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馬場島の春 [Guide]

4月25日で今シーズンの立山スキーガイドは終了しました。
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まだまだ、楽しく滑れるコンディションは継続中だけど、私の中では立山を離れるべきタイミングと決めました。
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他の山域に行って、ザラメを探しながら春スキーガイド継続します。
 
そして、週明けの好天を使って剱岳の展望ガイドへ。
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桜舞い散る馬場島へ。
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雪溶けして、花がたくさん咲いてました。

この先も繰り返されるだろう緊急事態宣言に負けず、私も生き延びなければ。
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残雪を踏みながら標高を上げると、大猫山、赤谷山、赤ハゲ、白ハゲ、大窓、小窓から剱岳、クズバ、大日連山などが見えてくる。
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お客様も歳を忘れてハシャいでいます。
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下山は東小糸谷へ。
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まだ橋はありませんので、渡渉あり。

春を迎えた馬場島を満喫していただきました。
馬場島をベースにいろんな楽しいガイドプランを計画してます。
ご興味ある方はお気軽にお問い合わせくださいね。

新たな道へ [Guide]

東京で始めた山岳ガイド業。
2010年に富山へ帰り、当時の多賀谷会長に入会させていただいた「立山ガイド協会」を離れることになりました。
決して、私の意思ではありません。
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私は立山ガイドという職業と生活を急に無くしました。
応援してくれるお客様達、支援してくださる方々、そして家族に対して説明する言葉が見つかりません。

信頼していた人々はすぐに離れていき、一時は剱岳、立山が見えない場所へ逃げたくなりました。
しかし、人がどうであれ、山は変わらずそこにあります。
人がやっていることなど些細なもので、山の雄大さを伝える身としては所属組織や資格、そんなものは何の価値もないし、他人からの評価など雑音のひとつでしかない。

これからも、今までと変わらずお客様と山を楽しむにはどうしたら良いかを第一に考えて、新しい道へ向かって行きます。
 
この転機を好機と捉え、必ず成長に繋げて行きます。
自分を見失うことなく、今まで通り直球一本で行きます!

雪たっぷりのマナスル山荘へ [Guide]

この週末は美味しいマナスル山荘に宿泊して、スノーシュー体験、gripwellさんのトレッキングポール講習、そしてあの伊藤岳医師による「救急医と学ぶwithコロナの登山」を開催しました。
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入笠山周辺で、何年ぶりかという大雪の中、皆様スノーシューを存分に楽しんでいただきました。まさに恵の雪でしたね。
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参加者の溢れる笑顔に開催した意義を感じることができました。
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gripwell山口社長のカーボンポールの説明もあり、製品開発への熱意を感じました。
 
そして、今回のメインメニューは伊藤先生の講習。
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私を含めて一般市民は情報番組に振り回されることが多く、実際にコロナ患者を日々診療している医師からの情報や経験談は大変貴重なものです。
 
過剰であまり効果がない対策や営業自粛で後々後悔することなく、真に意味のある必要な対策を知り、可能な活動を模索したいと思います。
今回参加していただいた方々にはとても有益な情報だったのではないでしょうか。
 
そして、貸切対応で様々な感染対策をしていただいたマナスル山荘さんに深く感謝したいと思います。
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とにかく食事全てのメニューが美味しく、酒も美味い。
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飲酒も適度に!注意しながら!静かに!
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この扇子はナイスアイデアですね。
やまきふ共済会の井関代表もお疲れ様でした。
今回は記憶も清明でしょう。
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私は坐骨神経痛で皆様にご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。
 
南岸低気圧による、まさかの大雪でスノーシューをたくさん楽しむことができました。
ゴンドラを利用して雪を楽しめる入笠山は、雪山デビューにピッタリです。
広大な湿原の雰囲気も最高。
来シーズンも引き続き、美味しいマナスル山荘で開催させていただきたいと思います。
きっと、たくさんの笑顔が溢れることでしょう!

無力 [Guide]

お客様として、ある期間一緒に登っていた方が亡くなるのは何より辛いことだ。
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この方とも、いろんな思い出があった。
最後は喧嘩別れのようになったが、お互い真剣だったからぶつかったのだと思う。
   

お客様として長期間お付き合いした方で病死は別にして、山での死亡事故は今回で4人目だ。
  
    
みんな、山で死ぬのは絶対本望ではなかったはず。
    
死んだら終わりだ。
     
私は今までいったい何を伝えることができたのだろうか。    
コロナ禍もあり、息が詰まるようなガイド活動の中で、今回の訃報を聞いて更に自分の無力さが心底嫌になった。
昨日、久しぶりに吉峰の親分を尋ね、最近思い悩むことをいろいろ話しをさせてもらった。
      
そして、山岳ガイドは何を目指して生きるべきかのヒントを戴いた。
そして、何かと面倒な近年の山業界への違和感に対して、どう接して、どう生きるかを考えるキッカケを戴いた
      
私は無力ではあるが、お客様のためだけを考えなければならない。
自分を過大評価する情報を遠ざけて、黒子に徹底することだ。
    
剱人というのは、山岳ガイドの中では多賀谷さんだけなのだと改めて思った。

明日への期待と不安 [Guide]

極真空手の師 大山倍達の言葉に「稽古を二ヶ月休んだら素人と思え」とある。
明日から山岳ガイド再開するが、まさにその言葉を思い出す。

一から出直しだ。

山岳ガイドの仕事は単に登山するだけのこととは大きく異なる。
あらゆるリスクからお客様を守り、笑顔で帰っていただくことが私の仕事だ。
新たな重大リスクを抱えながらの再開だが、様々検証しながら活動する。
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どんな世界が待っているのか。
期待と不安が交差する。

剱立山に於ける山岳ガイドを再開します [Guide]

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全国緊急事態宣言解除を前提に、6月1日(月)からガイド業務を再開します。

今シーズンは新規のお客様の募集は致しません。

登山経験、知識、体力、生活習慣などプライベートな面まで良くわかっているお客様のみガイド致します。下記に「参加に当たってのお願い」を載せますが、これは現時点で考えられるものです。

6月1日以降登山を再開して、「もっとこうやったら良い」「これは意味がない」などいろいろな気付きがあるはずですので、実際に山を登って学びながらガイドラインを更新する予定です。

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「参加に当たってのお願い」

☆ガイド申込時のお願い

1、過度の運動後は一定期間免疫力が落ち感染リスクが高まります。体力的に無理のないプランを選んでください。 今シーズンは憧れのコースをちょっと控えて、ワンランク落とした余裕のあるプランをお勧めします。

2、平時の山岳救助活動ができない可能性もありますので技術的、体力的に余裕のあるプランをお勧めし、リスク軽減を図りますのでお気軽になんでもご相談ください。

3、 蜜になりそうなルート、蜜になりそうな山小屋の直前情報が入った場合はルート変更、または中止する可能性も含みますのでご承知おきください。(中止の場合にはガイド料は全額返金いたします)

☆当日集合までのお願い

 1、日常からマスクを使用し、物理的に感染を防ぐ意識をお持ちください。(マスクは鼻と口を覆い、あごまで覆うのが正しい装着方法です。)手で顔(目、鼻、口、髪の毛など)を触らない、手をマメに洗うことを常に徹底してください。

2、当日の体温測定で37.5°C以上ある場合や普段と異なる症状がある場合は登山を中止してください。

3、当日あるいはここ数日の 疲労感、倦怠感、体調不良感がある方はご相談ください。

4、当日、可能な方はできる限り自家用車にて集合場所へ。不可能な場合、公共交通機関ではマスクの装着徹底をお願いします。

 5、この1-2ヶ月以内に海外渡航歴のある方、コロナ陽性者との接触の可能性があった方、数日内に風邪のような症状があった方、味覚や嗅覚がない場合等は事前にご相談ください。また、該当する方が家族にいる場合もご相談ください。

6、登山口まではマスク着用の徹底をお願いします。

 ☆登山中の注意

 1、 基本マスク(またはBuff)、サングラスかメガネの着用をお願いします。

 2、他者との適切な距離は、現場でガイドが指示します。(自己判断で必要以上に距離を取り過ぎない)

3、登山道で他登山者とすれ違う際は距離と風向きを意識してください。

 4、行動食を触る前にウェットティシュなどで手を拭きましょう。(行動食は共有しないでください)

 5、休憩時は2メートルの間隔を取り、風下に向かって横一列で休んでください。

6、大声で話をしないでください。

7、顔を近づけないでください。

8、ロープは自分で結んでください。(チェックはもちろん徹底します)

 
☆宿泊施設での注意

1、 マスクの着用を徹底してください。

2、 車座になっての飲酒は厳禁です。

3、 宿泊施設の感染防止ルールに則った行動を徹底してください。

☆下山後の予防

 1、 下山後は免疫が下がっている可能性が高いと意識し、自宅に帰るまで油断せず感染予防を徹底して下さい。

 2、 自宅到着後、玄関先でシューズの除菌、ザックの整理を行い、衣類はすぐに干すか除菌し、まずシャワーを浴びることをおすすめします。

 3、睡眠をしっかり取りましょう。

以上、2020年5月22日のご案内です。また新たな情報が入りましたら加筆修正を加えます。

山岳ガイド 本郷博毅

ガイド再開につきまして [Guide]

皆様、とても暇を持て余すGWをお過ごしのことと思います。
私も同様ですが、明日にでもガイド再開できるように毎日走ったり、サイクリングしたり、筋トレしたりしています。
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昨日、安倍晋三首相より緊急事態宣言の延長を伝えられました。富山は特定警戒都道府県から外れたので、最大限の注意を払いながらの外出は良いらしいですが、県を跨ぐ移動はできません。よって、他県のお客様を富山へ呼ぶことはできませんので、引き続きガイド再開はできません。富山のお客様を富山の山にお連れすることは問題ないのかもしれませんが、それも暫く社会的雰囲気を考慮しながらということになりそうです。

5/14に延長の再検討がなされるそうで、そこで変化があるかもしれません。

私はいつでも行ける準備はできているので、皆様も準備だけはしておいてください。
いきなり、以前と同じ登山はできませんが、少しずつ状況を見ながら元に戻して行きたいと思います。新たな生活様式を取り入れながら。

「以前の様にはもう戻れない」「以前に戻るには数年掛かる」そのような情報が登山メディアから繰り返し発信されていますが凄く違和感を感じています。
コロナは誰にとっても未経験で先のことなど誰にもわからない。
最悪の想定への準備は山岳ガイドなら当たり前。それは自分の中に収めて、確証の無い情報を共有させるべきではない。
今の状況を誰が予測できたのか。数ヶ月後は誰にもわからないと思ってます。
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コロナというリスクが山岳ガイド業務に加わりましたが、知識と経験を蓄積して、そのリスクを最大限排除して活動していきます。
そんな形でも一緒に登っていただけるお客様と粛々とやって行きます。
これからもよろしくお願い申し上げます。

最後に、生活を維持するために有料ブログを始めました。

剱岳ガイド本郷博毅|note
ひとつのブログに対して200円の購読料が掛かります。いずれ、マガジンとして定期購読できるような内容を作っていきます。慣れない作業で試行錯誤しながらですが、是非御購読をお願いします。

もうひとつ、有料ブログを紹介します。
こちらは私の写真の先生である檢見崎誠さんの有料ブログです。私の有料ブログ開設に様々アドバイスをいただきました。プロカメラマンの写真が沢山見れてお勧めです。

未来を作るのは自分の行動ですね。

試行錯誤 [Guide]

今日も東京で143名の新型コロナウイルス感染者が出たそうです。
今は可能な限り外出を避け、三密は厳禁ですね。

しかし、最近のSNSを見ていると、外出した人を責め立てる投稿をよく目にしますが、得体の知れないコロナの影響でみんながイライラして、そちらの方も心配です。
あまり極端に縛り付けると反動も怖いです。
食べていくためや生活のために、仕方なく外へ出る人のことを一方的に批判はできないはずです。
私も時に外出せざるを得ない者の一人です。
一ヶ月、二ヶ月で終息するものではなく、一年以上は続くつもりで準備する必要を感じています。長期間、ずっと自粛し続ける体力はないので、行政からの指示を受けながら、動くタイミングと停止するタイミングを間違えないように。
考えて見れば、いつもの登山活動に似ているような気がします。
富山在住の私としては、今の時点でガイド活動をいつまで自粛とか表明するつもりはありません。
許されるガイド活動があるなら、経緯を見ながら続けたいと思います。
富山近郊の方から富山の山を日帰りでのガイド依頼があるならば、感染リスクは低いと考えています。
剱岳のガイドならば、山小屋が混み合う土日は避けて、なるべく平日にズラして。
土日祝日なら馬場島からの日帰り、室堂近郊の山荘やホテルからのアタック、もしくは其々ソロテントで泊まり食事は外で取るなども考慮する方法もあると思います。
また、こういう時期だからこそ、誰も来ない山に御案内するチャンスなのかもしれません。
それでも感染被害が拡大したタイミングでは、ガイドできない時期も何回もあるのだろうと思います。
幸い私の周りには、相談に乗っていただける医療従事者が多いので、その方々のアドバイスを受けながら試行錯誤して行きたいと思います。
たぶん、これが正解とかはないと思いますので、いろんな方の知恵や工夫を聞いてみたいと思います。

終息し乗り越えられたら、今までより素晴らしい未来が待っていると信じて頑張りたいと思います。
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これからのこと [Guide]

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)影響拡大について、ガイド活動のこれからを悩んでおります。
私のお客様の中でも、医療従事者など必然的に山に来れる状況にない方、周りの目が気になり外出できない方、感染リスクを恐れる方も多数いらして、必然的にガイドキャンセルが続いております。


山岳ガイドが、お客様を山へ御連れすることは好ましくないという雰囲気も日々感じております。

このウイルスについて、知識も経験もなく、どうすることがベストなのか正直わかりません。

日々状況も悪化しており、ガイド活動はいつまで継続できるかはわかりません。
ひとりでも山に来れる方がいたら、できうる限りの感染リスクを排除して、ガイド活動は継続しようと現状では考えております。

いよいよ、アルペンルートも開通間近です。

1日も早く笑顔で山に人が集まれる環境が
来ることを望みますが、まだまだ先は長そうです。
山岳ガイド活動は、まさに「不要不急の外出」そのものの仕事と位置付けられ、これから益々風当たりも強いことになると想像します。
山小屋、山荘なども受けるダメージは計り知れません。

それにしても「マスク2枚」はエイプリルフールにしても冗談が過ぎますね。
体力のない個人事業主の目線に合わせた政策を早急に実現して欲しいものです。

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ガイド資格更新研修 [Guide]

四日間、栂池でガイド資格更新研修を受講してきました。
コロナ騒動の中で催行されるのか疑心暗鬼だったが、宿泊施設も個室対応してくれて、無事に終えることができた。

今回は雪崩講習会。
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担当講師が素晴らしかった。
豊富な経験と深い知識から発する言葉は、全て記憶に残りやすい印象的なものだった。
誰かの受け売りや、本やネットで読んだような知識をカッコ付けて発するガイドが多い中で、久しぶりに本物を見たように思う。
本物が発する言葉は、重く記憶に刻まれる。

今回受講したガイド達も、ほとんど知り合いばかりだったので、リラックスした中にも良い時間を過ごすことができた。

コロナ騒動で、ガイドキャンセルが頻発する中で、四日間も時間を拘束されて、少なからずの費用を払って、正直こんなことしてる場合ではないのに、一定環境に不特定多数を集めて感染リスクを高めることに、日本山岳ガイド協会は何を考えているのかと受講前は腹立たしかった。

しかし、リスクを払っても、とても価値がある時間だった。
雰囲気に流されて盲目的に自粛方面に進むより、本当に自分のためになる物を選別することが得策な今なのだろう。

少なくとも山には行かないと。