楽しむことができた。
剱岳のバリエーションガイドの予定だったが、左手首を故障してしまった。
中止にしようかと考えたが、お客様方が歩き主体でも良いとしてくれたので、剱岳別山尾根往復して、称名滝まで歩くことにした。
13日は雨だったが。
翌日からの好天がわかっているので、気持ちは楽だ。
例年には届かないが、久しぶりに雷鳥沢テント場や剱沢テント場には人が溢れていた。
14日の朝は赤い空を見ながら、ゆっくり5時に出発。
多少の渋滞はあったが、8時くらいに山頂へ。
人が多すぎて、すぐに下山した。
剱沢小屋へ戻り、この日で最後となるスタッフYちゃんと記念撮影。(撮影はK2登頂者)
コロナ禍の難しい今シーズンも大変お世話になり、感謝でいっぱい。
それから、天狗平まで歩いて宿泊。
あの頂はカッコいいね。
15日は深い霧だったが、標高を下げるとどんどん陽がさして、暑くなってきた。
称名滝まで来ると気温も上がり汗ダクに。
下山で偶然、富山の名医S川先生と一緒になりクルマが置いてある立山駅まで送っていただいた。
それから、富山ブラック食べて、温泉入りまして、えび寿司へ。
最高の時間を過ごしました。
参加されたお客様方、ありがとうございました。
ところで…。
今回、別山尾根を登っていると前剱大岩への登りでずっと大きな声で話し続ける登山者がいた。
追いついてみると、ガイドと女性クライアント一名。
ずーっと、歩き方の説明をしながら、話し続けて、その内容がほとんど間違っていて、聞いている方が恥ずかしくなった。
登るルートも間違っていて、その後ろを着いていく登山者もいる。
私達が左手のペンキルートから抜くと、「あそこは岩に自信がある人のルートだ」と説明しているので、私は「私は下手なんで、歩きやすいルートを来てます」と言ったら、「女子大生のグループの引率ですか?」と言うので、それ以上相手にしないで先を急いだ。
そして、私達が下山中に平蔵ノ頭の登りルートの頭から誰も人が降りて来ないので、なにか事故でもあったのかと思った。
降りルートで頭に登ったら、頭で動けなくなっている先程の二人がいて渋滞していた。
渋滞で人が溜まっているが、二人が鎖にしがみついているので、後続者は鎖を使えず、仕方なく危ないトラバースを強いられることになっていた。
さすがに見かねて、
私「あなた、ガイドさん?」
ガイドさん「いえ、一般登山者です」
私「あなた、日本山岳ガイド協会のワッペン付けているよね?ガイドでしょう?」
ガイドさん「今回は限りなくプライベートに近いので」
私「あなた、どこの所属?」
…
平蔵ノ頭で、私の前にいたパーティの方から、「あなたもガイドさん?」と聞かれ、私は恥ずかしく申し訳ない気持ちになった。
後で聞いた所属先から調べるとやはり登山ガイドステージⅡだった。
この人だけではなく、剱岳をガイドできるスキルも資格もない人が、堂々と剱岳をガイドしていること。
これで良いのだろうか。
(別山尾根をガイドできるのは登山ガイドステージⅢ以上)
こうした行為に指導監督できない日本山岳ガイド協会には呆れてものが言えない。
努力精進して山岳ガイド資格を取得した人に対して失礼だとは考えられないのかと。
自分達で決めたルールも守れない団体なのだろう。
2020-08-16 09:11