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アイスクライミングのシーズンイン [八ヶ岳]

11月は行方不明者捜索がメインの仕事になり、合間に立山を滑ったり、妙義に行ったりという感じだった。
昨日は妙義で下山中、懐かしい美女に会った。
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左の変な男が邪魔なのだが。
こいつもガイドらしいがプライベートで来たらしい。

明日から赤岳鉱泉に入り、アイスクライミングのシーズンインとなる。
まずは膝の様子を見ながら、どの程度アイゼンを使えるかチェックしてみようと思う。
久しぶりに氷に乗る感覚が楽しみでもある。
この冬も安全第一でアイスクライミングガイドをやって行きたい。



立山 自然ふれあい集会 [Guide]

日本山岳ガイド協会主催の自然ふれあい集会2017は立山で開催されました。
この類のイベントはとことん避けるのが私の主義なのだが、主管が立山ガイド協会なので逃げるわけにも行かず受付で参加者からお金を巻き上げる担当にて。

友邦さんも顔を見せていただきました。
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日本山岳ガイド協会のゆるキャラと記念撮影。
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立山ガイド協会のみんなと結束してイベントをバックアップする。

日本山岳ガイド連盟時代からの久しぶりの顔も見ることができ、それなりに有意義な時間でもあった。
250名のガイド全員と話はできなかったが、様々な方から声を掛けていただき嬉しかった。

私なんか業界から忘れられたガイドだが、みなさん覚えていてくれてありがとうございます。

とにかく無事終了して良かった。


快晴の妙義山にて [妙義山]

11月の連休は妙義山の一般縦走コースへ。
さぞかしガイドさんだらけと思いきや、ほとんど知り合いガイドばかりでした。
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撮影 旭ガイド

クライアントにロープを付けて鎖場や残置ロープを辿ることが多いこのコースはガイドさんが多くなると渋滞の原因になることがあります。
クライアントの体力的、技術的な部分で遅いケースは別な問題として、スタカットに切り替える頻度が多くなっては他の一般登山者の迷惑になってしまいます。

プロとしてお金を戴いているなら、ロープを使っても一般登山者より早く安全に危険地帯を通過する方法を模索すべきと思います。

このエリアでも資格範囲外ガイドさんがいますから、一般登山者から「ガイドパーティは遅い」という印象を持たれることは仕方ないとは思います。
某ガイド協会では資格範囲外における罰則規定はないとのことなので、資格範囲を守ったガイドと逸脱したガイドが、そのエリアで共存することになります。

でも、ちゃんと技術を持ったガイドもいるのだと一般登山者から言われるよう資格範囲外の方と差別化できたら良いと私は思います。

追伸 前回ブログで装備の事前チェックをと書いた記憶がありますが、某自称一流ガイドさんがクライアント全員分のレンタルハーネスをクルマに忘れるという失態を見てしまいました。
やはり人間というのは間違える生き物なんですね。
気を付けよう!


山行前には装備事前チェックを [妙義山]

先日、30年近く切れ目なく登山をやってきて初めての失敗をした。
いつも山小屋や登山中に目にしてきて、自分がそんな失敗をするはずがないと思ってきた。

星穴岳へ向かっている途中、なにか足裏感覚に違和感を感じた。
まさか…。。

そう、シューズが崩壊し始めていた。
朝、チェックした時は何でもなかったのに。
クルマの中には新品のシューズがバックアップであるのだが、既に西岳に向かっているし困った。
テーピングも針金もスリングもあるので最悪の場合の処置はできるのだが、なんとも恥ずかしい話で、自分のチェックの甘さを悔いた。
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それからは、崩壊が進まないようにより丁寧に、静かに荷重するようにしてシューズに負担を掛けないように登山を続けた。
幸い下山までシューズは持ってくれたが…。

まったく初心者丸出しの失敗で、シューズの事前チェックは念入りにという教訓を得た体験であった。

失敗と言えば思い出すのが。

数年前に前日にチンネをガイドして、翌日が八ツ峰上半ガイドだった時のこと。
山小屋の玄関にいつもザックを置かせてもらっていたのだが、チンネでロープが濡れて、(小屋にロープを数本置かせてもらっているので)乾いたロープに入れ替えて、そのままザックを置いておいた。
翌日、八ツ峰ⅤⅥのコルについてザックからハーネスを出そうと思ったら「ない...」のだ。
仕方なく、持っているスリングで代用ハーネスを作り、それでガイドを続行、カラビナブレーキで懸垂下降したりした。
「こんな日は誰にも会いたくないな」と思うとガイドだらけで。
会う人会う人に「本郷さん、まさか...」と。

あとで聞いたら、山小屋のご主人が「ハーネス干しといたちゃー」とのこと。
自分の事前チェックの甘さを痛感した。
お客様には朝出発時に「あれ、持ったかー」「これ、忘れてないかー」とか言うくせに。




妙義山との付き合い [妙義山]

晩秋になり、妙義山へ通う機会が多い時期になった。

日本山岳ガイド協会ができるずっと前、日本山岳ガイド連盟に所属していた時、私は東京に住んでいて、ようやく山岳ガイドという職業が認知され始めた頃だと思う。
現在のように山で石を投げればガイドに当たるようなガイド大量生産時代ではなく、本当に実力のある少数精鋭の他ガイド達と差別化するためにはどうしたら良いか考えた時期があった。
他のアルパインガイド達は海外での輝かしいプロフィールを持つ中、私は誰も知らないような地味な登攀記録しかなく、どう自分をアピールして良いか悩んだものだった。
そこで考えたのが、妙義山と西上州の山を誰よりも研究し、ここだけは絶対誰にも負けないというマイナールートをガイドすることだった。

地形図と登山体系、廃版となった「ハイグレードハイキング」を基にとにかく通ってみた。
自分が行くだけで精一杯で、とてもガイドできるルートではないところもあったが、自分の実力で充分ガイドできそうな場所も多数あった。
私はフリークライミングは不得意だが、ボロ壁や草付き、ガレ場などいわゆる悪場にはかなり自信があったので、自分をアピールできるガイドが実践できるような気がした。
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今では、星穴岳もボルトが打ちまくられガッチリしたフィックスロープが張られて興ざめだが、当時は探検気分が味わえる楽しい場所だった。

相馬岳北稜、西大星、御岳東稜、風穴尾根など登山者がたくさん行くようになり、踏み跡も濃くちょっと残念な気がするが時代の流れだから仕方がないのだろう。

でも有難いことに、この界隈には知ってる人しか知らない、秘密にしておきたいルートがまだある。
そういうルートが全てなくなったら詰まらないだろう。

実家の富山に戻ってからは、すっかり妙義山へ通う回数は減ったのだが、それでも年に10回以上は行っているだろうか。
妙義山は人気エリアになってしまったが、私には妙に懐かしく馴染みのある場所だ。