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立山杉巡り [剱立山]

5月の終りに馬場島へ。
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小窓尾根が新緑に浮かぶ。
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馬場島荘で手打蕎麦を食べてから、杉巡りへ。
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藪漕ぎしたり、薮乗り越えて、突き進む。
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「剱の大王」に会ってきた。
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夕食は氷見牛と立山ポークで焼肉パーティ!
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おろし蕎麦でサッパリと!
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そして、馬場島の夜は更ける。
 
翌朝は冷たい雨が降り続き、今回は天気予報が外れなかった。
残念ながら、予定していた大猫山は中止。
考えた結果、楽しめそうなのは中山の杉巡り。
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東小糸谷から登り、山頂からの剱岳展望は心の目で見る。
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屋久島に行かなくても、杉を楽しめる山。
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隠れんぼもできる杉だらけ。
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杉巡りは雨の日が美しい。
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剱岳は見えないが、確実にそこにある。

明日、6月1日は剱岳山開き安全祈願祭・鎮魂祭が馬場島鎮魂社(しずたまのやしろ)にて行われる。
剱岳の夏が始まるのだ。

富士山大滑降2022 [富士山]

5月最後の週末は富士山スキーへ。
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日本で一番高い山を滑る。
雪の量質がどうこうより、富士山を滑ること、それ自体が楽しみだ。
そして、佐藤小屋に泊まることも!
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今回も特別ゲストはやります!
 
我々はクルマで佐藤小屋へ上がるが、ホッピーさんは今回も富士山駅から走る。
 
今回は良い天候に恵まれた。
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佐藤小屋のテラスで餃子パーティー。
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そして、ホッピー開始!
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インコは今年も健在でなにより。
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夕食はスキヤキ。
大好物ばかり、揃えていただき嬉しい。
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佐藤小屋の楽しい夜は更ける。
 
翌朝は4時前に朝食を提供していただき感謝。
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吉田ウドンとパイナップルでエネルギーチャージ。
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素晴らしい日の出を見ながら行動開始。
 
まさにTHE DAY。
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荷物は重いが心は軽い←ホントか?
 
七合目からは、吉田大沢の雪面に入れるが夏道の方がリスクはないし、歩きやすい。
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本八からシール登行に切り替えた。
そこには、素晴らしい雪面が待っていた。
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様々な苦難を乗り越えて、吉田山頂へ。
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須走の大斜面は白眉だ。
フィルムクラストよりは少し厚くパックしていたが、何よりロケーションが素晴らしい。
苦労して山頂までスキーを持ち上げたことへのご褒美だ。
 
ご褒美の後は苦行が待っているのが世の常だ。
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吉田大沢に切り替えし。
上は気持ちいいコーンスノーだったが、最後は修行系が詰まった滑走で終了。
七合目まで滑れるのは、そろそろ限界かも。
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ご参加いただいた皆さん、この二日間はそれぞれの人生において素晴らしい思い出になったことでしょう。
私も最高に楽しかった!
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こういう場を提供してくださる佐藤小屋に感謝します。
保さん、エッちゃん、ありがとうございました!

剱の事前講習へ [富士山]

スピード違反で捕まり、ゴールド免許の夢途絶え、傷心のドライブで雨の富山を脱出。
今夏、剱岳ガイドに参加されるお客様への講習。
東海地区、関西圏の方と美濃加茂で。
私は初めての地なので、集合時間前に下見。
そして、予定通り雨は上がった。
 
集合してからは、この地の富士山へ。
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初めて会うお客様の歩き方を見たいのと、疲れない岩場での歩き方を伝授。
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標高低くく、風もなく、雨上がりなので、蒸し暑い。
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ちゃんと三角点もあった。
山頂の東屋で、揃えるべき装備の話やリスクに対する話をしてから下山。
お昼ご飯を食べてから、覚えておいて欲しいロープワーク。
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岩場へ移動して、クライミング体験。
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濡れたチャートは滑るが、それも経験。
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次に乾いた岩を登ったら、その快感にハマることでしょう。
 
剱岳チャレンジに不安を持つ初めて参加される方々には、こうして事前講習を用意しています。
このような講習に参加される意思のある方は、まず問題ありません。
 
youtubeで偏った情報を得たり、ネットで検索して準備に満足されて来る方、最初から全てガイド任せの方は、皆さん現地でのギャップに苦労されます。
旅行社の事前講習でカラビナ掛け替え習って満足して来る方とか…。

大切なのはそこじゃなくて(笑)
それでも、現場ではなんとかしますが…。
 
行ってみたら、なんとかなった、なんとかしてもらえたという方ほど、後で剱は大したことなかったと発信する傾向にあります。

「剱岳なんて、所詮一般道だからガイドなんて要らないよ」とか。
「登山経験なくてもなんとかなる」とか。
 
剱岳の怖さ、山の怖さを知らないだけの方の発信にはご注意ください。

物事成すにはプロセスが重要だと思います。
そして、事前に知識があったらもっと剱岳チャレンジを楽しめると思いますので、不安がある方はこのような講習を通じて、自分には何が足りないかを知り理解することをお勧めします。
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鯉はスピード違反ないから羨ましい限りです。

端正な米山へ [越後]

お客様が膝の調子悪いとのことで、短時間ハイキングをご要望された。

そこで、日本海に近い単独峰。
日本三薬師の霊峰「米山」へ。

午前中の米山周辺は雨模様。
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昼頃には雨が上がったが、まだ寒気は残って寒い。
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でも、こういう雰囲気の山も良い。
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イワカガミがたくさんあった。
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運動会の代休で、ひとり留守番が嫌だとのことで付録が…。
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各所にある避難小屋に興味津々。
怖いものみたさか。
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下山したら、青空が広がってきた。
お客様も膝の痛みが消えたそうで何よりだ。

剱みるな〜らと… [剱立山]

馬場島荘泊で赤谷山という贅沢な週末。
今回は剱岳を登るのではなく、剱岳を見る企画だったのに…。
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まず、手始めに池田さんの十割蕎麦。
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みゆきチャンの山菜天ぷら。
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久しぶりにお会いできました田島ガイド御夫妻も満喫されてました。
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夜も十割おろし蕎麦。
 
夕方から本降りになった雨で、なかなか熟睡できず、変な夢ばかり見る。
 
四時に起きて、外を確認したら小雨で予定通り出発する。
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ブナクラ谷は雪たっぷり。
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熊さんの足跡も至るところに。
熊鈴鳴らして、熊スプレーをポケットに、右手にピッケルで武装。
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ブナクラ谷の詰めでようやく晴れて来た。
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石仏様も立っていた。
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大日連山が美しいが、後立山側はガスガス。
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雪と薮のミックスを進んで、山頂へ。
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ここが赤谷山の山頂。
看板と仏様はこの下に埋まっている。
そして、剱岳の眺めは…。
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どよーーん!
やはり、正夢だった。
 
剱岳がまた来いよと言ってるのだ。
皆様、もう帰ろうよーと言っても粘っている。
お陰で、下山後の蕎麦が食べられず。
まあー、2杯も食べたからいいか。

龍王から剱を望見 [剱立山]

剱岳に於ける巨星の訃報を聞いてからの入山。

私は粛々と山岳ガイドとして活動するのみ。
平日の龍王岳東尾根。
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東面は明るい雰囲気が通常だが、この日は陽が差すことはなく寒かった。
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山頂の看板は誰かが色を塗ったようだ。
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剱岳も遠く霞んでいる。
 
この日は下山後に、剱澤小屋 佐伯友邦さんの通夜へ参列。
ひとつの時代が終わった日。
 
残された者達は、どう行動するのだろうか。
明るく開かれた未来を期待したい。

春の定番 鳥海山へ [大好きなスキー]

GW明けの定番イベントとなっている鳥海山ツアー。
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今年もずっと楽しみにしてきた。
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金曜夜に新潟で旨い酒と肴で前夜祭。
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村上牛はすご〜く美味かった。
 
土曜はいつも月山に登るのだが、生憎の雨。
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夕方までには雨も上がりそうだったので、鳥海山にダイレクトで入り、吹浦ルートから日本海に向かって滑ろうという目論みで大平山荘にて天気待ち。
 
登山口で様子見るも、視界なく冷たい雨が降り続き、もう諦めて酒田へ戻ろうとクルマを動かした。
いつも雪で埋まっている登山口の階段が出ていて珍しいなぁと思って、ゆっくり左に寄ったら、左前タイヤが急に沈んだ。
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よりによって、スリップ注意の看板前で。
3人のお客様に押してもらいながらタイヤを左右に動かしても、完璧に宙に浮かぶタイヤはどうにもならず(涙)
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JAFを呼んだが、待つ時間は長い。
 
カーブ箇所で、深い霧で視界も悪く、後続車に突っ込まれると大惨事なので、スキーウェアを着込んで、外で待機する。

通過するクルマは沢山いたが、みんなシカト。
 
その中で一台だけ、デリカD5が通過した後、戻ってきた。
 
「ひょっとして、本郷ガイドさんですか?」と若者が現れた。
「初めてお会いしますが、JMGAの末端にいる者です。何かお手伝いできることありますか?」って。
 
ホントに困っている時に、こういう声は有り難いものだ。
ロープで引っ張る提案もしてくれたが、「JAF呼んだから、大丈夫だよ」と、そのまま待機。
こういう素晴らしい人格のガイドもいるんだと感心した。
 
1時間半ぐらい待ったか。
当然、ランクルかハイラックスが来るのだと思っていたら、到着したのは、まさかのジムニー。
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私もジムニーオーナーだが、四駆ハイエースの巨体を引き上げられるのかと心配になってきた。
 
しかし、この二人の若者は素晴らしい腕前でホレボレする作業だった。
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ウォーンのリモコンウインチを使いながら、枕木を足しつつ、あっさり引き上げてしまった。
 
私がJAFを呼んだのは、初めてだったが、仲間やお客様のクルマトラブルでJAFの作業は今まで何度も目にしてきた。
この二人は間違いなくプロだった。
ホスピタリティも素晴らしかった。
しかも、無料。
JAFは入っておくべきだ。
人間は必ず間違える。
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お客様を乗せていて、脱輪するなんて恥ずべきことで、あってはならないことで反省しきり。
しかし、良い体験ができたと言われて、少しは救われた。
クルマにも、皆様にもダメージなくてまずは良かった。
 
酒田に戻り、蔵王でお世話になっている青山さんと合流し、みんなで「久村の酒場」へ。
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ここは素晴らしい。
異次元ワールドだ。
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今回もご一緒いただき、ありがとうございました。
 
日曜は朝早く、祓川へ。
駐車場はまだ余裕だった。
 
白馬のブロガーガイドJや八甲田のイケメンガイドTもいて賑やかだ。
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やっぱり、この景色はテンション上がる。
しかし、風は強く非常に寒い。
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背景が開けて、天国のようなハイクアップは他の山域では味わえないお楽しみ。
 
避難小屋を過ぎるとフィルムクラストができているが、強風で氷が飛んできて痛い。
だんだん、ウインドパックして雪面も堅くなり、九合目でほとんどの滑り手は帰って行った。
鳥海山、初めての方もいたので、何とか頂上へ連れて行きたくて、あともう少しまで頑張ったが、これ以上はヤバいという所で撤退。
ダメな日はダメなので…。
かなり寒くて、厳しい風の中、私の行動食は冷やし中華(涙)
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いつも暑い中登って、山頂で冷やし中華を食べるのが、私のルーチンワークなのだが、この日ばかりは地獄絵図だった。
凍える身体に、冷やし中華(涙)
 
そして、滑走!
最初はパックしていたが、途中から走るフィルムに変わり、最高。
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皆様の笑顔が何より嬉しい。
 
途中で聞き覚えがある声がした。
種村ガイドがソリ遊びをしていた。
↑写真撮ってもらいました。
 
山頂には届かなかったが、鳥海山のロケーションを味わいながら、良い雪を滑れて満足していただけたようだ。
 
道の駅「象潟」に寄ってランチして…どうしても外せない鳥海山の〆は2つある。
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花立牧場のジャージーソフトクリーム。
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そしてババヘラだ!
ババヘラは永遠に不滅です!
 
こうして、春の定番イベントも終了したが、今回は反省が多かった。
 
また、来年リベンジよろしくです♪

春の怪峰へ [頸城]

私が勝手に「怪峰」と呼んでいる鉾ヶ岳。
93A5FDD4-6BAD-4DF0-A235-C898DF38CF4F.jpeg昨年4月初旬の鉾ヶ岳

鉾ヶ岳は、糸魚川の能生という日本海間近の豪雪地帯にある。
その雪の降り方は半端ではなく、隣接のシャルマン火打スキー場ゲレンデトップは今年ハイシーズン6mオーバーだ。
 
私は毎年数回、冬季、残雪期にガイドさせていただいている。
まず、誰とも会うことはない。
 
冬季はひたすら、急傾斜のラッセルを強いられるが、春は薮とザラメの急斜面で、ブロック崩壊、雪庇崩壊、クラックへの転落などに気をつけながら、ライン取りに工夫が必要な玄人向けの山だ。
 
ルートはいろいろあるのだが、今回は珍しく早川ルートを選んだ。
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笹倉温泉に前泊した。
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笹倉温泉は実に素晴らしい。
 
翌朝も温泉に入ってから出発。
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予想通り、急に融雪が進み下部には雪がなく、夏道が出ていた。
夏道といっても、まだ整備は入っていないので、初めて行ったらGPSに頼らないと道がわからないだろう。
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花の宝庫でもある。
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峠を越えると、いよいよ雪が出てくる。
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ザラメと薮のミックストラバースは高さもあり、滑落は許されないので、ロープ確保しながら確実に登る。
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頂上付近になると、日本海、栂池新道、白馬稜線、そしてなんと言っても海谷山塊の景色が素晴らしい。
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このお二人とも随分長くお付き合いいただいているが、10年越の鉾ヶ岳登頂だそうで、凄く喜んでいた。
 
ヒマラヤ、アンデス、アルプスなど様々な海外の高峰にもご一緒したが、高齢になっても、頑張って山を続けていただけることには何より嬉しい。
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素晴らしい景色を眺めながら、次は何処へ登ろうかと話しながら下降する。
 
山高きが故に貴からず、樹あるをもって貴しとなす。
 
海谷山塊は、そういう山の宝庫だ。

春KING剱岳登頂 [剱立山]

2022GW最終日の剱岳チャレンジ。
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雷鳥沢から剱御前小舎へ。
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立山名物の環水平アーク。
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ハロ。
 
悪天候へのサインが出て、翌日の天気予報も悪かったが、今回は登頂できると確信していた。
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剱御前小舎からは富山平野に水が入った田圃の光る様子が美しい。
 
この時期の剱御前小舎に泊まる楽しみでもある。
この日は我々以外の宿泊者は今村ガイドチームのみ。
今村ガイドには、以前ガイドを手伝ってもらっていた時期もあり、懇意の仲。
翌日は、我々と同様に平蔵谷を登るとのこと。
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翌日は曇天の中、予定通り平蔵谷へ入る。

デブリだらけでトレースもない。
歩き辛くて、時間も掛かったが、左側の平蔵ノ頭直下に到着。
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エビルンゼからも上がれたが、普段より傾斜を感じて、ヨコバイを上がる。
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アイゼンを外して、夏同様の岩場を登る。
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最後は雪壁を直登して頂稜へ。
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8時30分に剱岳山頂。

例年より雪は少ないが、祠より高く積もった雪稜部分は3001mくらいの標高だろうか。
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いよいよ剱岳が始まった。
 
今シーズンは何回、ここに来れるだろうか。
左下腿の麻痺は取れぬまま。
登れるルートは今シーズンも限られるだろうが、リハビリを続けながらパフォーマンスを上げることに尽力したい…などと山頂で考えていたら、降雪が始まった。
予想より、早く悪天候が始まりそうなので、急いで下降を開始する。
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平蔵谷を南壁側から入り、下降を急ぐ。
平蔵谷出合から剱沢を上がり出したら降雪激しく、視界もなくなり、本格的な吹雪が始まった。
トレースも消えて、以降ずっとラッセル。
 
しかし、剱沢は勝手知ったる場所でGPSなど見なくても、どこにいるかは完璧に把握できる。
管理所裏から最短距離を歩いて警備隊設置の旗に着いた。
湿雪で足も重く、全身びしょ濡れで歩行ペースも落ちてきたが、低体温が心配でゆっくり休憩もできないので身体を温めるべく、ゆっくり歩き続けるのみ。
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延々登り、ようやく視界も開けて、剱御前小舎が見えた。
 
山小屋内に入り、正博さんから温かい食べ物をいただき、心身共に暖まる。
 
そして、雷鳥荘を目指して下降。
風雪さらに強く、向かい風で厳しい。
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ようやく見えてきた。
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温泉入って、ご褒美をいただき、幸せ気分に浸る。
 
やっぱ、剱岳はいろいろ試練を与えてくれるわ。

2022GW前半戦 立山の日々 [剱立山]

GW前半戦ガイドは4/27〜5/4まで雷鳥荘にお世話になった。

今シーズン初の剱岳ガイドは、暴風雨の中を剱御前小舎まで。
ロープを結ばなければ飛ばされるほどの状況下だった。
 
夕方からは激しい風雪に変わった。
数日前から続けて、立山に入っていたので、雪崩のリスクが高まる状況が容易に予想できた。
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早朝の剱岳。
今年初めて対峙したが、その威厳に圧倒される。
  
なんとか登りたい!

剱沢へ少し降りてみたが、膝まで潜る新雪に加えて、北風強く目指すルンゼルートの吹き溜まり通過は危険極まりない。
2017年4月30日雪崩死亡事故の時に酷似した状況を感じた。
この時はラッセルして平蔵谷から登頂したが、山頂で登った事を酷く後悔した。
下山時に他パーティーの事故を目撃して、登っては行けない日だったと反省したのだった。
   
今回も快晴は約束されているが、お客様と安全に帰って来れる自信がなく、立山縦走に切り替えた。
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新雪を纏った北アルプス北部の山々は美しかった。
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彩雲も見られた。
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各所で当然のように雪崩も見られるが、最も大切なのはそこにいない事だ。
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日焼け止めは塗っていたのだが、新雪の反射は厳しく、負けた(涙)
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顔には大きなダメージを受け、雷鳥荘スタッフからパックをいただきケア。
     
引き継ぎ、スキーガイドに変身。
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ドライパウダーを味わえた日も。
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厳冬期のようなパウダーにお客様も大満足。
   
ストップスノー、カリカリボコボコ、パック、モナカの時間も。
 
春は雪の変化を感じながら、斜面を選ぶことが楽しい。
隠れたトラップも存在するので、見落とさないよう慎重に行動する必要があるのだ。
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晴れと吹雪が繰り返されて、3000m級山岳の気象変化を感じながらの日々。
つくづく立山は素晴らしい場所だと思う。
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雷鳥荘から見える夕焼けと温泉に癒されて、懐かしい面々や仲間のガイド達との会話も楽しかった。

最後に。
 
今回つくづく残念だったのは、お客様のデボ品が無くなったこと。
 
ほとんど滑り手しか通らない登山道ではない場所に、あきらかにデボと解るようにして置いたのだが。

関係各所に落とし物として、届いていないか確認したが見当たらず、誰かに持っていかれたとしか考えられない。
 
持って行った方は、今からでも室堂の施設内にそっと置いて欲しい。
 
もうデボなんかできない時代なのだと改めて学習した。